第0022話 落差
異郷の街角、木組みの家々の間に、雑踏と商人の呼び声が交錯していた。
ライネルは慎重に足を進め、路地裏の暗がりを観察する。
「……この街の裏通りには、何か匂う」
低くつぶやくと、四人は静かに耳を澄ませる。
シルヴィアは笑みを浮かべ、路地を軽やかに駆け抜けた。
「人々の視線、会話、動き……全てが情報源よ」
マリーベルは指先で魔力を探り、街の気配を読む。
「敵の動き……確かにある。けれど、正体はまだ掴めない」
アリアは静かに祈るように手を組む。
「どうか、無駄足になりませんように……」
港町の人々の噂が、次第に事件の輪郭を浮かび上がらせた。
「祠の影に何か封じられている」「消えた娘は、見えない力に導かれた」
ライネルは眉をひそめる。
「街の情報と依頼者の秘密が、徐々に重なってきた」
シルヴィアはくすくす笑い、壁に隠れながら声を潜める。
「敵が誰で、味方が誰か……読み解くのが楽しみね」
マリーベルは拳を握り、決意を新たにする。
「敵がどこに潜んでいようと、私は逃さない」
アリアは落ち着いた声で告げる。
「皆が安全でありますように……情報も、慎重に扱いましょう」
霧の奥、古い倉庫に人影が現れる。
ライネルの視線が鋭くなる。
「……あれが手掛かりか」
シルヴィアは影に溶け、距離を詰める。
「仕掛けは読める……相手も焦っているわ」
マリーベルは炎を指先に宿し、倉庫の扉に触れる。
「敵が動けば、炎で封じる!」
アリアは祈りを込めつつ、周囲の気配を探る。
「落ち着いて……全てを見極めて」
その瞬間、倉庫の奥からかすかな足音。
逆行した足跡が、霧の中に重なる。
ライネルは静かに息を呑む。
「……やはり、誰かが意図的に操作している」
シルヴィアは微笑み、くすくすと笑う。
「読み合いのゲームね。私の得意分野だわ」
依頼者の過去の秘密と街の裏通りで拾った噂が交錯し、事件はさらに深まっていった。




