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第0128話 「影の同盟」

意を決して、封を切る。

 紙に走る文字は、簡潔だが重かった。


 ――「影の同盟」が再び動き出した。

 そして、彼らが狙うのは“足に刻まれた弱点”を持つ者。


 エッジの心臓が大きく跳ねる。

 足。

 その言葉が、忘れもしない過去の事件と直結していた。


 痛む足首を思わず押さえる。そこにはかつて負った古傷が、今も疼いていた。

 ――やはり、自分が狙われている。

 そして、この依頼は自分自身を暴き出す試練でもある。


 だが同時に、心のどこかで「逃げたい」という感情が膨らむ。

 嫌な感情が波のように押し寄せ、思考を鈍らせる。

 あの夜の失敗、守れなかった命、血の色――すべてが蘇る。


「……俺は、本当に引き受けるべきなのか?」

 独り言がこぼれる。

 しかし、その声をかき消すように、酒場の扉が激しく開いた。


 そこに立っていたのは、ライバル探偵・ドルグだった。

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