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─16話─ 金太郎電鉄対決

─16話─


金太郎電鉄

なんでもお願い権争奪杯スタート


マイ

圭一

サユリ

の順番である。


ゲーム音声︰最初の目的他は・・・静岡でーす!


途中のマスでお金やカード(アイテム)を入手しながら目的地を目指す。目的地に最初に到着したプレイヤーには賞金が入る仕組みだ。

スタートの東京から静岡は比較的近い


「これは最初にリードを広げるチャンス!」


マイの番

サイコロは・・・ 2

くっ、出足が鈍い!


圭一の番

サイコロは・・・6

「ウシッ」

小さくガッツポーズをする圭一


サユリの番

サイコロは・・・3

ふ、マイ様をお守りするにはちょうど良い位置よ


再びマイの番

サイコロは・・・1

くっ!このままでは遅れを取るぞ!なんとかせい!

いやそうは言ってもこればかりは迅雷拳でもどうにも・・・


マイはカード駅に止まった。

良いの出ろ!


【ぶっ飛ぶカード】

一か八かどこかへ飛ぶカードだ

目的地が近いのにこれを使うのはリスキー過ぎる


圭一がサイコロを振る

5

もう静岡は目の前だ

次のターンで到着する可能性がある


「おのれ圭一!このままではマイ様に疫病神が付いてしまうではないか!」

後に判明するが、このサユリの発言はあくまで単なるポーズであった。


疫病神とは、目的地から一番遠いプレイヤーに取り憑き、お金を捨てたり余計なイベントを発生させたりする厄介なキャラだ。

他の誰かに重なったり通り過ぎることで他のプレイヤーに取り憑かせることが可能だ。


サユリもマイもサイコロを振るも、まだまだ静岡には遠い


圭一がサイコロを振る

出目は3

「目的地に到着でーす!」

あっさりと目的地に到着した圭一に賞金が入り、もっとも遠くにいたマイに疫病神が取り憑いた。


疫病神︰お金なんか捨てちゃうのねーん


マイの所持金が捨てられた。

うおっ!何だこ奴は!早くどうにかせい!


うー、近くにいるのはサユリちゃんか

なんとか追いついて早く疫病神をなすらないと!


サユリはサイコロで5を出し、どんどん遠ざかる

「待ってサユリちゃん!」


「マイ様!助けてあげたいのは山々ですがこれは真剣勝負!手を抜くわけには参りませぬ!」

(むしろマイ様が最下位になればお願いを聞いてもらうチャンスと言うもの!)


次の目的地は広島

マイの位置からは更に遠い


くっ・・・!マズい、疫病神を連れたまま皆を追うのはあまりにも無策無謀!


「こうなったら一か八かよ!」

【ぶっ飛ぶカード】を使う!


上手く行けば目的地まであっという間だ

「せめて西日本に飛べれば!」


ぶっ飛んだ先は・・・

青森


何をしておるか!

疫病神に憑かれたまま孤立しておるではないか!


最下位ルートまっしぐら


早くも1年目が終了し残り2年となった。

現在トップは圭一

サユリがそれに続く


マイは疫病神に身ぐるみ剥がされ所持金マイナス

しかもまだ一人で東北をうろついている


ええい!このままでは状況が好転せん!

なにか策は無いのか!?


ある・・・打開策が⋯!

さっき入手した2枚目のぶっ飛ぶカード

これを使うのよ


しかしどこへ飛ぶのか分からぬのであろう?


今私たちは東北にいる

目的地は広島

どこに飛んだとしても確率的に今よりは近づけるはず・・・!


ああ、天が我と戦いたがっておるのであれば必ずや奴らの元へ行けるであろう!

ゆけい!


お願いしますぶっ飛ぶカード!

その飛んだ先は・・・!


網走


寒い

北の大地は心から寒い

天はどこまでも我らに試練を与えるのか!?


サユリと圭一は近くに疫病神がいないのをいいことに、物件を買い漁り、目的地に入れるのにも関わらずワザと入らなかったりとやりたい放題。

圭一はさらにマイが自由に動けないよう、マイの線路上に【うんこカード】を置くという非道な行い。


こやつら⋯!

友人を無くす行為を平然とやりおって!


(すみませぬマイ様、これも全てはマイ様にお願い権を発動するため!このサユリ心を鬼にしてマイ様を奈落の底に突き落とします!)

圭一も思いは同じであった。


マイ、実質2vs1の戦い


このゲームで2人に共謀されてしまっては、残った1名はとてつもないハンデを背負うことになる。

既に3年目に入り、残り半年程となっていた。


不利⋯!

圧倒的不利⋯!

しかしその時マイの手元に一筋の光射す

【会議招集カード】!

来たっ⋯!ざわっ⋯!


これが発動すれば全員が強制的にマイの元へ集まる事となる。


そして、それと同時に疫病神の様子がおかしくなった。

こ、これは!

変身を始める疫病神!!


「キングヤクビョウー!!」

現れた最恐の敵!!


こいつの悪事は疫病神の比ではない。

1回憑かれただけで大ダメージは必至である。


途端にサユリと圭一が色めき立つ

「マイ様!借金返済カードを使うのです!」

「二階堂さん!カード全部捨てた方が良いですよ!」


あんたら!見え見えの大嘘ついてるんじゃないよ!


もはや奴らは親しき友人でもなければ忠実な臣下でもなんでもない!倒すべき敵だ!


マイは迷わず会議招集カードを発動する。

「出でよ地獄への招待状!会議招集!!」


全員がマイの元へ集合する!


ここから脱出するすべは無かった。

なぜなら圭一がマイの足止めのために置いたウンコカードにより袋小路となっていたのだ。

策士策に溺れる


キングヤクビョウは次々と圭一やサユリの物件を破壊し、巨額な借金を負わせていく。

勿論マイ自身もダメージを食らうのだが、元々物件なぞ所有していないマイは奇跡的にキングヤクビョウの物件捨て攻撃が空振りで済んでいた。

そして袋小路のようなこの場所では必ず毎月ごとに誰かが犠牲者となった。


地獄絵図のようなラストまでの半年間がついにフィナーレを迎えた。


誰一人として物件を持つ者は無く、全員が借金を抱えたまま終了。


借金の最も少ない者が優勝という、もはやなんのカタルシスもない結果となっていた。


「優勝は、マイ社長でーす!おめでとうございます!」

高らかにアナウンスするゲーム音声がいっそう悲哀を感じさせていた。


残されたのは友情にヒビの入った者共だけであった。


やんなきゃ良かった

ぷひー


全く人間の醜い部分を露呈する遊戯であったわ

現世の人間の野望も前世とそうは変わらぬということか


「よし、気を取り直して勉強勉強!」


金鉄での禍根を残しつつ私たちは勉強を再開した。


数刻の後

そろそろ勉強会も終わりの時間だ。


サユリちゃんが口を開いた

「それでマイ様、お願い権はどうされるのですか?」


「最下位は圭一君だったね

因果報応を絵に書いたような転落劇だったもんねー」

圭一は、ウッと息を呑んだ。


さて、あの「うんこカード」の恨み、どう晴らしてくれようか。


「じゃあ圭一君、明日の放課後ちょっと付き合ってもらえるかな?」


「⋯はい、分かりました」

圭一は素直に応じた。


「マイ様!私もお供いたします!何せ圭一と私はマイ様を陥れた張本人!連帯責任でございます」

何だかんだ理由を付けて二人きりにさせない作戦に出るサユリ


「んーサユリちゃん、今回は圭一君にお願いするから大丈夫!また今度お願いするね」


サユリの表情は明らかに落胆していた。

少し可哀想だが仕方がない。


「じゃあ圭一君、明日ね」


翌日の放課後


私と圭一君は学校から少し離れた場所で落ち合った。

学校だとカップル認定されていてどうにもこうにも面倒くさいからだ。

しかしこれはこれでコソコソ付き合っているような気分にならないでもない。


「今日は勉強会の代わりにちょっと付き合ってね」


「ええ、約束なので構いませんが、一体どこへ?」


私たちは滅多に人の来ない河川敷にやって来た。


夕日が傾き影を長く伸ばす。

もうすぐ秋も終わりやがて冬がやって来る。


橋の下に着いた私は立ち止まり、圭一に向き合った。


「に、二階堂さん⋯?」


私はゆっくりと彼に近づいた。

「え、近っ⋯」


「圭一君、私ね、どうしても確かめたい事があるの」


私は彼の顔に両手を添えた。

「⋯圭一君、目を閉じて」


「え、え⋯?」

圭一の鼓動が高鳴るのを聞きながら、私は彼にゆっくり顔を寄せた。



つづく


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