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7. 『海辺のマルゴ』

『海辺のマルゴ』

著・紡ちひろ


【紹介文】


美しい入江の上に建つ喫茶店の主人は、太っちょ猫のマルゴ。


豪快な性格でおいしいものが大好きなマルゴは、食への果てなき探究心を胸に、自らの船に乗って出航する。


行く先は、さまざまな国を結ぶ巨大な内海──ネラドス海。


心配性で繊細な舌を持つ相棒・トミーとともに、マルゴは世界各地の美味や珍味を味わい尽くしていく。


大人も子供も楽しめる、旅とグルメの童話です。

(文学フリマ東京40 webカタログより)


 5/11(日)の文学フリマ東京40で買った、紡ちひろさんの『海辺のマルゴ』を読んだ。冒頭は

「レモンの花がほのかに香る初夏の朝、ターコイズブルーに輝く海の上をかもめたちが気持ちよさそうに飛び交っている」(p.6より引用)

 から始まっている。この文章から爽やかな初夏の景色が広がっている様子が想像できた。

 私個人は小説を書くときに「私は」「僕は」「○○(名前)は」から書き出すことが多かったけれど、なるほど登場人物名を出さずとも景色の様子から読者の想像を掻き立てる表現もあるのかと考える。


 常にスーツを着ていたトミーにマルゴが昔着ていた服を譲るシーンがあった。マルゴに「好きな服を着てみな」と言われ、トミーが胸に碇のマークの刺繍が入った水色の半袖シャツを選ぶ。スーツかパジャマしか持っていなかったトミーにとって、スーツでもパジャマでもない違う服との出会いは新鮮だったかと思う。トミーは会社をクビになりマルゴのお店に来店したことがきっかけでマルゴと出会ったけれど、この出会いがなければトミーの人生(猫生?)は違うものになっていたのだろうと考えた。


 親しみやすい作風で、子どもも大人も楽しめる作品だった。文学フリマ東京40当日は1時間47分で完売したそうだけれど、短時間で完売してしまうほど人気になった理由がよくわかる。文学フリマ東京41でも販売するとのことで、読書が苦手な方にもぜひおすすめしたいと思う。

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