第0023話 エリオット
霧の港街、木組みの家々の間を四人は進む。
石畳に映る影が長く伸び、灯りが揺れるたびに路地の輪郭が変わる。
突然、目の前に現れたのは、依頼者の家族に深く関わる人物――若き商人、エリオットだった。
その瞳には計算が光り、微かに笑みを浮かべる。
「おや、珍しい顔ぶれだな」
低く告げた声には、警告と好奇心が混じっていた。
ライネルは眉をひそめ、慎重に距離を測る。
「この人物は、過去と現在を結ぶ鍵……間違いない」
シルヴィアは影から顔を出し、くすくすと笑った。
「ひねりが出てきたわね。面白くなってきた」
マリーベルは炎を指先に宿し、敵意を示す。
「絶対に逃さない……!」
アリアは手を合わせて祈り、周囲を静かに見渡す。
「どうか皆が無事でありますように……」
エリオットは街の裏通りを案内しながら、依頼者の家族の過去を語り始めた。
過去の秘密、隠された取引、祠の封印……そして足跡の逆行現象の起源。
ライネルは情報を一つひとつ頭の中で整理する。
「……全てが事件に繋がる糸だったのか」
シルヴィアは壁に寄り、足音を確認しながら笑う。
「読み解く楽しみが、さらに増えたわね」
マリーベルは拳を握り締め、決意を固める。
「次こそ、敵も逃がさない」
アリアは微笑み、祈りを重ねる。
「皆が無事でありますように……」
港の霧が深く立ち込める中、四人は新たな作戦を立てる。
異郷の街は情報の宝庫であり、同時に危険な迷宮でもあった。
ライネルは静かに仲間を見渡す。
「次の一手で全てを掴む」
シルヴィアはくすくす笑い、影の中を軽やかに駆ける。
「賞賛を受けるのはまだ先ね」
マリーベルは拳を握り締め、炎の魔力を高める。
「次こそ敵を捕らえる!」
アリアは手を重ね、静かに祈る。
「全てがうまくいきますように……」
霧に包まれた街角、石畳に映る影が四つ揃う。
港の風が新たな冒険を予告するかのように、旗を揺らした。
夜は深く、しかし探偵団の心には決意の灯が燃えていた。
次に控えるのは――鏡が残る館、そして魂の迷宮。




