ギャルのヤキモチ?
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昼休み。
俺達四人は、今日は中庭に移動してお弁当を食べている。
やっぱり天気の良い時は外で食べるに限るからな。
「うん! 美味い!」
「あは! 良かったー!」
俺が美味そうにミートボールを頬張ると、しゆのさんが嬉しそうにはにかんだ。
というかしゆのさん、いつの間にこんなミートボールなんて作ったんだろう……。
「いいなー、美味そうだなー」
「もう! だからインターハイ終わるまで待てって言ってるじゃん!」
物欲しそうに眺める後藤くんに、古賀さんが少し怒り気味に窘める。
でも古賀さん、後藤くんにお弁当作ってあげることは確約してるし。
「はは、本当に二人は仲が良いな」
「む、なんだよ池田クン」
「そういえば、二人が付き合うきっかけって何だったの?」
ちょっと興味が湧いた俺は、二人に尋ねてみた。
「えー、俺達の付き合うきっかけ、ねえ……」
「い、池田! 別にそんなのいいでしょ!」
二人共恥ずかしそうにしながら口をつぐむ。
何だろう、言いづらい理由でも……「あは! そんなの、葵が後藤に一目惚れして、後藤が葵に一目惚れしたんだし!」……と思ったら、しゆのさんが速攻でバラした。
「え、えーと……そうなの?」
「あああああ! 萩月チャンなんで言うんだよ!」
「しーちゃんのバカアアアアア!」
うん、どうやらそういうことみたいだ。
「んふふー、あの時は二人別々にアタシのところに相談に来てさー。『一目惚れしたから何とかして欲しい』なんて「「あああああ!? もうダメだから!?」」」
さらに暴露しようとしたしゆのさんの言葉が、二人の奇声で遮られた。
「よし。池田クン、今聞いた話は忘れろ。いいな?」
「(コクコク)」
必死に詰め寄る後藤くんの剣幕に、俺は思わず頷いた。
ま、まあ、部屋に帰ってからゆっくり教えてもらおう。
で、しゆのさんと古賀さんはというと。
「……(ヒソヒソ)」
「……(ヒソヒソ)」
何やら俺達に聞かれたらまずい話でもあるのか、二人は小声で話し合っていた。
こ、これも気になるから部屋に帰ったら教えてもらおう……。
とまあ、今日もこんな感じでにぎやかに昼休みを過ごした。
◇
——キーンコーン。
よし! これで今日の授業が終わったぞ!
「あは! 塔也、行こ!」
チャイムが鳴るなり、しゆのさんが俺に声を掛けてきた。
「ああ、行こう」
俺はカバンを持って席を立つと、しゆのさんが俺の腕に自分の腕を絡めてきた。
というか。
「し、しゆのさん……教室で、その……」
「んふふー、いいの! だって塔也はアタシだけの塔也、だし……」
そ、それはそうなんだけど……は、恥ずかしい……。
「あー! 池田、しーちゃんから離れろ!」
「ハハハ! いやあ、見せつけるねえ!」
ほらあ……古賀さんは超怒ってるし、後藤くんはニヨニヨしながらからかってくるし……。
ま、まあ……そうは思いながらも、こうやって俺だけに甘えてくれるしゆのさんが可愛くて仕方ないんだが。
で、他のクラスメイト達はどうかっていうと、男連中は当然俺を睨みつけてるし、女子は女子で信じられないって表情で俺達を見てる訳で……。
「あは! クラスのみんな、アタシ達見て羨ましがってるし!」
「「「「「っ!?」」」」」
あああああ!? しゆのさんそんな煽っちゃダメ!?
「は、早く行こう!」
「わ!?」
俺はしゆのさんの腕を引っ張り、素早く教室を出た。
「あ……と、塔也、ひょっとして怒ってる……?」
ズンズン、と無言で下駄箱へ向かう俺に、しゆのさんが不安そうな表情でおずおずと尋ねてきた。
「あ、いや……俺は別に怒ってないよ。それより……何か理由があったんでしょ?」
「あ、あは……塔也はやっぱりお見通しだし……」
そう言うと、しゆのさんは少しバツが悪そうに苦笑した。
「で……どうして?」
「うん……そ、その……怒らない?」
しゆのさんが上目遣いで俺を見る。
だけど、そんなの答えなんて決まってるよね。
「そんなの怒らないに決まってるよ」
「あは……塔也ならそう言うと思った」
しゆのさんは頬を染めてはにかんだ。
「あ、じ、実はね……? 昼休みの時に葵から聞いたんだけど……その、二年に塔也のこと気になってる女の子がいる……んだって」
「ええ!?」
俺!? 俺のことを!?
「な、なんてまた奇特な……」
「そ、それで、塔也はアタシだけの大切な彼氏なんだって、みんなにちゃんと分かるように、って思って……その……」
そう言いながら、少し申し訳なさそうにしながら俯くしゆのさん。
というか……こんなの可愛すぎるんだけど!
「あ、あは……塔也からしたらメンドクサイよね……って!?」
とうとう俺は我慢できなくなり、思わずしゆのさんを抱き締めてしまった。
「あ……塔也……」
「はは……俺、最高に嬉しいんけど」
「ホント? イヤになったりしない?」
「まさか! そんなに俺のこと好きでいてくれて、幸せでしかない」
「あうう……塔也、大好き」
そう呟くと、しゆのさんは俺の胸に顔をうずめた。
ま、まあでも……そろそろ止めたほうがいいかな。周りの視線が痛すぎる。
「しゆのさん、じゃ、じゃあ行こうか。今ので俺達の仲も結構見せつけられたと思うし……」
「あ、あは……そうだね……」
しゆのさんは俺の身体からそっと離れ、恋人つなぎをした。
で、俺達は周りの視線から逃げるように、一目散に下駄箱を目指した。
……だけど、俺は気づいているぞ?
そんな視線の中に、女の子と会話するフリをしながら憎々しげに俺を睨みつける、和也がいたことを。
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次回は今日の夜更新!
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