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高町亜美の物語  作者: 大仏さん
第二章―契約者―
11/31

―休日―

ム『一ヶ月後』


ハ「え?何が?」


フュ『今回は前話から一ヶ月後の話らしいどす』


ハ「ああ。それで、何かあるの?」


作「いや、特に何も起きないよ。多分」


ハ「多分って」


ム『またアバウトだな』


作「そういや、アミは?ここにいないの初めてだけど」


ム『ああ。まだ寝てるよ』


作「珍しいな?いつもはもう起きてんのに」


フュ『まあ、ええやないですか。アミはんはうちらの中では一番子どもなんですから』


ム『だな』



黒い小さな犬が夢に出てきて、あたしはその子とじゃれ合っていた。


抱き上げると、頬をなめられてくすぐったくて、あたしもおかえしと言わんばかりにその子のお腹を撫でたりして。


夢なのに、とても現実感があって、なんだか不思議だった。



暫くすると、犬が急にそっぽを向いて駆けだしていった。



『あ!まって!』



呼び止めると、犬はチラリとあたしを見て


『ワン!』


と一声吠えて、走り去っていった。



「待って!」


「ひゃっ!」


「え?あ、ハクア・・・」


起きると、誰かの驚く声が聞こえて、見てみるとハクアが髪を整えていた。


おはようと、挨拶するとハクアも返してきて、どうしたのか聞いてきたけど、あたしも分からなかった。


でも、何か夢を見ていたことは覚えてる。


「最近多いね?飛び起きるの」


確かに・・・黒獣を倒してから今日までの一ヶ月。


あたしは今日の様に飛び起きることがよくある。


「何か心当たり、ある?」


「・・・多分、夢だと思う」


「夢?」


「うん。内容は覚えてないけど・・・今日みたいに起きる時は、必ず夢を見てる」


「嫌な夢?」


「ううん。そんな感じはしない」


「そう・・・それならいいけど」


心配してくれるハクアにお礼を言って、ベッドから降りて洗面台へ向かい、歯磨きと洗顔を済ませる。


「ムラマサ、フュズィ、おはよう」


『おう』


『おはようございます』


「準備できた?」


「うん」


着物を着て、髪をポニーテールに結び腰にムラマサを提げ、首から黒獣の牙を提げて、着物の下に入れる。


ハクアもホルスターを左足の太股に付けて、フュズィを差し込んで準備完了。


下に降りて、女将さんに挨拶をした後ごはんを食べて、ギルドへ向かう。


「今日はどうする?」


「う~ん・・・今までしてなかったけど、長期のクエスト受けてみようかな?いい加減他の街も見に行きたいし・・・。いい?」


「いいよ」


ハクアは二つ返事で了承してくれた。


と言うわけで、あたし達は今日初めて長期クエストを受けることになった。



長期クエストって言うのは、他の街までの護衛だったり探索に時間が掛かるエリアでの討伐・採取依頼のことを言うんだけど、これまでの十年間、なんとなく受けられずにいたんだよね・・・。


本当に何となく・・・。


「それで、どれ受ける?ラ・メールまでの護衛依頼にル・スィエルでの魔物討伐協力者依頼か・・・初めてだし、まずは簡単な物で慣れておいた方がいいと思うよ?」


「そうだね・・・。ル・スィエルの方が近いんだよね?」


「うん。ラ・メールより一ヶ月くらい早く着く」


「じゃ、護衛依頼の方にする。折角遠くまで行くんだから、途中で色々見たいし」


「分かった」


お姉さんの所に紙を持って行って、依頼を受ける手続きを済ませる。


「あら、珍しいわね?あなたたちが長期依頼なんて」


「はい。今まで受けてなかったら受けてみようと思って」


「そう。気を付けるのよ?」


「「はい」」


お姉さんといつの間にか出てきていたおじさんに手を振って、ギルドを出る。


「出発は明日だから、今日はゆっくりしてようか?」


「うん。そういえば、他にこの依頼を受けた人達ってどんな人なんだろうね?」


「まあ、気にはなるけど、明日になれば分かるからいいんじゃない?」


「それもそっか」


『変な奴がいないといいけどな・・・』


『その時はうちが斬ります』


フュズィが何か物騒なこと言ってたけど、とりあえず気にしないことにした。 

亜「何も起こらなかったね」


ハ「偶にはいいんじゃない?」


作「そうそう。次話ではやっと他の街に向かうからな」


亜「どんだけ遅いのよ、って感じだけどね・・・」


作「うっせ」


ハ「あはは」

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