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第0054話 核心への扉

翌朝、霧に包まれた街路を歩く女と四人。

昨夜の議論と葛藤を胸に、四人の探偵は互いに視線を交わしながら慎重に進む。


「奴らはまだ動いている」

ライネルが低く呟く。

視界の端に、昨夜の暗殺者たちの気配がかすかに漂う。


マリーベルは拳を握り、炎の気配を強めた。

「今度は絶対に逃がさない」

短く、鋭い声が霧に溶ける。


シルヴィアは周囲を軽やかに確認し、路地や屋根の影を意識する。

「……偽りの影、気を抜くな」


アリアは女の手を握り、そっと祈りをささやく。

「過去の扉を開く勇気を、どうか」


女の胸に、断片的な記憶の重みと守られる安心が交錯する。

夫を奪った者の正体――

それは過去の扉の向こうで、ゆっくりと姿を現そうとしていた。


――虎か石か、真実か幻か。

見えぬ敵、見えぬ危険、そして過去の影。

四人と女は、その霧の中を慎重に、しかし確実に前へと踏み出していく。


核心への扉は、もうすぐ開かれようとしていた。

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