ギャルの家にお呼ばれ
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「お帰りしゆの! 塔也くんもいらっしゃい!」
「やあ、よく来たね!」
しゆのさんが玄関のドアを開けると、お母さんとお父さんが、満面の笑みで俺達を出迎えてくれた。
「あ、お、お母さん、お父さん、こんばんは!」
俺は緊張しながら、深々と頭を下げた。
「ふふ、こんばんは。だけど、知らない仲じゃないんだから、そんな緊張しなくてもいいのに……むしろ、もっと自分の家族だと思って、ね?」
「そうそう! もう塔也くんは僕達の大切な息子だからね!」
い、いやいや!? お二人共何を言ってるんですか!?
というか息子!? ちょっと展開が早すぎるんだが!?
「あは! ホラホラ、そんな言い方したら塔也が余計に緊張するじゃん!」
「え、そ、そう?」
「そうなのかあ……」
うん、しゆのさんフォローありがとう。
だけど、『大切な息子』ってところは一切否定しないんだな。
……ま、まあ、俺だってそういうこと、考えてない訳ではないが……。
「さあさあ! 二人共上がって!」
「今日は二人が来るから、お寿司頼んだよ!」
「んふふー、塔也、ほらね?」
お父さんの言葉を受け、しゆのさんがドヤ顔で俺の顔を覗き込んだ。
いや、二人がいる前でコメントしずらい。
「さてさて、じゃ、塔也!」
しゆのさんが靴を脱ぎ、俺の腕を引っ張る。
「わっと、お、お邪魔します」
俺も靴を脱いで揃え、引っ張られるままに中に入ると、連れられた場所はリビングだった。
で、テーブルには既に寿司桶がセットされていた。
というか……高校生の俺が見ても分かる。
この寿司、絶対高い。
いや、だって、ネタが普通にヤバイ。
トロとかウニ、イクラはもちろん、俺が見たこともないようなネタが乗ってるし。
「うふふ、どう? すごいでしょ!」
「うわあ……お母さん、奮発したねー!」
「奮発したのはお父さんだけどね」
「いやいや、美月さんだってすごく乗り気だったじゃないか」
そう言うと、しゆのさん親子三人が大声で笑った。
俺としては、恐縮するばかりなんだが……。
「さあさ、塔也くんは座って座って! しゆの、茶碗蒸しの用意するから手伝って!」
「あは! 任せて!」
しゆのさんはお母さんと一緒にキッチンに向かう。
俺はと言えば、ただ言われるがまま、テーブルの前に座るのみだ。
「いやあ、塔也くんが二十歳過ぎてたら一緒にお酒飲むのになあ……」
そう言って、少しガッカリした表情を見せるお父さん。
「……まあ、それは塔也くんとしゆのちゃんがその時を迎えるまで、楽しみに取っておくか」
「はは……そうですね……」
うん、俺にできることは、相槌を打つことくらいだな。
「さあて! 茶碗蒸しの準備は終わったし、早速食べましょ!」
段取りを終えたしゆのさんとお母さんも、キッチンから戻って来て席に座る。
当然、俺の隣はしゆのさんだ。
「塔也、はい」
しゆのさんが俺にコップを渡すと、ジュースを注いでくれた。
「あ、ありがとう。それじゃ、しゆのさんも」
「あは、ありがと」
今度は俺がしゆのさんにジュースを注ぐ。
「準備できたかい? それじゃ、乾杯!」
「「「カンパーイ!」」」
お父さんの音頭で乾杯をすると、思い思いにお寿司をつまむ。
もちろん俺はといえば……。
「はい、塔也!」
「あ、ありがとう……」
しゆのさんが、俺の分のお寿司を皿に乗せて取ってくれた。
こうやって、しゆのさんがかいがいしくお世話をしてくれていたりする。
「あらあら、本当にしゆのったら、塔也くんにベタ惚れじゃない」
「はは、本当だね」
うう、お母さんとお父さんがニヨニヨしながら俺達を眺めている。
は、恥ずかしい……。
「んふふー、アタシはもちろんだけど、塔也だってその……ね?」
そう言って、しゆのさんが上目遣いで俺に同意を求める。
「はい……俺はしゆのさんが、世界一大好きです」
「まあ!」
「おお!」
俺の言葉に、お二人が感嘆の声を上げた。
で、しゆのさんはというと。
「はうう……塔也、好き」
そう言って、俺の腕に抱きついた。
うん、超恥ずかしい……だけど、この想いはハッキリと言わないと、だしな。
その後も、俺達四人の会話は尽きない。
特に興味深かったのは、しゆのさんの子どもの頃の話かな。
実はしゆのさんは結構人見知りで、いつも古賀さんとばかりくっついていたって話は特に面白かった。
……今では古賀さんがしゆのさんにベッタリなだけに、ね。
「ふふ、だけどあのしゆのが、まさかこんなに素敵な男の子を捕まえるだなんて、ねえ?」
「も、もう! アタシも昔とは違うし!」
「あら? じゃあしゆのにも、塔也くん以外で好きになった男の子とかいたりしたの?」
お母さんが興味津々でしゆのさんに尋ねる。
こ、これは俺も知りたいぞ! も、もちろん嫉妬したりとか……は、チョットだけあったりしなくもないが……。
「うう……その、今までは家のことで精一杯で、塔也が初恋だし……」
「なな!?」
そ、その答えは反則だろ!
だけど……そうかあ……俺が初恋相手、かあ……。
「じゃ、じゃあ塔也はどうなんだし!」
「え、お、俺? 俺は……」
俺の初恋……。
そういえば俺も、両親に認めてもらおうと必死だったから、そういった余裕はなかったなあ……。
まあつまり。
「……実は俺も、しゆのさんが初めて好きになった女の子、だったり……」
「はう!?」
俺の言葉に、今度はしゆのさんが悶えた。
「あらあら、本当?」
「それは興味深い!」
お母さんとお父さんは、嬉しそうにまじまじと俺としゆのさんを交互に眺める。
その時。
——ジリリリリ。
ん? 俺に電話?
「あは、塔也のスマホが鳴るなんて、珍しいね」
そう言ってクスクスと笑うしゆのさん。
う、た、確かにそうだけど。
で、俺は慌ててポケットからスマホを取り出すと。
「あ……」
発信者は——俺の母さんだった。
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