ファンタジー系の作品の世界観で、筆者が理解出来ないもの十選。
何事につけても、引っかかりを覚える面倒くさい気質の筆者。
今回は、そんな筆者が「ファンタジー系の作品」で引っかかっている部分を、ダラダラと羅列していきたいと思う(ただのヒマつぶしです)。
1.「勇者」という概念
勇者とは本来、勇敢な者に与えられる二つ名。
のはずだが、ファンタジー世界では、なぜか「職業」のように語られる。世界を救った者は「英雄」ともなるわけだが、なぜかいつも「結果に先立って」、それらの呼び名が与えられる(賢者や聖女などの呼称も同様)。
2.露出度の高い女冒険者たちの装備
一番多い言い訳としては「動きやすさ」が挙げられる。
しかし、森や草むらを行く冒険者たちが、露出度の高い衣服は致命傷とも言える。モンスターや魔獣と戦う前に、蚊や害虫に刺され、たちまち何らかの感染症を引き起こしそうだ。ファンタジーは「すべて虚構なのだから、細かいことは気にするな」と言われても、多少のリアリティーは欲しいところ(それなら、男もパンツ一丁とかで冒険すればいい。虚構だというなら)。―― てか、そもそも「冒険者」ってなんやねん。適当なオリジナル呼称くらい、作者も考えろや。
3.主人公以外、全員女のパーティー編成
女が冒険者として有能な世界という設定であるのなら、それはそれで構わない。女の方が情念が強いから、魔法の威力も高いとか、そんな感じの設定でもあれば。だが、それなら主人公も女でいいし、男は去勢されたように、もっと縮こまった社会的ポジションになっていなければ、おかしいから、やはり理解に苦しむ。
4.女の感性が小学生レベルで止まっている
「足が早い男子かっこいい」レベルのことで主人公にホレる登場人物たち。ファンタジーだからといって、ゲームのように些細なイベントをこなしさえすれば、好感を持たれるという世界観は、筆者的にはかなりしんどい(こども同士なら微笑ましいが)。これ系を書く作者は、さらにロリ要素も加えることが多く、未成熟な作者の性癖を見せつけられているようで、いろいろと萎える。
5.エルフなどの長命種の知能の低さと情動の幼さ
エルフは、基本的に知性が高いとされている種族。
のはずだが、実際に登場するエルフたちは、大半がペラペラ。作者が、実際に二百年も、三百年も生きることは出来ないので、その感性をトレースすることは難しい。のは仕方ないにして、それでも、もう少し「想像力」くらいは働かせて欲しい。「人間の尺度では測れない歳月を生きること」に対する恐怖を。何の精神的損耗も、欠損もしていない長命種の登場は、それだけで現実味がない。
6.なぜ亜人種なども、人間の言葉を発せられるのか?
犬や猫、モンスターのような姿形で、なぜ人語が発声できるのか?「声帯の違い」という概念そのものが存在しない世界なのかい? これだけでリアリティーの消失が発生する。そのくせ、作中の登場人物たちを「彼らはゲームの登場人物などではなく、実際に生きているのだ!」とか言い出す作者もいるので、冗談ブーメランだ。全部「念話」で済ませている世界観とかの方が、まだしっくりとくる。
7.説明専門のモブがたくさんいる
物語の世界観を説明するためだけに存在する「ナレーションキャラ」たち。AIが搭載されていない旧型NPCかよ。ヘタをすると主要登場人物たちにも、これらが多数出てくる作品もあり、オールモブのコンピュータープレイをも想起させる(せめてメタ的言及で、お茶濁しくらいはしておくべきだ)。
8.なぜか呪文はすべて英語
なのに北欧伝承系の種族に、ゲルマン系の姓名がズラリ。何なら、和製英語や現代概念なども登場し、本来、その文明の深さを測る尺度ともなりえるはずの「言語」の逆バベル化が発生している作品が多数。
9.ダンジョンという無限の宝箱
「経験値」を稼げるモンスターの無限出現。死体は処理しなくても、ダンジョン自体がきれいに掃除してくれる。「宝箱」という人的関与を伺わせる魅惑の異物に、これまた人間が制作したとしか思えない、お宝武具や伝説のポーション、スクロールなどが入っていたり。ラスボスという謎の概念に「初回クリアボーナス」。全部が全部、テンプレのゲーム世界過ぎるし、「時代が数十年くらい止まったまま」の設定で、草も生えない。―― あと、物語の序盤から、スタンピード発生しすぎ。年中行事なみの安っぽさだ。
10.ステータスや経験値という謎の概念
ゲーム世界への転生だけど「これは現実だぞ」系の作品。のはずなのに、ステータスや経験値という概念が登場。すべてが数値化されており、完全にゲーム世界そのままであることを示唆する(しかも、それを主人公だけが確認できる)。―― だとすれば、「二次元が恋人」と言っているのと同じくらいの社会不適合性と虚しさが、いやがうえにも、作中に立ちこめる。―― というか、小石を投げて当てただけのやつにも、均等に「経験値が分配」されるとか、それのどこが「現実の経験」なんだい?
11.さらに ――
……いや、このへんでやめておこう。
とりあえず十選くらいのつもりで書き始めたが、全部上げたら百選くらい行きそうなので、今日は、ここまで。
なんか一番重要な論理破綻を何か忘れている気がするが、書いてる途中で、ストレスで脳が死んできたので、強制終了とする。
結論。
筆者にファンタジーは、あまり合わない。
ロボものと同じで。
感情移入のカギとなる「リアリティー」と鍵穴のほとんどが、壊れて見えてしまうからか。




