序章2
二話まで読んで下さり、ありがとうございます。
その瞬間、祐樹は察した!
後ろからの衝撃が偶然の事故などではなく、意図的に彼の手によって引き起こされたということを。
しかしいくらメタモルファイターの力をもってしても物理法則を覆すことはできず、前に倒れ込んでしまう。
「はい、おしまい」
そう言って彼は倒れ込んだ祐樹の肩の上に手をポンと乗っける。
すぐに体勢を直して距離を取ろうとするがどうにもならない。
しっかり触れられてしまった為、動こうと思っても動けない。
何度感じても永久に慣れる気のしない違和感が体中を駆け巡る。
肩がすこしずつなで肩になり、髪の毛がさらさらと長く伸び重くなってしまう。
「おまっ…」と言って立ち上がり反撃をしようと立ち上がったが、サングラス男は群衆の中に消えようとしている。
「待てっ…!!」
といって追いかけようとしたが、全身を覆う違和感と続く身体の変化のせいでうまく立ち上がれない。
身長は元々が少し高身長なところがあったため対照的にみるみるうちに小さくなってしまい、腰はくびれ、尻は出る。
それでも立ち上がり奴を追いかけようとしたが、立ち上がろうとしながらも脚は自然と内股になってしまうためうまく立ちづらい。手をついて立とうとすれば現在進行形で細く白くなってしまっている腕と指が目に入る。胸も細くなった身体とは対象にでかく自己主張激しく存在し、その今までの体験でも有数の大きさのそれをブラジャーが包み込んでいくのを感じ、これも何度も体感してるはずなのだが少し喘いでしまう。さらに服も変化し長めのスカートと押し上げる胸の形がはっきりわかるブラウスといういで立ちだ。スカートの解放感も落ち着かないがそれより物理的にも視界的にも感覚的にも胸が気になってしょうがない。ようやく身体の変化が収まりなんとか立ち上がったころには男は消えており、細くなった自分の女体しか残っていなかった。
このような状況に陥ったのは彼が最初ではない。
しかし、祐樹やその周りの人は斎賀ほどルールに精通した人がいない。
祐樹は知らないのだ。この状況から元に戻る方法を。
いっぽうそんな兄の状況など露知らずの弟、千春は、こちらもこちらでカフェ探しをしながら秋葉を満喫していた。
グッズを買い、ゲーセンでゲームをしたりしていた時。
兄がやられたサングラス男に声をかけられ勝負を挑まれ、兄と全く同じように返し、兄と全く同じような流れで女子にされていった。
こちらは兄よりさらに低い身長だが、胸や尻の主張も普段より大きかった彼より少し激しく、カップ数は分からないが中々に巨乳だ。
ふくらはぎほどまであるスカートと押し上げる乳房がよくわかるブラウスといった服装も兄と変わりなかった。
しかしサングラス男は逃げださなかった。
「おい!卑怯だぞ!二人目を用意して不意打ちをするなんて!」
千春は怒りを込めて叫んだがその声も綺麗な癒しを提供する大人しい女声に変わっていたため迫力もなかった。
「う~ん、中々可愛い格好になったね~。好みだ。」
「うっさい!黙れ!」近づいてくるサングラス男に対してスカートと女体という状態ながらもがに股で臨戦態勢の構えを取る千春。
「…あれ、まだやるつもり?」
「…当たり前だ!誰が変身決着なんて言った!!」
「キツイタイプの女の子も嫌いじゃながね、もうすこしおしとやかになってくれないと。キスはお預けだがもう少し付き合ってあげるか。」
しかし、千春のやる気に対して胸や尻が大きくなった身体は上手く動かない。
精一杯の力を込めて相手に拳を叩きこもうとしたが、簡単に避けられた。
「遅いよ、お嬢さん」
そもそも最初から片方が能力を喰らっていたのだ。勝負にならなかった。
サングラス男はそういってもう一度千春に触れた。
「お嬢さんなんて言わないで!…あれ?」
千春としてはもっと語気を強く言った言葉なのだが口から出てきたのは丁寧な言い方。
「も、もしかしてあなた、私の口調まで…!」
「ふん、まだまだ初心だな。もうこれで満足しただろ?俺の勝ちだ。デートに付き合ってもらうぞ」
「あのような卑怯な手を使って………ッ!」口から出てくる女声の女言葉がいちいち気になってしまう。
「別にダメなんてルールないだろ」
反論できず黙ってしまう。
「あの…一つ言いたいことが…」
「なんだ?行きたい場所でもあんのか?」
「いえ、その…別行動中なのですが…兄と来てまして…」
いちいち身体が意に反して可愛く動く仕草を取ってしまう。
「ん…、その兄はファイターなのか?」
「ええ…。」
「なら、今すぐメールでここに呼べ。」
「えっ…この格好で?」
「別にファイター同士なんだろ?」
「はい…」
精神操作も相まって逆らえずに兄にメールしてしまう千春だった…。
え?弱い?
違う違う、相手が強すぎる(卑怯)なだけだよ(震え声)
え?サングラス戦のくだりが原作とほぼ同じ?
グラサンはあれ以上の事はできないからね、しょうがないね。