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3

アモーナ王国には王立学園クドピリアがあり

貴族の子息令嬢は16歳になると入学することが義務付けられている。

王族にも例外はなく王太子リュシアールは第3学年で生徒会長だ。


第2王子のマリオンはローゼリカと同い年のため、今期入学である。

マリオンは正妃の子とはいえ第2王子。

王位はローゼリカと婚約したリュシアールが継ぐこととなっており、マリオンは騎士として兄を支えていくため、小さい頃より騎士となるための鍛錬を行ってきた。

卒業後は王立騎士団に所属する予定であったが、1年前からローゼリカの聖騎士となっている。


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≪次代の聖女は孤児院に住むナナリーという茶髪でピンクの瞳を持つ15歳の子。そして、聖騎士は第2王子マリオン。≫


1年前

聖女ソフィーナは新たな神託を受け取った。

そしてそれはマリオンにも伝えられ、アモーナ王国唯一の聖騎士となったのだ。

聖騎士は国を民を守る王立騎士団とは違う。常に愛し子の側にある、神から定められた愛し子のためだけの騎士。


「マリオン、いいの?あなたは王立騎士団に入りたかったのでしょう?それがわたくしのためだけの騎士だなんて…わたくし、アモルナに言うわ、この国は平和だもの。聖騎士がいなくても大丈夫よって。」

ローゼリカは申し訳なさそうに笑顔を曇らせている。


「ローゼリカ、俺は聖騎士になれて嬉しいんだ。君を守るということはこの国を守るということ。そんな聖騎士に任命されてこんなに光栄なことはないよ。だから、喜んでほしい。」

そう言って優しい笑みを浮かべたマリオンを見て、ローゼリカも笑顔になった。


―君を側で守れる、それだけで俺は…



一方、聖女に指名されたナナリー。

すぐさま騎士団により捜索され、王家により保護された。

ナナリーは母親が5歳のころに亡くなり、その後は孤児院で生活していた。

調べると母親はメイナー子爵の元侍女メアリであり、愛人であった。16年前、妊娠が判明したものの、愛人の立場であったメアリは、メイナー子爵の前から何も言わず姿を消した。メイナー子爵はメアリに心残りはあるものの、正妻の手前、探すようなことはなかった。そのため、ナナリーのことは知らなかった。

王家は聖女を守るため、メイナー子爵に養子の話をした。

メイナー子爵の正妻は5年前に亡くなっており、子供もいない。王家よりナナリーのことを聞き、メアリの面影のあるかわいらしいナナリーをメイナー子爵は引き取ることとなった。

その後1年間、ナナリーは貴族としてのマナーを学びながら聖女としての引継ぎをソフィーナから受けて過ごした。

そうして、16歳になったナナリーは王立学園に入学することとなったのだ。


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「おはよう、ローゼリカ。入学おめでとう。マリオンもローゼリカの護衛ご苦労様。」

リュシアールが輝かしい笑顔で話しかけてきた。


「ごきげんよう、リュシアール様。ありがとうございます。リュシアール様と一緒に過ごす学園生活楽しみにしておりましたのよ。よろしくお願いいたしますわ。」

「兄上、おはようございます。いえ、ローゼリカの護衛は俺の使命ですから。」

そんな会話をしていると、リュシアールの後ろにいる少女にローゼリカが気付いた。


「リュシアール様、そちらのお方は?」

「あぁ、すまない。紹介が遅れたね。こちら聖女となったメイナー子爵令嬢だ。ローゼリカにはマリオンがついてたからね。聖女を私が案内するよう王より命を受けたんだ。愛しい君をエスコート出来なくて残念だったけどね。」

リュシアールに紹介され、少女が前に出てくる。


「まぁ!はじめまして、聖女様。ローゼリカ・ミュンバルですわ。」

「はじめまして、ミュンバル公爵令嬢さま。ナナリー・メイナーと申します。この度、聖女に任命されました。愛し子さまにお会いすることができ、光栄でございます。」

「あら、そんなに固くならないで。わたくし、聖女様とは仲良くなりたかったのよ。ぜひローゼリカと呼んで仲良くしてほしいわ!」

「そんな…ではわたくしのこともナナリーと。」

「嬉しいわ、よろしくねナナリー!」

「はい、ローゼリカ様!」

ナナリーはまだ緊張しているものの、ローゼリカの優しい雰囲気に少し落ち着いたようだった。

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