6. 『Escape Life in Tokyo』
『Escape Life in Tokyo』
著・しらいあやの
【紹介文】
小学生でいじめにあった。
進学のための受験は頭のコンプレックスに嫌気がさした。
美術大学でつくることが怖くなった。
売れない店長の自分が情けなかった。
先日、10年ぶりの同窓会で25歳の自分から手紙を受け取りました。
ちょっとどうした、暗いよ、大丈夫か?という内容でした。
このエッセイは26歳くらいまでの私の逃避人生のちょっとした備忘録です。 周りの目を気にしすぎて空回ったり右往左往しています。自分じゃないところで振り回されに行っているようなものでした。
でも今はちゃんと、我が道を行っています。
四半世紀と少しをかけて、人並みに大人になりました。
迷ってもまあ、なんとかなります。
なんとかなるよって伝えられたらいいなと、 このアワアワエッセイを前に、そう思います。
(文学フリマ東京40 webカタログより)
5/11(日)の文学フリマ東京40で買った、しらいあやのさんの『Escape Life in Tokyo』を読んだ。表紙のデザインが気になって買ったが、Xでのやりとりでしらいさん曰く
「表紙はボール紙にしたので、太めの線画でヨイショーッ!て描きました」
とのことだった。
「じゃあ表紙は手書きで……? クオリティすごすぎます」
と返信してしまったほど、手書き表紙のクオリティの高さに惹かれたのだ。
この本はしらいさんの小学生〜26歳までの人生について書かれたエッセイになる。いじめっ子Sの話については「あーこういう子いたわ!」と思いながら読んだ。人の作品の読書記録で自分語りしすぎてもアレなので詳しい話はまた別枠でしようと思っているが、頷いて共感してしまったのだ。そしてそこからしらいさんは中学受験を決意されたが、私にはそれがいじめっ子Sからの逃げではなくて自身を守る手段のように思えた。
またしらいさんは大学卒業後に販売職に就職され、26歳でその職場を退職し京都に行こうと決意されたそう。私がいま京都に住んでいることもあり、しらいさんが関西に住むことになった原点を知られて、また文学フリマ東京40でお会いした際に
「関西在住ということで親近感が湧いた」
とご本人様にお伝えできて良かったと思った。