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第0108話 暗号はまだ完全に解読されていない
舞台袖から、怪物の影がゆらりと現れる。
首が絡み、顔が増殖し、低く呻く声を上げる。
シルヴィアは身を低くし、動きを見極める。
「……こんなに不気味なのに、足音が聞こえない」
マリーベルは炎を振るい、影を押し返す。
「怒りや恐怖が増すと、どんどん巨大化する……」
アリアは祈るように手を合わせ、言葉を低く紡ぐ。
「どうか、犠牲者を増やさないで……」
ライネルは剣を構え、冷静に影を斬る。
「暗号を解き、感情を制御すれば、怪物の力は弱まる」
四人は互いの呼吸を合わせ、静かに、しかし緊張感を全身で抱えながら、怪物との初の遭遇を乗り切った。
暗号はまだ完全に解読されていない。
だが、怪物の予兆は確実に現実世界に現れ、四人の運命を試すのだった。