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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第一章 噂のアイツと神待ちギャル
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ギャルとお揃い

ご覧いただき、ありがとうございます!

「ふう……」

「あは、お疲れー!」


 学校を出た俺達は、まず最初にホームセンターに行って萩月さんの布団を購入した。


 というのも、配送してもらうことにすると、家に届くのが明日になってしまうらしく、このままだと俺は今日も床で寝ることになってしまう……というのは建前で、本音は萩月さんに俺のくたびれた布団なんかじゃなく、新しくてふかふかの布団で寝て欲しいからなんだけど。


 という訳で、俺はホームセンターから布団を担いで、やっと部屋に辿り着いたという訳だ。


「さて、次に買わないといけない物は何だ?」

「そんなの決まってんじゃん! 食器、お箸、コップ! 後は、水回りの諸々!」

「そ、そうか……」


 俺が尋ねると、萩月さんは信じられないといった様子で、俺をジト目で睨む。

 ま、まあ一緒に暮らすんだし、当然そういった物も必要ではあるな、うん。


「あ、じゃあさっきのホームセンターで一緒に買ったほうが良かったんじゃなかったのか?」

「何言ってんの! ホームセンターだったら高いから、食器類とかこまごました物は百均で買うの!」

「そ、そうなのか?」

「そうだよ……池っちもそれなりに一人暮らししてるなら、その辺は基本だよ?」


 うう、ぐうの音も出ない。


「はあ……もー、しょうがないなあ。池っちにはアタシがいないとダメだね」


 ヤレヤレといった表情で肩を竦める萩月さんに、俺は頭を掻いて苦笑いするしかない。

 事実、俺には生活力というものが欠けてるみたいだし。


「それじゃ、百均に行って、その後にスーパーで買い出し、だね」

「ああ……おっと、そうだ」


 危ない危ない、すっかり忘れるところだった。


「萩月さん、はいこれ」

「ん? ……あ、鍵」

「そう。これからこの部屋で暮らすんだから、ちゃんと持っていてもらおうと思って」


 そう言って萩月さんに手渡すと、彼女は指でつまんでプラプラさせた。


「池っち……」

「ん? 何だ?」

「せめて、なくさないようにするためのキーホルダーくらい付けないと」


 ……また萩月さんに白い目で見られてしまった。

 どうやら足りないものは生活力だけじゃないらしい。


「ま、せっかくだし百均でお揃いのキーホルダーでも買おうよ!」

「あ、ああ、そうだな……」


 いや、これは自分で自分を褒めてあげたい。

 俺の気が利かないお陰で、萩月さんと一緒のキーホルダーを付けられるんだから。


「じー」


 おっと、萩月さんが俺の顔を覗き込んでいる。

 気づかれないようにしないと。


「じゃ、じゃあ、今度こそ行こうか」

「よし! 行こー!」

「お、おー!」


 笑顔で拳を突き上げる萩月さんに(なら)って俺も拳を上げると、萩月さんがニシシ、と笑った。


 はは、可愛いな。


 ◇


「んふふー! 満足満足!」


 百均とスーパーで必要な物と食材を買った俺達は、部屋に戻ると袋を床に置く。

 で、萩月さんは戦利品の数々にホクホク顔だ。


「しかし、大量に買ったな」

「何言ってんの! それだけこの部屋に何にもないの!」

「う、耳が痛い」

「あはは! ま、今日からはこのアタシがしっかりやりくりしてあげるから!」


 そう言うと、萩月さんはその大きな胸をド……いや、ポヨンと叩いた。


「じゃ、アタシが腕によりをかけて美味しい晩ご飯作ってあげるから、池っちは……うん、お風呂掃除よろしく~!」

「ああ、任せろ」


 腕まくりをして調理に取りかかる萩月さんを横目に、俺は風呂場に行って掃除を始める。

 これからは萩月さんが使うんだ、しっかり綺麗にしないと。


「うん、ピカピカだな」


 俺は三十分くらいかけて隅々まで丁寧に掃除し、水あか一つない浴室内を見てウンウン、と頷いた。

 萩月さん、この浴槽見たら驚くかな?


 風呂場から出ると、萩月さんがテキパキと料理をしている。

 そのリズミカルに野菜を切る姿は、ほれぼれするくらいだった。


「あ、池っち。お風呂掃除終わった?」

「ああ。ところで……萩月さんって、料理得意なんだな」


 俺はヒョイ、と萩月さんの肩口からその手際を覗き込む。


「んふふー、どう? アタシのこと見直した?」

「見直すも何も、俺は萩月さんはすごい人だと思ってるよ。だけど、どこで料理を覚えたの?」


 俺は少し興味が湧いて、萩月さんに尋ねてみると。


「ああ、うん。うちって母子家庭だったんだ。だから、働いているお母さんに代わって、アタシが家事全般してたから」

「あ、そ、そうなんだ……」


 そう言った後、萩月さんは悲しそうな表情を浮かべた。

 しまった……余計なことを聞いたな……。


「ん? あは、もう……池っちがそんな顔する必要ないし」


 俺の顔を見て、萩月さんが苦笑する。

 うーん……どうやら俺は、存外顔に出やすいらしい。


「だけど」

「ん?」

「池っちって、優しいね」


 ニコリ、と微笑む萩月さん。

 そんな彼女の笑顔を見て、俺の胸が高鳴る。


「あ、そ、そうだ、何か手伝うことはないか?」


 俺はそれを悟られまいと、誤魔化すようにそんなことを申し出た。


「うーん……正直言うと、毎日カップラ食べてた池っちがまともに料理できるとは思えないから、パスで!」

「う……」


 ハッキリと言われ、俺はガックリとうなだれる。


「あは、池っちはご飯の用意ができるまで、座ってのんびりしててよ」

「そうします……」


 戦力外通告を受けた俺は、すごすごとテーブルの前に座った。

 で、ポケットからスマホと……部屋の鍵を取り出した。


 萩月さんとお揃い、かあ……。


 鍵に付いている、百均で買ったキーホルダーをまじまじと眺めていると、つい口元が緩んでしまう。


「あれあれ~? ひょっとして、アタシとお揃いで喜んでる?」


 いつの間にか萩月さんが俺の傍に来ていて、ニシシ、と笑いながら肘でウリウリする。


 う……図星、です。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は明日の朝投稿予定!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] りょ、料理もできる……だと!? どこに行けばこんなギャルをゲットできますか!?笑 お揃いで喜ぶ池っちも可愛いww
[気になる点] 池っち…本来は素直で人懐っこそうだな…
[一言] かわりに虐められもしなそうじゃない?笑
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