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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第三章 アイツとギャルの居場所は一つ
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決戦直前

ご覧いただき、ありがとうございます!

「ん……」


 朝になり、目が覚めた俺は右へと寝返りを打つ。


 そこには。


「すう……すう……」


 うん、しゆのさんがバッチリ寝ているな。


 実はあの後、しゆのさんは俺の布団でそのまま寝ていくことになったのだ。

 いや、もちろん俺達はその……変なことはしていないぞ?


 ただ、しゆのさんも俺も、いつもと環境が違うから寝づらかったから、一緒に寝たら安心するってことで、その、一緒の布団で寝ただけで……って、俺は一体誰に言い訳してるんだ!?


「ん……んう……」


 しゆのさんがもぞもぞしながら、俺の胸にすり寄って来た。

 はあ……しゆのさんの寝顔は、いつ見ても可愛いなあ……。


 まあ、実はこれまでからコッソリとしゆのさんの寝顔を堪能していたことは内緒だ。

 だって、そんなことがバレたら、絶対に怒るだろうから。


「はふう……すりすり……」


 ……アレ? ひょっとして……。


「……しゆのさん、起きてる?」


 俺はあえてしゆのさんの耳元でささやいてみる。


 ——チョン。


「ひゃう!?」


 あ、顔を近づけ過ぎて、耳たぶに唇が当たってしまった。

 でも……。


「……おはよう、しゆのさん」

「あうう……耳たぶに触れるの、反則だし……」


 少し頬を膨らませたしゆのさんが抗議する。


「う……わ、わざとじゃないから」

「そ、それは分かってるけど……ア、アタシその……耳、弱いし……」


 しゆのさんは顔を真っ赤にしながら、また俺の胸に顔をうずめる。

 というか、その……お、俺も健全な男子な訳で、朝から同じ布団の中に入って、そ、それは……。


 と、とにかく鎮まれ俺え!


「あ……んふふー、塔也も“男の子”だし……」


 俺が必死で平常心を取り戻そうと心がけていたところを、いつの間にかしゆのさんが俺の顔を(のぞ)き込んでいて、悪戯っぽく微笑んだ。


「……塔也だから、いい……し……」


 そう言うと、しゆのさんは乱れたパジャマもそのままに、真っ赤に染まった顔を近づけ……。


 ——コンコン。


「「(あああああ!?)」」

「塔也くん、朝ご飯の準備できてるから、支度ができたらリビングに降りてらっしゃい」

「はは、はい! ありがとうございます!」


 突然部屋をノックされ、俺は裏返った声でお母さんに返事した。


「じゃ、よろしくね」


 そう言うと、お母さんの足音が離れ……「あ、それと」……なかった!?


「しゆのも、ね?」


 うああああああああ!? バレてた!


「あうう……お母さんのバカア……」


 涙目のしゆのさんが、枕をバシバシと叩いた。


「……支度、しよっか」

「……うん」


 ◇


「それじゃ、行ってくるよ」

「「行ってきます!」」

「ええ……いい結果を期待してるわね」


 玄関先で見送ってくれるお母さんに挨拶をすると、お父さんが車を走らせた。


 俺達は今日、俺の親兄弟と直接会って話をする。

 しゆのさんへのストーカー行為についての示談のために。


 それと、俺の養子縁組の話については、今朝、お父さんに正式にお断りした。

 もちろん、昨日の夜にしゆのさんに説明したように、理由を添えて。


 すると。


『そうか……じゃあ、僕達はその時を楽しみに待っているよ』

『ふふ、まあ早いか遅いかの違いだけなんだけどね』


 二人はそう言って、優しく微笑んでくれた。


 とはいえ、お父さんからは一つだけお願いごとをされた。

 それについては俺にとっても全然悪い話ではなく、むしろ非常にありがたかった。


 ただ、ご両親のご負担になってしまうことだけが、申し訳なかったが……って、こんなことを考えていたら、それこそお二人に失礼だな。


 こんなに、俺のことを大切に想ってくれているのに……。


「あは……塔也、今日は頑張ろうね!」


 しゆのさんが微笑みながら俺の手に自分の手を重ねた。


「ああ……絶対に、俺が君を護るから」

「ん……」

「オイオイ、その前に子どもを護るのが親である僕の役目なんだけど?」


 そう言うと、バックミラー越しにお父さんが苦笑する姿が映っていた。


「はは、すいません」

「もちろん! お父さんも頼りにしてるし!」

「ははは、任せてくれ!」


 俺達三人はそうやって気持ちを高ぶらせていると、いよいよ今日の会場となる法律事務所に到着した。


「このビルの五階だね」


 駐車場に車を止めた後、俺達はお父さんの後に続いてエレベーターに乗り込む。


「塔也……」

「うん……」


 少し不安な表情を見せるしゆのさんの手を、俺はギュ、と握った。

 すると安心したのか、しゆのさんが微笑みを浮かべた。


 目的のフロアに到着し、法律事務所のドアを開ける。


「佐久間さん、お待ちしていました」

「今日はどうぞよろしくお願いします」


 お父さんはスーツを着た法律事務所の人……多分、弁護士さんかな? と握手を交わした。

 すると今度は、弁護士さんが俺達のほうへと向き直った。


「やあ、私は弁護士の“紅林(くればやし)”です。今日はどうぞよろしくお願いします」

「あ、はい、よろしくお願いします!」


 ニコリ、と微笑む弁護士さんに、しゆのさんが深々と頭を下げた。


「それと……君が“池田塔也”くん、でいいかな?」

「あ、はい」

「今日は君にもちょっと話をしたりお願いしたいことがあるので、よろしくお願いします」

「お、俺……ですか?」


 俺に一体何の用なんだろう……。


「ははは、ホラ、アレ(・・)の件だよ」

「ああ……アレ(・・)ですね」


 そうか……アレ(・・)も今日しちゃうのか……。


「あは、塔也も大変だし」

「しゆのさんも、ね」


 そう言って、俺達は微笑み合っていると。


「失礼します」

「……失礼する」

「…………………………」


 向こうの弁護士に続き、父さんと和也がやって来た。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回から一日一話更新となります。

次回は明日の夜更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] はい、しゆのママンぐっじょぶ!!(血涙) 決戦日にナニするつもりやぁー!!www アレしちゃうって何だろう……アレかな?それともアレレかな??←
[一言] これまでずっと、一日二話更新、本当にお疲れさまでした。 そろそろ大詰めかな。さて、最後どんな風に問題を解決していきますか。あと、「アレ」なるものがどうなるのか/w 完全なるハッピーエンドを…
[一言] アレもアレしちゃうのか。
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