4. 『永遠を知らない光たち』
『永遠を知らない光たち』
著・谷浦マサヒロ
【紹介文】
「限りあるものの中できらめいたその光こそが私の永遠でした」
日常、家族、恋、旅などを綴った15編のエッセイと6編の掌編小説からなる自身初の書籍
私たちには限りがあります。命がそうだからです。よって全てに永遠がないと感じてしまいます。出逢っては別れ、喜んでは憂う。そういった日々を生きています。
そんな日々の中で、キラキラときらめく光があります。その光を私はいつまでも忘れたくないです。その忘れたくなさを私は永遠と呼びたいです。
この本はそんな忘れたくない光たちを書きました。中にはもう会えなくなった人たちから貰った光もあります。苦しかった光もあります。それから小説は創作した光です。
何かに飲み込まれそうになったとき、孤独でどうにもならないとき、今にも消えてしまいたいと思ってしまうときに、私はこの光を連れ出して、心の中を少しでも白くしたいと思います。
そしてこの本の中の言葉が誰かの胸の中で光ってくれたら嬉しいです。
(文学フリマ東京40 webカタログより)
5/11(日)の文学フリマ東京40で買った、谷浦マサヒロさんの『永遠を知らない光たち』を読んだ。谷浦さんのnoteで見たことある話が多かったのでサクサクと読めたが、その中で特に印象に残った話を3つ紹介する。
◎「家族へ」
谷浦さんのご家族との話が綴られている。ご両親と絶縁寸前になった時のこと、お父様に引き止められたこと、その結果いまのご家族があることが書かれている。絶縁寸前になった時の葛藤も書かれていて、一読者なのに涙が出そうになった。
◎「スピーチ」
「家族へ」の次の話で、結婚するご友人に向けた手紙になる。新郎のKさんと新婦のNさんとの出会い・エピソードが書かれていて、実際にお2人の結婚式にいるような臨場感があった。
※本にはお名前が書かれていましたが、ここではイニシャル表記にさせていただきました
◎「猫カフェのペルシャ猫と佐柳島の野良猫」
谷浦さんが香川県の佐柳島に旅行した際のお話になる。佐柳島にいた猫と話した様子が書かれていて癒された。昔は猫が苦手だったのに、このお話の影響で佐柳島の猫たちに会いたくなった。
「猫みたいだね、めんどくさいね」
と言った優しい女性と「らしさ」に出てくる彼女は、新興宗教を信仰していた女性と同じ方かな?と思いながら読んでいた。