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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第三章 アイツとギャルの居場所は一つ
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ギャルをエスコート

ご覧いただき、ありがとうございます!

「ああ……今日の放課後、俺は弟と会って直接話をしようと思うんだが、後藤くんにも一緒にいて欲しいんだ」


 そう告げると、後藤くんは一瞬だけ驚いた表情を浮かべ、すぐに元に戻った。

 でも、その視線はまるで俺の真意を探るようであった。


「……池田クン、どうして俺に?」

「……本当は、しゆのさんも俺と一緒に弟に合うつもりだったんだが、弟の行動を考えるとさすがに危険すぎる。かといって、俺一人だとその場で約束を交わしてもアッサリ反故にしそうだから、できれば証人になって欲しくて……」


 そう告げると、後藤くんは顎に手を当て、考える仕草を見せた。

 まあ……後藤くんの協力が得られなかった場合は、最悪スマホで録音し「いいぜ」……って。


「い、いいの……?」


 俺はあっさりと快諾した後藤くんに、思わず聞き返す。


「ああ。つか、こういうのは相手より人数多いほうが有利だし、それに、自分のためじゃなくて萩月チャンのために池田クンは身体を張るんだ。だったら、友達(ダチ)の俺が行かねーと、な」


 そう言って、後藤くんは口の端を持ち上げた。


「後藤くん……ありがとう」

「なあに。それで、もちろんこのことは萩月チャンにも葵にも内緒なんだろ?」

「ああ。二人に余計な負担はかけたくない」

「オッケー。んじゃ、放課後な」

「よろしく頼む」


 俺達はコツン、と拳を合わせ、教室へと戻ると。


「ちょ、ちょっと塔也! コ、コッチ!」


 今度はしゆのさんに腕を引っ張られ、教室の外へと連れ出された。


「ごご、後藤に一体何を言ったし!?」

「え、ええ!?」


 あ……さ、さっきの話、もしかして聞かれていたのか……?


「あ、い、いや……その……」

「あうう……確かにアタシが紛らわしいことしたのは事実だけど、さ、さすがにその……そんなこと、まだしてない……し……」


 そう言うと、しゆのさんは真っ赤になった顔を両手で覆った。

 な、何だか会話がかみ合ってないような気が……。


「そ、その、しゆのさんは一体何の話を?」

「き、決まってるし! さ、さっき後藤にアア、アタシと塔也がそそそその……シ、シた……って……」

「シた? 何を?」


 どんどん要領を得なくなった俺は、しゆのさんに詳細を尋ねる。


「アアア、アレ! アレのこと、だし……」

「アレ?」


 ま、ますます分からないぞ?


 すると。


「……(ゴニョゴニョ)」

「はあああああああああ!?」


 しゆのさんに耳打ちされた言葉に、俺は思わず叫んだ。

 いや、一体いつ俺がそんなこと言ったんだよ!?


「そ、そんなこと俺言ってないぞ!」

「だだ、だよね! ホホ、ホント後藤は何言ってんだし!」


 本当だよ! 一体何をどうしたらそんな話に……………………あ。


「ひょ、ひょっとしてあの会話か!?」

「え? え? な、何かあるの!?」

「い、いや……さっき後藤くんにしゆのさんはどうだったかと聞かれて、それで……」

「そ、それで?」

「最高だった、って、答えた……」

「あああああ! それ! それだし!」


 ああー……完全に後藤くんが勘違いしちゃったんだなー……。

 俺は、単にしゆのさんをどう想ってるかってことを聞かれたと思ったんだが……。


「とと、とにかく! 二人の誤解を早く解くし!」

「あ、ああ、そうだな!」


 俺達は慌てて教室に戻ると、必死に二人に説明した……んだけど、結局二人は首筋のマーキングもあって、最後まで信じてくれなかった……。


 ◇


「あは! 塔也、行こ!」


 放課後になり、いつものようにしゆのさんが誘ってくる。

 俺は後藤くんに目配せすると。


「うん、じゃあ行こうか」

「うん!」


 俺はカバンを持ち、しゆのさんと一緒に教室を出た。


 で、下駄箱で靴に履き替えて校舎を出るが……。


「あは、今日はアイツいないし」

「そうだね」


 そう、いつもならまるで待ち伏せしているかのように現れる和也が、今日は姿を見せなかった。

 まあ、後藤くんに和也をマークしてもらっているし、行動は全部把握できるんだけど。


「はは、早速昨日、警察が連絡してくれたのかも」

「きっとそうだし! はあー……良かったあ……」


 俺はあえてそう言うと、しゆのさんは胸に手を当ててホッと息を吐いた。


 だけど……うん、もう一つの“アレ”についてはあえてしゆのさんに伝える必要はない、かな……。

 まあ、それも今のところは(・・・・・・)だけど。


「あは! じゃあ塔也、今日も頑張って!」


 しゆのさんが最高の笑顔で俺の背中をバシン、と叩く。あれ?


「え、ええと……俺、今日から喫茶店まで送っていくつもりなんだけど……」

「ええ!?」


 俺がそう告げると、しゆのさんが驚きの声を上げる。


「え、だ、だって、アイツも大人しくしてるし、わ、わざわざ遠回り……「しゆのさん」」


 申し訳ないような、それでいて嬉しそうなしゆのさんが、あれこれ理由をつけて遠慮するので、俺はそれを遮った。


「たまたま学校で遭遇しなかっただけで、ひょっとしたら途中で張ってるかもしれない」

「あう……う、うん……」


 俺の言葉に、しゆのさんが不安な表情になってしまった。

 本当はそんな心配は皆無なんだけど……うう、失敗した。


「ま、まあ本音は、俺が少しでもしゆのさんと長くいたい訳でして……」

「っ! あ、あは……」


 俺は頭を掻いて少し照れながらそう言うと、打って変わってしゆのさんは嬉しそうにはにかんだ。


「も、もう……しょうがないから、塔也にはエスコートさせたげるし!」

「はは、それじゃよろしくお願いします」


 俺は、ス、と右手を差し出すと。


「あは……」


 しゆのさんが左手を添え、そのまま恋人つなぎになる。


「しゆのさん、行こうか」

「うん!」


 そして俺達は、いつもより少し時間をかけて喫茶店に向かった。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は明日の朝更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] しゆのっちの愛のマーキングの余波がwww でも夏の蚊以外でアザみたいなのがあると目立つんですよねぇ…… きっと他の学生や先生も……?笑 トーヤはすっかりナイトが身に付いてますね! 最初は…
[一言] まあ、二人して誤解されるような言動をするんだから、信じてもらえなくても仕方がない。喫茶店まで送っていった先で彼の首元見られたら、また/w さて、次の話の動きが楽しみですね。
[一言] 勘違いしているやつは何をしでかすか解らんからね。
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