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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第三章 アイツとギャルの居場所は一つ
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もう一つの居場所

ご覧いただき、ありがとうございます!

「ふふ、簡単なことですよ。住む場所も生活費も、全てうちで面倒見ますので、今後一切、塔也くんと関わり合いにならないで欲しいんです」

『っ!?』


 お母さんから放たれた言葉に、スマホ越しにうちの母親の息を飲む声が聞こえた。

 それはもちろん、俺にとっても衝撃的で。


「ふふ、そこまでお金を出し渋る上に、今までまともに塔也くんと接したこともないんですから、むしろあなたにとっても好都合なんじゃないですか?」


 お母さんは皮肉を交えてそう告げる。

 そして、うちの母親は……多分、お母さんの提案を受け入れるだろう。


『え、ええ……それなら、まあ……』


 ほら、な。


「それじゃ、交渉成立ですね。ふふ、ではそのように……」

『あ、あの……本当に児童相談所には……』

「ええ、言いませんよ? あなた方が今の約束を反故(ほご)にしない限りは」

『そ、そうですか……』


 そう言って、安堵の溜息を漏らすうちの母親。

 俺は……。


 すると。


「しゆの、さん……?」


 俺をより強く抱き締めながら、何故かしゆのさんは涙を流していた。


「ア、アタシがいるから! 塔也には、ずっとアタシがいるんだから!」


 しゆのさんは、何度も何度もそう叫んだ。


 まるで、俺に言い聞かせるように。

 まるで、電話の向こうの俺の母親に言い放つように。


 母親に捨てられた俺が、悲しまない……よう、に……!


「う、うう……!」

「塔也……塔也……!」


 俺はしゆのさんの胸に顔をうずめ、声を殺して泣いた。

 実の母親に捨てられた事実を受け入れるために……そして、そんな俺を受け入れてくれた、しゆのさんの想いに応えるために。


「……じゃあ、通話を……って、ああそうそう」

『まだ、何か……?』

「この会話、全て録音してありますから。後でなかったことに、なんてことはありませんからね?」

『…………………………』

「では……二度と塔也くんに近づくな、クズ」


 ——プツ、ツー、ツー……。


 最後に強烈な捨て台詞を残し、お母さんは通話を切った。


「塔也くん……勝手な真似をしてごめんなさい……」


 お母さんは俺に向き直ると、頭を深々と下げて謝った。


「や、やめてください! お、俺のほうこそ……本当に、申し訳ありません、でした……」


 しゆのさんの胸から顔を起こし、俺もお母さんに深々と頭を下げた。


「そ、それで、生活費や家賃は、俺のバイトで何とかなり「塔也くん」」


 俺がそう切り出すと、お母さんに言葉を遮られてしまった。

 そしてお母さんの表情は、少し怒っているようにも見えた。


「塔也くん……責任感が強いのは悪いことじゃないけど、あなたはまだ高校生なの。だから、もう少し大人に頼ることを覚えなさい」

「で、ですが……っ!?」


 するとお母さんは、俺の顔を両手で挟んで俺をジッと見つめる。


「こんなこと言うのはあなたにとって酷だけど、あなたのご両親は“親”として失格だったし、頼れるような環境にいなかったことも理解できる……でもね? あなたのことを大切に想っている大人だって、ちゃんといるのよ?」

「…………………………」


 そう言って微笑むお母さんに、俺は何も言い返すことができない。

 いや……俺にはその言葉がもったいなさ過ぎて、それを受け止めるのが怖くて……。


「そうだぞ塔也くん。君は僕達に、いつだって頼っていいんだ。君には僕達がいる、娘であるしゆのちゃんと同じように、君は僕達にとって、もう息子のように想っているんだから」


 そう言うと、お父さんがニコリ、と微笑んだ。


「だから……僕達に、塔也くんのことを支えさせてくれないかな?」

「あ……ああ……!」


 俺の目から、とめどなく涙が溢れる。


 こんなこと、言ってもらったことがなくて。

 こんな優しい言葉、言ってもらえるなんて思わなくて。


「ああ……あり、ありが……とう……ございます……!」

「塔也……!」

「「塔也くん!」」


 嗚咽を漏らしながらも、感謝の言葉を伝えようと必死で声を出す。

 そんな俺を、同じように涙を零すしゆのさんが抱き締めてくれて。

 そんな俺達を、お母さんとお父さんは、微笑みながら優しく抱き締めてくれて……。


 俺は……俺は、今日初めて、“家族”というもう一つの居場所を見つけた。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は今日の夜更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] ヒロインのパパ、ママを一瞬でもクズ野郎と思った自分を殴りたい^^;
[一言] (´;ω;`)ウッ… 。゜(゜´Д`゜)゜。うわーん 歳取ると涙腺緩くなってしまふ
[一言] 最初は焦りからあんな事をやらかしてしまったしゆのさんのご両親だけど、格好いい!!うちの娘の男で将来義理の息子になるかも知れん塔也君の為に塔也君の親とは呼べないクズにビシッと言ってくれたのは良…
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