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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第三章 アイツとギャルの居場所は一つ
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ギャルの見学

ご覧いただき、ありがとうございます!

 和也もいなくなり、引き続き荷物の積み込みに精を出していた、その時。


「塔也!」

「え!? しゆのさん!?」


 しゆのさんが、俺のバイト先に来てるんだけど!? なんで!?


「ど、どうしてここに!?」

「んふふー、今日はマスターが用事あるからって、早めに終わったんだし!」

「そ、そうなんだ!」


 いや、いつもは俺が迎えに行くことはあっても、まさか迎えに来てくれるだなんて……!


「お! 塔也、この子がお前の彼女?」


 何故か従業員の皆さんが集まり、しゆのさんを見ながらニヨニヨしている。


「はい! 俺の彼女です!」

「あは! “萩月しゆの”です! いつも塔也がお世話になってます!」

「「「「「おおー!」」」」」


 しゆのさんの自己紹介に、皆さんが声を上げた。


「なんだよなんだよ! 塔也、すごく可愛い彼女じゃねーか!」

「つーか、塔也もやるなあ!」

「あはは……」


 皆さんにいじられ、俺は思わず頭を掻いた。


「あ、それじゃすぐ仕事終わらせるから、しゆのさんは事務室で待ってて……「ううん、せっかくだから、塔也が働いてるところ見学するし」」


 俺は事務所へ案内しようとしたが、しゆのさんはそんなことを言った。

 いや、見られるのは何だか恥ずかしいんだが……。


「邪魔しないから、ね?」

「う、うん……じゃあ、せめて椅子持ってくるから、ちょっと待ってて」

「あは! うん!」


 俺は事務室に急いで向かうと。


「お、塔也、どうした?」

「すいません! パイプ椅子借りていきます!」

「お、おお……」


 キョトンとしている支店長を尻目に、俺は椅子を持って倉庫へ戻った。


「じゃ、じゃあこれ」

「うん!」


 しゆのさんに椅子に座ってもらい、俺は仕事を再開する。

 多分、いつも以上に気合入ってたんじゃないかな。


 そして、従業員の皆さんはそんな俺達を見てニヨニヨしっぱなしだった……。


 ◇


「お疲れ様でした!」

「おう、お疲れ!」


 今日の仕事が終わり、俺としゆのさんが事務室に行って支店長に挨拶した。


「ハハハ! しゆのちゃん、塔也はどうだった?」

「あは! 超カッコ良かったです!」

「お! 良かったな、塔也!」


 支店長は嬉しそうにそう言うと、俺の頭をガシガシと乱暴に撫でた。

 はは、もちろん最高ですとも。


「それじゃ、すぐ着替えてくるから」

「あは、待ってるし」


 しゆのさんに見送られ、俺は更衣室に向かう。

 さて、サッサと着替えて彼女の元に戻らないと。


 俺は作業着から来た時と同じ学校の制服に着替えると、急いで事務室に戻る。


 すると……しゆのさんは従業員の皆さんに囲まれ、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしていた。


「しゆのさん、お待たせ」

「あ、あは……塔也……」


 声を掛けると、何故かしゆのさんは(とろ)けるような笑顔を見せた。なんで?


「え、ええと……?」

「おお、お前が着替えに言ってる間、俺達がいつもお前のノロケ話を聞かされてるってチクってたんだよ」

「な、ななななな!?」


 支店長の言葉に、俺は顔が熱くなった。

 い、いや! それをしゆのさんに言うの、反則ですよ!?


「あうう……塔也のバカ、大好き」


 そう言って、しゆのさんは俺に抱きつき、胸に顔をうずめた。


「「「「「おおおおおおおおお!」」」」」


 そして、そんな俺達を見て歓声を上げる皆さん……。


 うう……恥ずかし過ぎる……。


 ◇


「あは! それにしても、今まで通りあの部屋で暮らせるようになって、良かったし!」


 スーパーでいつもより少し高い食材を買い込み、俺としゆのさんは帰路についていた。

 もちろん、このままあの部屋で暮らせることになったお祝いをするために。


「んふふー、今日は奮発してアタシ特製のビーフシチューだし!」

「おおー! すごい楽しみ!」


 いや、本当にしゆのさんの作るご飯は最高に美味しいからなあ……。

 俺はもう、完全に胃袋をつかまれてしまっている。


「ところで支店長に聞いたんだけど、あの弟が来たんだって……?」

「あ、ああ、うん……」


 俺は事の経緯についてしゆのさんに説明した。


 いきなり和也が押しかけて来たこと。

 それも、同じクラスの女の子に俺のバイト先を聞いたと言っていたこと。

 話の内容も下らないもので、昨日の母親との電話のことで、俺に責任を取れって言ってきたこと。


 そして……最後に『覚えてろ』と捨て台詞を吐いていったこと。


「ふうん……ていうかその女の子、なんで塔也のバイト先を知ってたんだろ……」

「分からない……俺の情報流してる奴がいるのか……?」

「「うーん……」」


 俺としゆのさんは、並んで首を傾げる。

 いや、俺の情報なんてつかんだところで、ソイツに一体何のメリットがあるんだ!?


「ま、ちょっと明日にでも葵に頼んで調べてみるし」

「ええー……こんなくだらないことで古賀さんに迷惑かけるの、さすがに申し訳ないんだけど……」


 俺はしゆのさんの提案を、やんわりと断ろうとしたんだけど……。


「ダメ! それでもし万が一塔也に何かあったらどうするし!」


 ……しゆのさんに折れるつもりはないらしい。


「はあ……程々にね」

「あは! うん!」


 くそう、結局しゆのさんには勝てないなあ……。


「まあまあ、今日はそんなことより! ビーフシチューでお祝いだし!」

「はは、そうだな」


 うん、もうそんな気分が悪くなるようなこと、考えるのはやめよう。


 その後、俺達は雑談をしながら歩いていると、あっという間にアパートに着いた。


 だけど。


「やあ、遅かったね」

「……和也」


 アパートの前で、和也が俺達の帰りを待っていた。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は明日の朝更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] み、みせつけよる……(泣) 二人の愛を阻むものは何も無いようですねwww いいなぁ、ビーフシチュー。御馳走じゃないですか! 情報をリークした女子も気になってたし、油断しないしゆのっち流…
[一言] 流石に三度目の待ち伏せはうざい。 てか他人の契約した部屋の前とか訴えられてもおかしくないだろうに。
[良い点] イケおじ量産中。 かつては情けなかったヒロインパパンもそっちのグループ入りも遠くない? [気になる点] 元々主人公が住んでたアパートは解約して新たな住居にて生活する予定だったのならなんで弟…
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