表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心理学は正しいのか?  作者: シンリーベクトル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/79

2次予測からみる精神疾患

精神疾患に影響する「見落とされがちな構造」


精神疾患というと、

不安・抑うつ・強迫・回避といった

症状そのもの が語られることが多い。


だが、それらを横断して眺めると、

もう一段深い共通構造が見えてくる。


それが

「二次予測(自分の行動予測)」の不安定さ だ。



予測には二段階ある


人の予測は、大きく二段に分けられる。


一次予測

・何が起きるか

・失敗するか

・拒否されるか

・怒られるか


いわば「外界」に対する予測。


二次予測

・それに対して自分はどう振る舞えるか

・耐えられるか

・挽回できるか

・場を立て直せるか


こちらは「自分の行動」に対する予測だ。


多くの場合、人を長期的につらくするのは

一次予測の当たり外れではない。


二次予測が不安定だった体験 が、

強い影響を残す。



なぜ二次予測が不安定だと、記憶は「つらく残る」のか


二次予測が不安定だった場面では、


・どう動けばいいか分からなかった

・動いても改善する未来が見えなかった

・失敗後の回復ルートを想像できなかった


という状態が起きている。


このとき記憶は、


「嫌な出来事だった」

ではなく

「自分が無力だった場面」


として保存される。


無力感を伴った記憶は、

時間が経っても完了しない。


似た状況に触れた瞬間、

現在形で立ち上がり続ける。



この視点で見ると、

多くの精神疾患に共通する構造が見えてくる。


それは、


「この状況で、自分がどう動けるか分からない」

「動けなかった場合、取り返せる予測が持てない」


という状態が、

慢性的に続いていることだ。


これは気分の問題ではない。

行動予測そのものが壊れている状態 だ。



疾患別に見た二次予測の崩れ方


代表的なものを構造で整理するとこうなる。


不安障害

最悪ルートしか二次予測できない

→ 行動前から疲弊する


うつ状態

「動いても意味がない」という予測が固定

→ 予測が立たず行動が止まる


社交不安

他人の評価そのものより

「場を収束させられない自分」の予測が怖い


強迫傾向

行動結果より

「不安を回収できない未来」を回避している


症状は違っても、

中核にあるのは一つ。


自分が状況を制御できるという予測を持てないこと。



なぜ治療は「小さな行動」を重視するのか


多くの心理療法が、

・小さく試す

・安全な失敗を積む

・振り返りを行う


ことを重視するのは、

感情を変えたいからではない。


二次予測を再学習させるため だ。


・失敗しても戻れる

・固まっても時間は進む

・完璧でなくても場は壊れない


この予測が更新された瞬間、

症状が急に軽くなることがある。


感情ではなく、

予測が回復した結果 だ。



精神疾患を

・感情の問題

・思考の歪み


として見ると、

説明が分断されやすい。


だが


「自分の行動予測が、回復ルートを失った状態」


と捉えると、

不安も抑うつも回避も一本でつながる。


つらさの正体は、

出来事の強さではない。


そのとき

自分がどう動けると予測できていたか。

そして

動けなかった場合の出口を想像できていたか。


そこが崩れた体験ほど、

人を長く縛り続ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ