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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第三章 アイツとギャルの居場所は一つ
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世界一素敵なギャルと一緒に

ご覧いただき、ありがとうございます!

ラスト一話、どうぞお楽しみくださいませ!

「しーちゃああああああん!」

「あ! コラ! 来んなし!」


 朝の通学路。

 古賀さんが俺達を見つけると、早速しゆのさんに飛び込んできた。


「ハハ、おはよう」

「ああ、おはよう」


 俺と後藤くんも、いつものように拳をコツン、と合わせた。


「ところで、古賀さんのインターハイ予選はいよいよ来週だよね? 朝練とかないの?」

「ん? ああ、もうやれることはやったっつー感じで、後は本番に向けての調整くらいだよ」

「そうかー。俺としゆのさんも、応援に行くから」

「ハハ! 葵も喜ぶよ!」


 俺がそう言うと、後藤くんが嬉しそうに笑った。


「あは! その時は、アタシが腕によりをかけてお弁当作るし!」

「ホント! やったー! しーちゃんのお弁当だー!」


 しゆのさんのお弁当宣言に、古賀さんが両手を上げてはしゃく。


 それにしても、この二人とも随分仲良くなったなー。

 今じゃ、しゆのさんは別として、この学校で一番の親友だし。


「ん? どうしたの?」


 しゆのさんが隣に来て、不思議そうに俺の顔を覗き込む。


「ああ、いや……これも、しゆのさんのお陰だなって」

「あは、何それ」


 そう言うと、しゆのさんがニシシ、と笑う。


「そんなことより、急がないと遅刻するぞ」

「「「あ!」」」


 俺達は苦笑しながら、足早に学校を目指した。


 ◇


「くう……! やっぱりしゆのさんのお弁当は最高だ!」

「あは……も、もう、褒め過ぎだし!」


 昼休みになり、中庭でしゆのさんの手作り弁当を食べて感動に打ち震えていると、照れたしゆのさんにポカポカと肩を叩かれた。


「いや、今日のお弁当も最高のラインナップだから! 好物のだし巻き玉子にピーマンの肉詰めフライにポテサラに……!」

「あうう……わ、分かったし! もう! ……大好き」


 俺は目一杯口を開けて、そのピーマンの肉詰めフライを一気に頬張ると。


「あ」


 校舎の陰に隠れながら、神森陽菜がこちらを悔しそうな表情で眺めていた。


 直接対峙したあの日以降も、彼女のストーカー行為は続いている。

 というか、かなりの頻度で俺を覗き見ている現場を目撃するので、実はずっと前からこうだったんだと考えると、それはそれで俺も鈍感だなあ、と思う。


 まあ、今までは自分のことに必死で周りを見る余裕なんてなかったし、しゆのさんと出逢ってからも、俺の目にはしゆのさんしか映っていなかった訳だから、仕方ないといえば仕方ないんだが。


「塔也、どうしたの? ……って、ああ、いつものアイツかあ……」


 俺の視線の先にいる神森陽菜を見て、しゆのさんが残念なものを見た表情になる。


「んふふー、だったら……塔也!」


 一瞬悪い顔を浮かべたかと思うと、しゆのさんが箸でだし巻き玉子をつまんだ。


「はい、あーん♪」


 うん、明らかに彼女に見せつけにいってるよね。

 まあでも。


「はむ……もぐもぐ……うん、美味い!」


 俺もそれに乗っかり、嬉しそうに食べるんだけど。


 で、彼女はといえば……うん、超悔しがってる。

 そして、それを見るしゆのさんの表情は、これ以上ないくらい勝ち誇った笑みを浮かべていた……って。


「しゆのさん、ちょっとごめん」

「ん? ……って、あ……」


 俺はしゆのさんの口元についていたごはん粒をつまむと、それを口に運んだ。


「あああああ! は、恥ずかしいし……!」

「はは、だけどすごく可愛いよ?」


 顔を真っ赤にして両手で覆い隠すしゆのさん。

 でも、やっぱりしゆのさんは最高に可愛いな……って、あ。


 見ると、神森陽菜は唇を噛み締めながら号泣していた。


 ◇


「お疲れ様でしたー!」

「おう! お疲れさん!」


 バイトも終わり、俺は支店長に挨拶をすると、しゆのさんが働く喫茶店を目指す。


 そして。


 ――カラン。


「いらっしゃ……あは! 塔也!」

「はは、迎えに来たよ。マスター、お疲れ様です」

「やあ、いらっしゃい」


 俺を見るなり嬉しそうに微笑むしゆのさんに声を掛けると、俺はマスターに挨拶していつもの席に座る。


 チラリ、と、しゆのさんの仕事の様子を見ると……瑞希さんと一体何の言い争いしてるんだ……?


「あは、塔也お待たせ!」


 何か言っている瑞希さんを無視するように、しゆのさんがレモンティーを持って来てくれた。


「ええと……一体何があったの?」


 俺はカウンターの向こうにいる瑞希さんを指差し名ながら尋ねる。


「あ、あは……瑞希が、『頼むから誰か彼氏紹介して!』って泣きついてきたし……」


 そう言うと、しゆのさんはガックリとうなだれる。


「あれ? でも、そんなの日常茶飯事じゃ……」

「それが、どうもクラスの友達が彼氏できて自慢されたらしくて、悔しくて見返したいっていつもよりしつこかったんだし……」

「ああ……」


 瑞希さん、本当に残念だなあ……。


「それより、塔也のところにも連絡来た?」


 俺の向かいに座り、しゆのさんが尋ねる。


「ああ、俺のところには、お父さんが電話してくれたよ」


 今日のバイト中、お父さんから俺のスマホに電話があった。

 内容は、例の親権制限の申立ての件についてだ。


 弁護士の紅林さんが家庭裁判所に申立書を提出し、無事に受理されたそうだ。

 もちろん、正式に親権が制限されるまでの間も、親権保留の申立てをしてあるから、これ以上向こうからの接触もないけど。


 というか、物理的な距離が圧倒的に離れたので、その心配は元々ないかな。


 実は、お父さんの会社との取引がなくなってしまった関係で、あの父親は左遷されて北海道にある子会社に出向になった。

 それと合わせて、和也もうちの学校を退学し、北海道の高校に通うとのことだ。


 血の繋がった人達にこんなことを言うのはあれだが、多分……俺はもう、生涯会ったりすることはないと思う。


「塔也……」


 俺の気持ちを察してか、しゆのさんが心配そうに見つめる。


「ああ、うん……大丈夫、だよ」


 だから、俺はそんなしゆのさんにニコリ、と微笑んだ。


 そして。


「俺は、世界一幸せだよ。だって、俺にはしゆのさんがいるんだから」

「あは、それを言うならアタシだって」


 そう言うと、しゆのさんも俺に微笑み返してくれた。


「まあだけど、俺はあの時の自分を褒めてやりたいよ。よくぞあの呟きを見つけて、神谷駅まで足を運んだと」

「あは! アタシもSNSに呟いて良かったし! アレがなかったら、絶対に塔也のこと知らないままだったし!」


 そう……俺達の今は、あの日の“神待ちギャル”の心の叫びから始まったんだ。


 そして俺達の未来も、これからもずっと(つむ)いでいく。


「んふふー、塔也♪」

「何だい、しゆのさん」


 この……世界一素敵な、“萩月しゆの”さんと一緒に。

 

「あは! 大好き!」

お読みいただき、ありがとうございました!


おかげさまで、この作品も無事最終回を迎えることができました、

これも、応援、お読みくださった皆様のおかげです!

本当に、ありがとうございました!


この物語はここで終了となりますが、実は高校卒業までプロットがありますw


古賀さんと後藤くんのインターハイの話や、修学旅行で塔也の中学の同級生との邂逅、大学受験での進路選択、もちろん、夏休みや文化祭、クリスマスなどのイベントまで盛りだくさんです!


なので、たくさんの方からご要望いただいたら、続きを書くかもしれません!

というか、続き書く可能性のほうが高いですw


なので、ブクマはそのままでお願いします!


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

また別の作品……というか、ハイファン作品の「機械仕掛けの殲滅少女」を連載しております!

下のタグから飛べますので、そちらもぜひぜひお願いします!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
楽しく読ませていただきました。 ありがとうございました! …ゾクヘンマダカナァ(笑)
[一言] 面白かったです。もうずいぶん経つので続きはもうないですよね、流石に。
[良い点] スッキリした終わり方で、とても良かったです。 [気になる点] 将来の二人の行末。 ご想像にお任せ・・・・自分のなかでは、シンデレラのようにハッピーエンドで終わりました^^ [一言] 完結し…
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