創世の話
昔々、大変仲の良い十二人の神様がいました。
神様たちは親しみの証として皆で何かを残したいと考え、何も無い空間に世界を創ることにしました。
始めに翠玉の神様が息吹を送り、言葉を創りました。
これで神様たちはこの世界で話し合うことができます。
次に瑠璃の神様が光を創りました。これで神様たちは世界の様子を眺めることができます。
黄玉の神様が大地を創りました。これで神様たちは降り立つことができます。
藍玉の神様が雨を降らせました。これで海が出来ます。
真珠の神様が雷を打ち放ちました。これで海の中に生命が誕生します。
更翠玉の神様が植物を創りました。これで生命が呼吸することができます。
金剛石の神様が時間を創りました。これで生命は変わっていくことができます。
紅玉の神様が火を創りました。これで世界は暖かくなることができます。
蛋白石の神様が氷を創りました。これで世界は涼しくなることができます。
石榴石の神様が闇を創りました。これで生命は眠ることができます。
水玉の神様が幻を創りました。これで生命は夢を見ることができます。
青玉の神様が癒しを創りました。これで生命は修復することができます。
ここで神様たちは悩みました。
世界はふわふわと漂っていますが、このまま放っておくとやがて落ちてしまうでしょう。
そこで神様たちは力を合わせて支えを創ることにしました。
「何で支える?」誰かが言います。
「星を浮かべよう」別の誰かが言いました。
神様たちは世界を支えることができる星を創り出しました。
一時も同じ色に留まることのない十二色に輝く星です。それは神様たちを表す色でした。
即ち、
翠玉色・瑠璃色・黄褐色・浅葱色・桜貝色・萌黄色
漆黒色・紅玉色・白銀色・石榴色・淡紫色・紺碧色
神様たちは星から見えない鎖を垂らし、世界と結びつけました。
これでもう世界は決して動きません。
神様たちはこの世界をアージュアと名付け、末永く見守ることにしました。




