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第0065話 事件の輪郭

霧の街に朝が訪れる。

薄い灰色の霧が建物の隙間に漂い、石畳を濡らしていた。

消えた夫の行方は、霧の中に隠れ、赤ん坊の逆説的瞳が心に重くのしかかる。


主人公は慎重に足を進める。

ライネルは低く、冷静に声を出す。

「足跡を辿る。慌てるな」


シルヴィアは軽口を交えつつも、目は鋭く情報を探す。

「ふふ、霧の中は私の庭ね。誰にも見つからない」


マリーベルは怒りを炎に変え、指先で小さな火を弾く。

「待てない……時間が惜しい!」


アリアは後方で静かに祈る。

その掌からこぼれる光は、仲間を守る祈りの証だった。


蟻の国の小人たちの情報網を頼りに、夫の行動パターンを分析する主人公。

赤ん坊の示す逆説的予知と絡めると、事件はますます複雑さを増す。


路地の奥、濃霧に包まれた広場。

影がゆらりと揺れ、気配だけが残る。

再びドルグが現れ、主人公たちの行動を試す。


「随分と忙しいようだね、君たち」

彼の声には冷ややかさと、わずかな挑発の響きがあった。


赤ん坊は未来を逆に映す瞳で、静かに主人公を観察する。

その瞳の奥に、何か意図があることを主人公は直感する。


小さな事件の連鎖が、街の闇を少しずつ浮かび上がらせる。

血痕ではなく魔法の残滓が、事件現場に微かに残る。

住人の言い間違いが、隠された願望や秘密を思わぬ形で明かす。

蟻の国の援助により、隠し通路や裏道が次第に浮かび上がる。


日が傾き、街は霧に沈む。

四葉亭に戻る主人公たち。

暖炉の炎が揺れ、壁に映る仲間たちの影もまた揺れる。


「核心に、一歩近づいた」

主人公の声は静かだが、確かな手応えがあった。


ライネルは足跡と魔法の痕跡を頭の中で整理する。

シルヴィアは霧の中で拾った情報を軽業のように繋ぎ合わせる。

マリーベルは炎を鎮め、次の一手を思案する。

アリアは水のような静けさで、仲間の緊張を和らげる。


霧の街は夜の深まりと共に、謎をさらに濃くする。

しかし、主人公たちの心には、事件の輪郭が徐々に浮かび上がりつつあった。

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