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─22話─ わんぱくうさちゃんの舞踏会を夢見て踊るプリン

─22話─


MINE着信︰陣 圭一


あーこの時間帯だとジンケイかな


ジンケイ︰こんばんはライデン(*^_^*)

今日ちょっと面白いことがあったので教えます。


こやつの文章は相変わらずだな


ジンケイ︰ライデンに言われた通り圭一とお話してみました( *¯ ꒳¯*)エッヘン


とうとう顔文字も使い始めたね


ジンケイ︰そしたら変なやつらに絡まれてしまいましたΣ(゜д゜;)


ジンケイ︰それで僕は思わずその人たちの記憶を消したんですが、ちょっと後悔したんです(´・ω・`)ションボリ


顔文字うっざ!


マイ返信︰ジンケイさん、こんばんは

なんで後悔したの?それで良いんじゃない?


ジンケイ︰あ、こんばんは\(^▽^)/!


ジンケイ︰ああいう人たちって覚えておいてもらわないとまた同じことしてくるじゃないですかヽ( ˙꒳˙ )ネェネェ


ジンケイ︰だから記憶を消すんじゃなくてライデンみたいに恐怖を植え付けとけば良かったかな、って(>_<)


こやつのSっ気はもう治らんな⋯

そして俺が言ったみたいに言うでないわ!


マイ返信︰何にしても圭一君の身体なんだから穏便にね!


ジンケイ︰はい (・ω・)ノわかりました


ジンケイ︰それで面白かった話のことなんですけどね


今の話と違うんかーい!


ジンケイ︰さっき圭一が勉強してたらうたた寝しちゃって、メガネ落としたんで僕が出て来れたんですよ!

面白いですよね(˶ᐢᗜᐢ˶)


そしておもんないわ!


マイ返信︰ジンケイさんおやすみなさい


強制終了


それから数日間、サユリちゃんは新メニュー開発に勤しみ、その傍らで私と圭一君が勉強しているというスタイルが定着していた。


そんなある日


「マイ様!新メニューが出来ました!ご覧いただけますか?」

サユリちゃんが実物をテーブルに運んできた


「うわー!なにこれ可愛いー!!」

それはイラストからそのまま出てきたようなクオリティの、まさに食べるのが勿体ない芸術的な完成度だった。


「でもこれお高いんでしょう?」


「そうですね、普通だとちょっと高いと思いますが、例えばこれはプリンを何人分でも乗せられますので大人数で頼めば1人あたりはお手頃価格かと」


「そっか、記念日に二人で頼むとかも出来るもんね」


ちなみに⋯

「これの名前は?」


コウガが自信満々に答える

「はい、『わんぱくうさちゃんの舞踏会を夢見て踊るプリン』でございます」


ハクガが絶句して唇を噛んでいる

血が滲んでない?


がんばれハクガ!

キミは前世であんな巨大モンスターを支えてたんだ

うさちゃん運ぶのくらい簡単簡単!


⋯⋯


『わんぱくうさちゃんの舞踏会を夢見て踊るプリン』が正式メニューとなって1ヶ月あまり。


サユリちゃんのSNSプロモーションもあり、喫茶バシリアンはそこそこの人気店となっていた。


彫刻みたいな筋肉ウエイターが料理を運んでくるという意外性に加え、まるでイラストそのままの精巧なお菓子は巷の話題を呼んだ。


ただし、確かに客足は増えたが、当初予想していたような大繁盛店とまではいかなかったのだ。


問題点はいくつかある


まずこの牢獄のような外観のお店

拘った故にどうしても高価になってしまうメニュー

そして何より一番の問題点は立地だった


これが都心の一等地なら良かったかもしれないが、街の裏通りにあり駅からも離れたこの場所では集客にも限界があった。


マイ

「でもさ、これ以上お客さんが増えると私たちの勉強場所が無くなるよね」


サユリ

「それは絶対に避けねばなりません!であるならば、むしろ現状ぐらいがちょうどいいかも知れませぬ」


コウガ

「しかしこれだけ品質の良い物がこのまま埋もれてしまうのは何とも惜しい気が致します」


ハクガ

「ならば、2号店を出しましょうぞ⋯」


⋯!

ハクガが意見を出した!

皆はまずそこに驚いたが、その発言内容にも驚いていた。


サユリ

「2号店⋯ですか、確かにそのような策も考えられますが、現状ではリスクの方が高いと思います」


マイ(ライデン)

「ふふん、リスクを取らねば得られぬ果実もあるものよ」


ちょっと!

またそんなうんちくを含んだ言い方して無責任なこと言わないの!

どっから覚えて来たのかしら


ハクガ

「我ら兄弟一度は死んだ身⋯この先失敗したとしてもそれは宿命として受け入れるのみ!」


コウガ

「うむ、よく言ったハクガよ!それでこそ双頭紅白拳の使い手なり!!」


あぁ~会議の場が無駄に熱気を帯びてしまった

ライデン!責任取ってよね


マイ(ライデン)

「ふ⋯貴様らがどこまでやれるか見ものだわ」


だからなんで煽ってんのよ!


サユリ

「そこまで言われるのであれば⋯

分かりました!このサユリ全身全霊で2号店の出店の実現に向けて邁進致しましょう!」


コウガ&ハクガ

「おお!」


しーらない!

私知らないからね!


こうしてサユリちゃんをリーダーとして2号店出店計画が動き出してしまった。


サユリちゃん、新人バイトなのにもうすっかり経営者側だね⋯

これバイト代とかどうなるの?


⋯⋯


やがて月日は流れ、共通テストの時期がやって来た。


バシリアン2号店は都心に出店する方向で話が進んでいる。

サユリちゃんの高校生とは思えない行動力には驚くばかりだ。コウガとハクガもそれに素直に従い日々の雑事をこなしている。

近い内にそれはオープンするだろう。


そして明日はいよいよ共通テストの日を迎える。ついに東大への第一関門の扉を開くのだ。


ふん、事前の足切りなどに興味は無い。

我らが目指すのは本丸の制覇のみ!


いやいやいや、ここを突破できないと本丸を拝む事すら出来ないんだからね?


しかし私が共通テストで上位を狙うような人間になるとはね

1年前には思いもしなかったわ


それもこれもライデンが転生してきたお陰ではあるのだけれども


(ありがとねライデン)

今はまだ心の中で呟いておく


圭一君、ジンケイと一緒でちゃんと勉強出来てるのかなあ


MINEを送ろかとも思ったが、テスト前日だし遠慮しておこう

何も連絡が無いのはきっと向こうも同じ思いだからだろう


そして迎えた共通テスト当日


私はいつもと変わらぬ朝を迎えた


ただ一点、ライデンがいないことを除いては



つづく


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