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第0138話 静けさ
朝日が酒場「四葉亭」の窓を淡く照らす。
昨夜の血の霧の戦いから、街には静けさが戻っていた。
エッジは椅子に腰掛け、足の痛みを確かめる。
だが今は、その痛みを嫌な感情ではなく、戦いの証として受け入れていた。
ライネルは重く椅子を引き、エッジの隣に座る。
「お前は弱さを認めた。だから、ここまで来られたんだ」
シルヴィアはカウンターに腰かけ、笑いながらグラスを掲げる。
「いやぁ、俺たち面白いな。嫌な感情をバネにする探偵なんて、滅多にいないぜ」
マリーベルは炎の揺らめきを背にして言った。
「恐怖や弱さは否定するものじゃない。受け入れて力にするものよ」
アリアは静かに主人公に微笑み、祈りの言葉を囁く。
「あなたは、嫌な感情を祝福する道を選んだのね」