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第0049話 女は虎なの?それとも石なの?

夜も深まった街路に、四葉亭の灯が小さく揺れていた。

ライネルたちは酒場に戻り、戦闘の痕を整理しながら、次の行動を練っていた。


そのとき、酒場の奥の暗がりから、奇妙な老人が現れた。

腰を曲げた小柄な体に、長い灰色の髭。手には木彫りの虎の像を抱えている。


「――虎と思うて矢を射れば、それは石なり」

老人は呟くように、しかし力強く語った。

「物事は、見かけに惑わされるな。真実は思い込みの影に隠れている」


シルヴィアは眉をひそめ、口を尖らせた。

「……意味わかんねぇな。結局、女は虎なの?それとも石なの?」


ライネルが額に手を当て、考え込む。

「……たぶん、どちらでもない。敵が虎のように見せかけ、実際には無害に見える石のようなもの――そういうことだ」


マリーベルは苛立ちを滲ませながらも、拳を握る。

「ふざけんな……。抽象的すぎて戦略にならねえじゃん」


アリアは静かに微笑み、女の手を握ったまま言う。

「でも……言いたいことはわかる気がします。私たちの見ているものだけでは、本当の危険は測れないってこと」


老人は静かに頷き、虎の像をライネルの手にそっと置いた。

「忘れるな。見かけと真実は違う。影に惑わされず、女と火の雨の謎を追え」


その夜、四人の探偵は互いに視線を交わす。

表面上は平穏だが、心の奥には不安と緊張が静かに燻っていた。


――目に見えぬ敵、見えぬ真実。

虎か石か、いや――どちらでもある。

その寓話が、次の行動の羅針盤となることを、まだ誰も知らなかった。

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