140/172
第0140話 霧と夢が交錯する異郷
夜、酒場を出たエッジは、街の外れにある古びた門に立っていた。
門の向こうには、霧と夢が交錯する異郷の景色が広がる。
それは現実でも夢でもない場所。
しかし、確かな足跡がそこには続いていた。
仲間たちが後ろに立ち、エッジに視線を向ける。
ライネルは静かに言った。
「お前はこの先に行くのか?」
エッジは微笑む。
「行くさ。嫌な感情を抱えたままでも、俺は進む。
これは俺の物語だから」
そして彼は一歩を踏み出した。
霧の門をくぐった瞬間、世界は色を変えた。
夢のように柔らかな光と、現実を超えた異郷の空気。
足の痛みは消え、代わりに心の奥に静かな安堵が広がる。
嫌な感情は、もはや呪いではなく祝福だった。
振り返ると、仲間たちは門の外で微笑んでいた。
ライネル、シルヴィア、マリーベル、アリア──彼らの存在が、
主人公の新たな旅路を照らす光となる。
そして、酒場「四葉亭」の夜は静かに終わりを告げた。