表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心理学は正しいのか?  作者: シンリーベクトル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/79

ゲインロス効果

ゲインロス効果という現象がある。


最初は評価が低かった相手が、

あとから好意的になると強く好かれる。

逆に、最初は好意的だった相手が、

あとから否定的になると強く嫌われる。


心理学ではこれを、

• コントラスト効果

• 予期違反

• 情報価値の変化


などで説明することが多い。


だが、この説明には一つ足りない点がある。



感情は「評価の変化」そのものではない


強い感情を生んでいるのは、

単なる「プラスになった」「マイナスになった」ではない。


本体は、


予測と現実のギャップ


だ。

• そういう人だと思っていた

• 次も同じ反応が返ると思っていた


その予測が外れた瞬間、

感情が一気に立ち上がる。


驚き、喜び、裏切られ感、失望。

ここまでは、多くの説明と整合する。



問題はその「次」だ


ゲインロス効果の不思議な点は、

なぜ評価が極端に振れたまま残りやすいか、だ。


もし単なる感情効果なら、

時間が経てば元に戻ってもいいはずだ。


だが現実には、

一度ひっくり返った印象は、

なかなか中庸に戻らない。


ここで、もう一つの要素が出てくる。



判定を変えた瞬間、今度は一貫性が働く


予測が外れる。

感情が出る。

そこで人は、「判定」を更新する。

• 思ったよりいい人だった

• 実は信用できない人だった


この判定を下した直後から、

今度は別の力が働き始める。


一貫性だ。


「自分は、そう判断した人間だ」

という立場を守ろうとする。


その結果、

• 良い方向に変わった場合は、

 好意的な情報ばかりが目に入る

• 悪い方向に変わった場合は、

 否定的な解釈ばかりが強化される


評価が固定され、

極端なまま残る。



ゲインロスは、連続した二段構えかもしれない


この視点で見ると、

ゲインロス効果はこう整理できる。

1. 予測のギャップ

 期待と現実のズレが感情を引き出す

2. 判定の更新

 「この人はこういう人だ」という再評価

3. 一貫性による固定

 更新した判定を守るため、評価が偏る


ゲインとロスは、

別の現象ではない。


同じ構造が、違う向きに回っただけだ。



この見方の利点


この整理をすると、

いくつか腑に落ちる点が出てくる。

• なぜ評価はすぐ元に戻らないのか

• なぜ好意や嫌悪が過剰になりやすいのか

• なぜ次の情報を公平に見られなくなるのか


単なる「印象の変化」ではなく、

判定を変更したあとの自己防衛として見ると、

行動の持続が説明しやすくなる。



他の現象とも地続きになる


この構造は、

ゲインロス効果だけの話ではない。

• ハロー効果

• 確証バイアス

• サンクコスト

• 判断の撤回ができなくなる現象


いずれも、


「一度下した判定を守る」


という点で、同じ流れに乗っている。



まとめ

• ゲインロス効果は、評価の上下そのものではない

• 本体は、予測が外れた瞬間に生じる感情

• その後、判定を更新すると一貫性が働き、評価が固定される

• ゲインとロスは、同一構造の向き違いに過ぎない


ゲインロス効果を

「印象操作の小技」として見ると、

どうしても説明が浅くなる。


予測・判定・一貫性

この三つの連なりとして見ると、

人の評価がなぜ頑なになるのかが、

少し静かに見えてくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ