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ナナリーとリュシアールそして生徒会の3人は学園の生徒の間では噂になっていた。

ナナリーが王太子を誑かしている、生徒会の3人にも媚びを売っている。

婚約者がいるというのに王太子も他の3人もご執心である。





数日後、ローゼリカとマリオン、そしてナナリーとリュシアールは特別室にいた。

あれからローゼリカは、話があると言い、ナナリーとリュシアールをランチに誘っていた、

そして今日、久しぶりに4人でランチを取ることになった。



「ナナリー、リュシアール様、本日はお時間いただきありがとうございます。こうしてご一緒するのは久しぶりですわね。」

ローゼリカはそう言って、2人に微笑んだ。


「あぁ、仕事が忙しくて中々時間が取れなくてね。申し訳なく思ってたんだ。」

「わ、私もちょっと用事が重なってしまって…。ローゼリカ様のお誘い嬉しかったんだけど、行けなくてごめんなさい。」

リュシアールもナナリーも申し訳なさそうに答える。


「いえ、用事があるなら仕方がないわ。ただね、最近はほぼ毎日ナナリーと生徒会の方々とランチしていると聞いているわ。放課後に出かけたりもしてると。わたくしも先日、バラ園で皆さんがランチしてるのをお見掛けしたわ。別にそうすること自体は悪いこととは思わないわ、ただね、ナナリー。生徒会の皆様との距離が近すぎると思うの。生徒会の皆様には婚約者の方がいらっしゃるわ。肩を寄せ合ったり、二人きりで出かけたり、愛称で呼びあったりするのは、そういった方との適切な距離の取り方ではないわ。」

ローゼリカは諭すようにナナリーに言った。


そして続けてリュシアールに向かって言った。

「リュシアール様も、今、リュシアール様の婚約者はわたくしなのです。周りに誤解されるような行動はお控えください。それに「ローゼリカ、ナナリーは生徒会の仕事を手伝ってくれているだけだ。ナナリーが手伝ってくれて私も他の者も助かっている。だからそのお礼にランチをしたり出かけたりしただけだ。距離が近いのは…ナナリーは貴族になってまだ1年だ、つい近くなってしまうこともある。気を付けるが、少しは大目に見てやってくれ。」

ローゼリカの言葉を遮り、リュシアールが答えた。

リュシアールが言葉を遮りこんな風に強く言い返してくるのは初めてだ。

ローゼリカは戸惑った。

「ローゼリカ様のお気に障ってしまったのならごめんなさい。私、そんなつもりじゃなくて…。」

ナナリーはそう言うと俯いた。

「ナナリー、気にするな。これから気を付ければいいんだ、私も気にかけてやれなくてすまなかった。ローゼリカ、生徒会の仕事が残ってるんだ、私とナナリーはこれで失礼するよ。」

リュシーアルはナナリーを促し、特別室から出ようとした。

「兄上、ローゼリカは二人を責めたいわけじゃない。二人とも学園の生徒たちの間では噂になってるんだ。このままじゃ二人とも印象が悪くなってしまうから、ローゼリカはそれをどうにかしたくて」

「マリオン、そう言われても、別に私たちはやましいことなどしていない。噂など放っておけ。ナナリーに嫉妬した者たちが流したんだろう。ローゼリカもそんな噂に惑わされるな。」

そう言うと、リュシアールとナナリーは部屋を出て行ってしまった。



「ローゼリカ、大丈夫か?」

「大丈夫よ、マリオン。やはり、リュシアール様もナナリーも以前と変わられてしまっているわ。あんな言い方をされる方じゃなかったのに…。二人が想いあっているのなら、わたくしは応援すると伝えたかったのだけれど言えなかったわね。でも、これから気を付けるとは言っていたから、少し様子を見ましょう。」

「あんなに泣いてたのに、今日は落ち着いてるな。」

「確かに、あの時は初めてのことに動揺したけれど、これでも公爵家令嬢で王妃教育を受けてきたのよ?やるべきところではわたくしだってちゃんとできるわ。」

「そっか、でもきつくなったらちゃんと言えよ?俺はローゼリカを守るためにいるんだから。」

「えぇ、ありがとう、マリオン。」



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「みんな、ごめんなさい。私のせいで…。みんなが悪く言われてるなんて…。」

「気にするなナナリー。気にするな。ナナリーはナナリーらしくしてればいいんだ。」

部屋を出た後、生徒会室に行ったナナリーは泣いていた。

リュシアールやフランツ・ヴィルム・キースはナナリーを慰めていた。


「それにしても、ローゼリカ嬢。ナナリーを責めるなんて。」

「きっとリュシアール様をナナリーに取られて嫉妬してるんだよ。」

フランツとキースが言った。


「ローゼリカ様を悪く言わないで!私が、私が悪いの…。」

ナナリーはそう言って、涙を流した。


「君は本当に素敵な女性だね。とにかく、ナナリー。君は気にせずこれからも私たちと一緒にいてくれ。君がいてくれて助かっているんだ。」

リュシアールがそう言うと、フランツ・ヴィルム・キースもそうだと頷いた。


「ありがとう、リュシー様、フランツ、ヴィル、キース。」

涙を流しながら、目元を赤らめナナリーは微笑んだ。

そんなナナリーに4人は見惚れていた。


―フフッ、我ながら名演技ね。あぁ、イケメンにチヤホヤされるのってなんて楽しいのかしら!



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―――生徒会の4人はナナリーにすっかり骨抜きのみたいだね!そろそろあの話をナナリーからしてもらうか。でもその前に、もう一押ししておこうかな♪あぁ、なんて楽しい、人形劇だろう!!!

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