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─17話─ 迅雷拳の後継者と改行

─17話─


「圭一君・・・」

圭一の顔に添えた手で彼のメガネをすっと外す。


その瞬間

荒ぶる闘気が吹き出した。

圭一からジンケイへ変貌したのだ。


「・・・現れたなジンケイ」


私も意識をライデンにスイッチする。

ライデンの闘気が全身に迸る。


「その闘気⋯ライデンか!」

ジンケイが鋭い眼差しをライデンに向ける

「いったい何の用だ」


「ジンケイよ、貴様その身体で一体何を企んでいる」


「企み?何を言っているライデン・・・

あなたこそその娘の姿に望んで転生したというのか?」


「ふん、どうかな⋯?」

ライデンにとっても、たまたまこの身体に転生したのだと、最初はそう思っていた。だが今となっては、それは必然だったのかも知れぬと考えるようになっていた。


ジンケイは表情を変えずに答えた。

「俺はこの身体に偶然転生したのみ。それ以上でもそれ以下でもない」


それは事実であろう

ボウリング場で初めてジンケイが覚醒した時の奴の反応からもそれは伺える

だが・・・!


「ふん、そうか?ならば貴様の意識は何故圭一やジャギの魂と交感せぬのだ」


「む」

ジンケイの表情が変わった


そう、ジンケイの魂は常に独立して存在している。


私とライデンは意識と記憶を共有する存在だし、サユリちゃんとバロンは人格さえも完全に一致している。


ジャゴが圭一に憑依した際は、圭一と僅かながらも記憶を交感していた。


あのゲドーに憑依された富田先生もゲドーと記憶が交感していたのだろう。ゲドーが消えた後も富田先生は私のPだと知っていたから。


圭一とジンケイにはそこに大きな違いがあるのだ。彼らはどちらかが覚醒している時はどちらかが完全に眠っている。


ジンケイの顔が険しくなった。

「⋯そこに気づいたかライデン、思ったより早かったな⋯いやその同居する娘のおかげか?」


「ジンケイよ、貴様が現世で何をせんとしているのかは知らぬ。

だが!その男の身体の持ち主に仇なすようであれば容赦せぬぞ!」


ジンケイは不敵な笑みを浮かべた。

「随分変わったなライデン⋯昔のライデンであればそのような他人の事など、道端の小石ほどにも感じなかったであろうに」


「貴様に言われるまでも無い。俺はこの現世で最強の支配者となる!その障害になる者はなん人であろうと排除するのみ!

⋯ジンケイよ、やはり我が前に立ち塞がるか!?」


「ライデン⋯俺はあなたと事を構えるつもりは無い。今は、な」


ジンケイは続けた。

「俺は現世で我が後継を見つけるのみ!」


⋯!

「それが目的か!ジンケイ!」


つまりそれは一子相伝の迅雷拳伝承者を探すということに他ならない。


「それが迅雷拳伝承者たる俺の宿命!

そのために俺は現世に転生してきたのだ!

それまでは誰とも交わるつもりはない⋯

当然この体の持ち主ともな」


(ジンケイ、貴様はそのような狭量な心の男だったのか?前世ではそうではなかったはずだ)

しかしライデンはそれを問うことはしなかった。


「ふん、よかろうジンケイ。だが迅雷拳は一子相伝!もしも伝承者として最も適格なる者を俺が見い出した時は、その者が正統な迅雷拳伝承者となるのだ!」


「そうか⋯ライデンよ、あなたには心当たりがあると見える。だが俺も正統伝承者としてこれを譲るわけには行かぬ!」


「ふ、楽しみにしているぞジンケイ」


ライデンはメガネをジンケイに手渡し、

ジンケイはそのメガネを沈黙のままかけた。


ジンケイの闘気が消失し、いつもの圭一の表情へ戻った。


「え⋯?あれ?二階堂さん?」

圭一は事態が飲み込めないようだ。

まあ当然だよね。


「圭一君お疲れ様!帰ろうか!」

「え?ええ⋯?あのキ⋯、ええ!?」


その日、圭一は悶々とした夜を迎えることになったのは言うまでもない


─ 夜 ─


MINE着信︰権 次郎


あ、圭一君からMINE来た。

今日の事かな?


圭一︰

こんばんはライデン。今日はお世話になりました。お話出来て楽しかったです(*^^*)


あ、この文面は⋯

さては圭一君が寝たからジンケイが起きてきたんだな?


返信︰

ジンケイさん、もう圭一君は寝たのかな?


ジンケイ︰

はい今日は疲れていたのか早く寝ました。おかげで僕は自由な時間が増えてラッキーです(*ˊᵕˋ*)


こやつ本当に昼のジンケイと同じ奴か?

文章能力が壊滅的に稚拙過ぎるわ!


うん、私もそう思う

絵文字覚えたのが嬉しいみたいね

そういえば改行の仕方は覚えたのかなあ


ジンケイ︰

これから後継者探しをするんですが何から始めたらいいと思いますか?(-ω-;)


あの阿呆が!!今日あれだけ「俺の宿命」だの「そのために転生してきた」だのと啖呵を切っておきながらノープランだと!?

しかもそれを俺に聞いてどうする気だ!!


(これはいかん、またジンケイのメッセージでライデンがイライラし始めちゃった)


返信︰

そうだね~まずは学校とかで色々な人に話を聞いてみるのが良いんじゃないかな?


ジンケイ︰

僕って圭一がメガネ外してる時しか出られないじゃないですか(;;)だからお昼に誰かにお話するのが難しくて^^;


いや知らんがな!!


だいたいそんな状態でどうやって後継者を探すなんてエラそうに言ったのか聞きたいわ!

あ、だから私らに相談してきたのか⋯


ってやっぱり知らんがな!


これはダメだ

私もライデンも完全にペースに乗せられてる

なんて恐ろしい奴!


返信︰

もう圭一君に協力してもらうしかないんじゃないの?


ジンケイ︰

うーんそうですね考えてみます(^^;


なんなんだこいつは!

「誰とも交わるつもりはない」なんてカッコつけてたくせにもう迷ってやがる!


返信︰

その方が良いと思うよ!頑張って


ジンケイ︰

ありがとうございます。それで本題なのですが


いや、今のが本題じゃないんかーい!


ジンケイ︰

改行ってどうやるんですか?︎


⋯もう切れ!


─ 1時間経過 ─


ジンケイ︰

なるほど(^^)

よくわかりました!!

ありがとうライデン


ライデン︰

良いか?改行も適度に入れるのは良いが、あまり多過ぎるのも考えものだ。

何事にも限度というものがあるのは知っておろう


ジンケイ︰

はい分かりました♥︎


何だかんだ言いながら、私の代わりにライデンが改行の仕方を懇々と説明していた。


なんなんだこの一族は



つづく

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