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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第二章 救われたアイツがギャルを救う
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理不尽な脅迫

ご覧いただき、ありがとうございます!

「まあいいわ! それはあの子に聞いたら分かるし! それよりも、早くあの子に逢わせなさい!」


 萩月さんのお母さんは、俺に詰め寄り、娘に逢わせろの一点張りだ。

 というか、絶対に逢わせられないぞ、これ。


「え、ええと……申し訳あり「あなたの意志は求めてないの! あなたはサッサとしゆののいるところに案内すればいいのよ!」」


 うん、全く聞く耳を持たない。

 それよりも。


「は、話は変わりますが、どうして俺が萩月さんと一緒にいるって知ってるんですか?」

「フン! 決まってるわ! しゆののスマホのGPSから、あなたの家を割り出したのよ!」


 あー……萩月さん、スマホにGPSアプリ入れられてたのかー……。

 だから、俺の部屋の住所も把握して、そこから俺のバイト先も……ってことか。


 だったら。


「すいませんが、お引き取り下さい」

「はあ!? あなたにそんなことを言う資格ないでしょ!」

「ですが、俺はあなたを彼女に逢わせることはできません」

「いい加減にしなさい! どうしてもしゆのに逢わせないって言うなら、こことの取引、全部引き上げてもいいのよ!」


 このお母さん、とんでもないこと言い出したぞ!?

 大体、それとこれとは別の話だろ!


「さあ! どうするの! たかがバイトでしかないあなたの一存で、この会社が大損害を受けることになるのよ!」


 チクショウ! 汚い!

 それが……それが、大人のやることかよ……!


 俺はチラリ、と支店長を見る。

 支店長は腕組みをしながら、静かに目を閉じていた。


 支店長……すいません……。


「俺は「悪いが、そういうことなら契約は破棄だ。帰ってくれ」……って、支店長!?」


 なんと支店長が、お母さんに対して突き放すように言った。


「し、支店長……」

「ハッ! 当たり前だろう! たかが高校生の……しかも、うちの大事なバイトにこんなくだらねえ脅しかけやがって! そんなふざけたこと言われるくらいなら、こんな取引願い下げだ!」


 支店長はお母さんに向かって大声で叫ぶ。

 というか、俺のせいで取引パーになったら申し訳なさ過ぎて仕方ないんだが!?


「はあ!? 本当にいいの!? 私が言うのもなんだけど、これだけの取引をたかだかバイト一人のために棒に振るワケ!?」

「アンタ……たかだかバイト一人(・・・・・・・・・)って言ったな。じゃあアンタ、そのバイトと同じこと、たった今やってみろ」

「はあ!?」


 そう言うと、支店長は事務所を出て倉庫へ向かう。

 お母さんもよく分からないといった表情で、仕方なく支店長の後をついて行った。


「この倉庫の仕分けは、塔也がほぼ一人でやったもんだ。さあ、契約も破棄になったんだ、今すぐ引き取ってくれないと邪魔なんだよ」

「はあ!? こんなの、私一人で運べる訳……」


 支店長の剣幕と放たれた言葉に、お母さんがたじろぐ。

 というか、悪いがお母さん一人でこれを撤収するのは不可能だろう。


「どうした? アンタが馬鹿にした塔也は一人でやったぞ?」

「ウ、ウルサイ! そんなの、何で私が……ちょっと待ってなさいよ!」


 そう言うと、お母さんはスマホを取り出し、どこかに電話を掛ける。


「……ああ、私……ちょっと取引先とトラブルで……ええ……男の子、二、三人とトラック一台手配してもらえる? ええ……ええ!? あ、あの人には言う必要はないわ! ……ええ、よろしくね」


 お母さんの電話の相手は分からないが、多分、同じ会社の人だろう。

 話の内容から察するに、荷物を運ぶための助っ人と運搬用のトラックを手配したようだ。


「も、もう少ししたらうちの従業員が引き取りに来るから……」

「コッチはそんなの待てねえんだが?」

「……そ、その……もう少しだけ……」


 あー……完全に立場逆転してる……。

 しかも、支店長がこんな怒ってるの、初めて見たぞ……。


 だけど。


「支店長……すいません、俺のせいでせっかくの取引が……って、わっ!?」


 俺は申し訳なさのあまり、支店長に深々と頭を下げると、支店長に頭をわしゃわしゃとされてしまった。


「全く……お前は気にしなくていいんだよ!」


 そう言うと、支店長はニカッと笑った。

 ああもう……絶対に支店長に頭が上がらないな……。


 お母さんは居たたまれない様子で、スマホの画面を何度も見たり入口付近を(うかが)っていると、一台の車がやってきた。


「す、すいません! なにかトラブルが!?」


 やって来たのは、この前のイケオジだった。


「ああ。オタクの社員が、うちのバイトにケチつけた挙句、言うこと聞かないと契約破棄するって言われたんで、コッチからお断わりさせてもらったんですよ」


 支店長は低い声でイケオジにそう説明すると、イケオジはお母さんへと向き直った。


美月(みづき)さん……これは、どういうことだい?」

「あ、あなた違うの! この子がしゆのと逢わせようとしないから!」


 いや、いくら会社の人とはいえ、そんなプライベートなことを理由に説明していいものなのか?


「……美月さん、これはあくまで会社の取引としてここにお願いしているものだよ? それを、君は……」

「あう……」


 イケオジに詰められ、お母さんが視線を泳がせる。


「この度はうちの者がご迷惑をお掛けし、申し訳ありませんでした……できましたら、引き続き取引させていただきたいのですが……」

「あ……あなた……」


 そう言うと、イケオジは支店長に深々と頭を下げた。


「んー……謝る相手が違うだろ。アンタんとこの社員が下手な脅しをかけたのは、ここにいる塔也だ」

「そうか……すまない、塔也くん。どうか、許してはもらえないだろうか……」

「え、い、いや、俺は……もう、気にしてませんから……」


 うん、脅されたことに関しては、支店長があそこまで言ってくれたし、イケオジにも誠意ある謝罪をしてもらったので、これ以上どうこういうつもりはない。


 だが。


「……ただし、お母さんに萩月さんは逢わせられません」

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は今日の夜更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 支店長さんかっこ良すぎです
2021/08/11 22:17 退会済み
管理
[良い点] ……池っち、荒波に呑まれ過ぎて逆にメンタルが鋼超えてオリハルコンとかになってません?www まぁ、それも自分のためじゃなくて萩月さんの為だからなんだろうけどwww 毅然とした態度、そこい…
[一言] なんか思ってたの違うなぁ。 まともな人だと想像してたけどこの二話だけで第三の厄介な生物って評価。 まぁ、娘が大事なのはわかるけど脅すなんてもっての外だし、GPS付けてるなら職場に行かず直接家…
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