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ダブルデート①

ご覧いただき、ありがとうございます!

「塔也! 早く早く!」


 春休みのちょうど真ん中にある日曜日。


 俺と萩月さんは、待ち合わせ場所の関町駅へ向け、はしゃぐしゆのさんに腕を引っ張られていた。


 で、今日のしゆのさんのコーデは、動きやすいようにと春らしい若草色のブラウスに白デニムのホットパンツ、黒タイツにエンジニアブーツ、寒くないようにチェックのストールを羽織っている。

 なお、ブラウスとストールはこの前のデートで買ったものだ。


 もちろん俺も、あの時買ったオリーブドラブのジャケットを着ている。


「はは、そんなに慌てなくても、時間には間に合うよ」

「そうだけども! せっかくだからあの二人に見せつけてやるんだし!」

「見せつけるって?」

「あは! もちろん、カッコイイ塔也を!」


 うう、面と向かってそんなこと言われると、その……は、恥ずかしい……。


「あ! 待ってよ塔也ー!」


 俺は熱くなった顔を見られないようにしゆのさんの前を歩き、駅へと足早に向かった。


 で、駅に着くと。


「しーちゃああああああああん!」

「わ!?」


 早速いつものように古賀さんがしゆのさんに抱きついた。


「ハハ、オッス!」

「後藤くん、おはよう!」


 俺と後藤くんはハイタッチを交わし、しゆのさんと古賀さんの様子を眺める。


「えへへー、しーちゃんとのデート、楽しみー!」

「違うし! アンタは後藤で、アタシは塔也!」


 じゃれつく古賀さんを手で引きはがしながら指摘するしゆのさん。

 だけど、今のしゆのさんの発言を耳聡く聞いていた二人は。


「ムム! いつから池田のこと下の名前で呼ぶように!?」

「へえー、池田クン、下の名前で呼ばれてるんだ? じゃあ当然、萩月チャンのことも下の名前で呼んでるワケ?」


 猛烈に抗議する古賀さんと、ニヤニヤしながら煽るように尋ねる後藤くん。

 いや、確かに下の名前で呼び合ってるけども!?

 といっても、まだ日は浅いけども!?


「あは! 当然だし! ねー、塔也?」


 くう……! 嬉しそうに俺の名前を呼ぶしゆのさん、尊い!


「あ、ああ……そうだね、しゆのさん」


 だからこそ、俺はしゆのさんの彼氏なんだアピールを全力でさせてもらおうか。

 それに、ホラ。


「あは……」


 うん、二人に俺達の仲の良さを見せることができて、しゆのさんは嬉しそうにモジモジしているし。


「あああああ! もおおおお! 私達は何を見せられてるのよ!」

「ハハハハハ! ダブルデートなんだしこういうモンだろ!」


 大声で笑いながらそう言うと、後藤くんはス、と古賀さんの傍に寄って腰で抱き寄せた。

 むむ、それは俺達への当てつけだな!


 だ、だったら!


「あ……塔也……」


 俺もしゆのさんの隣に行き、ちょっと恥ずかしいけどしゆのさんを抱き寄せた。

 ど、どうだ! お、俺達だってこれくらい……!


「くうううう……! しーちゃんが汚される……!」


 いや、それは酷くない!?


 だけど。


「塔也……」


 潤んだ瞳で俺を見つめるしゆのさん。

 う、うん……まあ、古賀さんはどうでもいいか。


 ◇


「あは! 塔也、どれから行く?」


 俺達は電車に乗り、今日のデート場所である遊園地に来ていた。

 まあ、定番といえば定番だよな。


 で、目の前には大はしゃぎのしゆのさんがいる訳で。


「そうだなー……二人はどれがいい?」

「ん? 俺はみんなが行きたいところでいいぜ」

「私はしーちゃんの隣がいい!」


 うん、特に希望はなし、と。


「しゆのさんは?」

「あは! アタシはもちろん、あのジェットコースター!」


 そう言うと、しゆのさんは遊園地に(そび)え立つレールを指差した。

 おおう……高いうえに宙返りが二回もあるのか……。


「じゃ、じゃあそれにしようか」

「「異議なし」」


 二人もいいということなので、俺達はジェットコースターへと向かう。


 で、古賀さんの宣言通り、しゆのさんと古賀さんが一緒に並んで座り、俺と後藤くんがその真後ろに座る。


 さあて……後藤くん、吐いたらゴメン。


 ——ガタン。


 お、動き出したぞ。


 ジェットコースターがゆっくりとレールの上を上がっていく。

 というか、ジェットコースターはこの時の緊張感が一番イヤだ。


 そして。


「「キャアアアアアアアアアアアア!」」

「うおおおおおおおおおおおおおお!」


 前の二人と俺が絶叫を上げ、ジェットコースターが猛スピードでレールの上を駆けていく。

 というか、ヤバイ! 止めて! 止めて!?


 そこから先の記憶は、曖昧だった。

 ただ、気がつけば一周して戻ってきた時に、後藤くんに苦笑しながら肩をポン、と叩かれていたことだけは覚えている。


「あは! 楽しかった! ねーねーもう一回!」

「ムムム、ムリ! ムリだから!」


 もう一度乗ろうなどと言ってはしゃぐしゆのさんに、情けないながらも俺は彼女にしがみついて思い切りかぶりを振った。


「えー……しょうがない、葵、乗る?」

「乗る乗る!」


 そう言って、二人はまた列に並びに行った。


「ハハ、元気だねえ」


 後藤くんが苦笑しながら二人を眺める。

 そういえば後藤くん、ジェットコースターに乗ってた時、これっぽっちも悲鳴を上げなかったな……。


「とりあえず、ジュースでも買いに行く?」

「……賛成」


 俺は後藤くんの提案に乗り、俺達は自販機にジュースを買いに行った。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は今日の夜更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ぐ、ぐにゅにゅにゅ!! 羨まし過ぎて握り拳から血が出そう……(笑) やっぱり見せつけちゃってくれますねぇ! しっかし、後藤君クールだなぁwww
[一言] おお、前回で終わったのかあ。まあ、もう十分だった/w ダブルデートは女性陣が楽しんでいるようで。まあそういうものか。
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