一秒ずつの針
いつも忙しくて 時間が止まってしまえばいい。
そう思うことがあった。
過ぎていく時間は あたりまえみたいに待ってはくれなくて、
眠ればすぐに夜は明けて、また忙しい時間を過ごす。
かといって、そんな日々を過ごすことは苦でもない。
それが当たり前になっていたから。
それでも、時に時間が止まってしまえばいいと願うことがある。
だけどおかしい―――…
やることがなくて、今 ぼぉーとしている。
なかなか時間は進まない。
こんなにも一秒一秒動く針の音が明確に聞こえるなんて。
こんなにもゆっくりと時間は進み、過ぎていくなんて。
あの忙しいときには感じられなかったよ。
カチコチ…カチコチ…
針が動く。
一秒。一秒。
暇だなぁ…
こういうとき、平和だなぁと感じるときがあります(笑)。