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─12話─ 最強武闘家、JKになるってよ

─12話─


マイの意識は無いが学校には行かねばなるまい。

何せ受験勉強に加え模試も近い。

やらねばならぬ事が山積みなのだ。


仕方あるまい

今日は俺がマイとして行動してやるとするか。感謝するが良い。


もはや慣れた手つきで制服に着替え、時間割を確認し持ち物を揃える。

食卓では母親の朝食を食べながら

「お母さん卵焼き美味しいね」


ふふん、一度見た相手の技を我がものとする迅雷同心術を持ってすれば、マイの口調を真似るなど文字通り朝飯前よ!


「行ってきまーす」

ライデンは紫電号ママチャリに跨り颯爽と通学する。


よし、マイモードはもう良かろう

「行けい紫電よ!学校へ疾駆せい!」


マイ(100%ライデン)が教室に入り席に着くと、いつも通りサユリが恭しく現れる。


「おはようございますマイ様。本日はいつにも増して威厳のあるお姿、慧眼の至りとお見受け致します」


「改めて聞くと面倒な物言いだなバロンよ」

サユリは(あれ!?)という表情をしている。


む、しまった

マイモードOFFのままだったな


サユリ(バロン)相手ならライデンモードのままでも構わんのだが、もしマイの意識が無いと分かるとこやつの事だ、また大騒ぎするであろう。


「サユリちゃんおはよう!今日も元気そうだね」

うむ、ここはマイモードで返しておくとしよう。


「ところでマイ様、昨日のジャージの件如何でしょうか」


ん?

何の話だ?ジャージだと?


マイが昨日サユリから借りたジャージの事はライデンには記憶されていなかった。


「本日体育がございまして、わたくしめのジャージは如何したものかと・・・」


体育があるのは知っている。ジャージも持参している。時間割を確認したからな。

だがサユリのジャージまでは俺は知らんぞ?


「えっと、ジャージって何の事だっけ?」


「はははマイ様、おとぼけになられて。

昨日私がお貸ししたジャージの件でございます」


何だと!?

マイめ、なぜジャージなぞ借りたのだ!

うん?そう言えばジャージが干してあった気がするな・・・

マイの物にしてはデカいと思ったが、さてはあれの事か!


「あーごめんサユリちゃん!家に忘れてきた!体育は午後からだからお昼に取ってくるね!」


「左様でございますか。ご面倒とは思いますがよろしくお願い申し上げます」


くくっ!

せっかくの昼休みが潰れてしまうではないか!マイの奴め!


─ 昼休み ─


おのれ!

午前は俺の好きな世界史があったと言うのに、ジャージが気になってまるで頭に入って来なかったわ!


行くぞ紫電!自宅まで疾駆せい!


「二階堂さん!」

紫電号ママチャリに跨った途端圭一に呼び止められた。


貴様、俺は急いでいるのだ!弁えい!

「ごめん圭一君!急いでるんだ」


「あ、二階堂さん、これ保健の富田先生から・・・」

圭一が何か言いかけているが無視する。


紫電よ、すまぬが急ぐのだ!


よし、家に着いた!

ジャージは・・・

む、これか!

確かにサユリの名が書かれている

なぜジャージなぞ借りたか後で聞かねばなるまい


さあ戻るぞ紫電!


ガッシャン!!


ぬおっ!

紫電号の⋯チェーンが外れおった!!


くっ

紫電号に無理させすぎたかも知れん

⋯すまぬ紫電!


紫電号ママチャリは厩舎(自宅)で休ませ、徒歩で学校へ向かう。


まずい、徒歩では学校に着く頃には昼休みが終わってしまうではないか!

飯抜きでは力も十全に出せん⋯


走って行きたいのは山々だが、マイ脳内シミュレータが「スカート気をつけてよね!」と怒鳴っておる


なんと不便な事よ!

こんな事ならジャージで来れば良かったわ!


バスで行くか⋯?

しかしマイ無しであの奇々怪々なバスの乗降システムを完遂することなど俺に出来るのか⋯?


行き先表示?

経由?

整理券?

交通系IC?

降車ボタン?


そもそも「前乗り」「後乗り」すら分からん俺の身ににもなれというものだ


バスは⋯却下だな

俺がこの国を支配した暁にはバスなぞ真っ先に叩き潰してくれるわ


うおっ!

しかも雨まで降って来おった!!

おのれ天め!

このライデンにどこまで試練を与える気か!


やがて雨も本降りとなっていた。

ライデンの足取りは重い。


ようやく学校に着いたが、もう昼休みも終わりだ。


バロン(サユリ)のジャージのために飯抜きの上ずぶ濡れだと⋯!?

考えていたら無性に腹が立ってきたわ!


教室に入るとサユリが俺を見つけ近づいてきた。その姿が物凄く腹立たしく見える。


「マイ様ずぶ濡れではありませんか!」


貴様のせいだわ!

と怒鳴ろうとしたところにサユリから衝撃のセリフが飛び出した。


「本日の体育は雨で中止でございます」


なっ⋯!


俺は⋯天に見放されたのか⋯?



─ 放課後 ─


ジャージに着替えた俺はいつもの通り勉強会に向かった。

正直モチベーションは最低だったが。


圭一が既に先に図書室に来ていた。

奴め、珍しくメガネを外して机で寝ておるわ


俺の気配に気づいたのか、ムクリと起き上がった。


「圭一君、さっきはごめんね?なに言おうとしてたの?」


ん?圭一の様子がおかしい

この闘気⋯

貴様ジンケイか!


ジンケイはギロリと俺を睨んだ

「ライデンよ、本当にその身体を守れるのか!?」


ぬ、ジンケイめ

突然何を言い出す


「俺はこの体を傷つけた事など一度も無いわ!」


「では昨日のアレは何だ。俺が助けなければその身体はゲドーに蹂躙されていたかも知れぬのだぞ?」


何⋯昨日⋯?

ゲドーだと⋯!?

何を言っているのだこやつは!

あのゲドーがここに転生しているというのか!?


ゲドー⋯

かつて奴は確かにライデン軍の配下だった。

奴はトミーに深い恨みを抱き、尚且つ自らをトミーに成りすますほどトミーへの憎愛を持っていた男だった。

性格は歪んだ人間だったが、奴のもたらす人体のかなめの情報はなかなか使えるものだったが故、そのまま放置しておいたのだった。


そのゲドーが現世に転生しマイを襲っただと!?

「ジンケイ!その話はまことか!?」


「やはりあの時の事を知らぬか⋯

ならば貴様はその場に留まる資格なし!今すぐその身体より離れ天に帰れ!さもなくば⋯」


「ふん、この俺を倒すかジンケイ!」


ジンケイの目がギラリと光る

「その魂滅殺するまで!」


ジンケイの闘気が一段と膨れ上がった。


「面白い!ならば受けて立とう!」

ライデンはニヤリと微笑み闘気を爆発させた。


ジンケイは静かに言った。

「ライデン、ゲドーが待っている。天に帰る時が来たのだ!」


(おのれ、もう少しマトモな奴は待っておらぬのか)


お互いが同時に究極奥義を発動する。


「迅雷究極奥義!心虚影斬!!」


ついに前世からの因縁の戦いの幕が切って落とされたのだ。



つづく

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