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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第二章 救われたアイツがギャルを救う
36/96

ギャルへの気持ち

ご覧いただき、ありがとうございます!

 ——キーンコーン。


 放課後になり、俺はカバンに教科書やノート、筆記用具を片づけ、チラリ、と教室の入口を(うかが)う。


「あれ……?」


 珍しいな……いつもなら、チャイムが鳴ったらすぐに教室にやってくるのに。

 何かあったのかな……。


 俺は萩月さんのことが気になり、カバンを持って席を立つと、萩月さんの教室に向かった。


 で、教室の前に着いた俺は、入口から中を覗く……けど。


「いないなあ……」


 ウーン、一体どうしたんだろう?


 すると。


「あ、池田……」

「ん? 古賀さん?」


 声を掛けてきたのは、古賀さんだった。

 だけど……何だかつらそうというか、申し訳なさそうというか、そんな表情を浮かべていた。


「どうしたの?」

「あ、そ、その……」


 モジモジしながらしどろもどろになる古賀さん。


「スマン! 俺達、萩月チャンに余計なこと言っちまった!」


 後藤くんが、古賀さんの後を引き継ぐかのように手を合わせて謝った。


「え、ええと……話が見えないんだけど……」

「実は……」


 萩月さんと何があったか、後藤くんが説明してくれたんだが、どうやら俺が嘘を吐いて後藤くん達と会っていたことがバレたらしい。

 それで萩月さんが怒って、そのことをポロリ、と漏らした二人は教室から追い出された、とのことだ。


「……あんなに怒った……ううん、あんなに悲しそうなしーちゃん、初めて見た……」

「俺も驚いちまったよ……ウッカリ言った葵もアレだけど、それでもあそこまでの態度見せるとは思わないもんなあ……」

「そうか……」


 だが、萩月さんがそこまで怒るのも、俺には理解できる。

 だって、もし俺が反対の立場だったら、平静でいられただろうか……?


 ……いや、無理だな。


「とにかく、二人共すまなかった……」

「イ、イヤイヤ! ワリイのは葵であって池田クンは別に……!」

「……私、しーちゃんに電話してみる」


 そう言うと、古賀さんがスマホを取り出して電話を掛ける。


 だけど。


「ダメ……しーちゃん、でない……」

「……古賀さん、ありがとう。俺からもちょっとこまめに電話したりRINE送ったりしてみるよ……」

「わ、私もRINE送ってみる……」

「と、とりあえず! そんな深刻になるようなことじゃないって! 萩月チャンもちょっと癇癪(かんしゃく)起こしただけっつーか、ねえ……」


 空気を変えるために後藤くんがそんなことを言うが、俺と古賀さんが俯いたままのせいで、どんどんトーンダウンしていった。


「……俺、バイトあるから、これで失礼するよ」

「あ、ああ、池田クンお疲れ……」

「バ、バイバイ……」


 二人と別れ、俺は下駄箱で靴に履き替えると、モヤモヤした気分の中、バイトへと向かった。


 ◇


「オイオイ……どうした、元気ないぞ?」


 不思議そうな表情をした店長が、俺に声を掛けてきた。


 モヤモヤした気持ちを払しょくするために仕事に集中してたけど、どうやらそれは無理だったみたいだ。


「あはは……いえ、何もないです……」

「嘘吐け! ……ははーん、さては、あの喫茶店の彼女とケンカでもしたか?」

「っ!?」


 くそう、普段は豪快で大雑把なのに、なんでこんな時だけ鋭いんだ。


「なんだ、図星かよ……」

「…………………………」


 ヤレヤレと肩を竦める支店長に対し、俺は無言で俯くしかない。

 ただ、これは喧嘩じゃなくて、俺が萩月さんに不誠実なことをした結果なんだが……。


「全く、そんな調子で仕事されても、うちとしては困るんだよ」

「はい……すいません……」


 うう、支店長の言葉にぐうの音も出ない。


「仕方ねえから、今日は単純作業だけやってもらおうか。ホレ」


 そう言うと、支店長がおもむろに財布を取り出してお金を封筒に入れ、それを俺に手渡した。


「あ、あの……?」

「実は、ちょっとあの喫茶店にツケが溜まっててなあ。マスターに渡してきて欲しいんだよ。んで、もう今日は戻ってこなくていいから」

「っ! し、支店長……」


 俺は勢いよく顔を上げて支店長を見ると、支店長はニカッと笑った。


「ホレホレ、ボサッとすんな! 早く行け!」

「は、はい!」


 俺は自分のカバンを取り、支店長にお辞儀をすると、勢いよく事務所を飛び出した。


「ヤレヤレ、若いねえ」


 なんて支店長の呟きを聞きながら。


 そして、俺は住宅街を走り抜け、歩いたら十五分かかるところを、僅か五分強で喫茶店にたどり着いた。


「ハアッ……ハアッ……!」


 と、とりあえず息を整えないと……。

 俺は二、三回深呼吸をすると、意を決して喫茶店のドアに手を掛ける。


 だけど。


「萩月さん……俺なんかともう、口もきいてくれないかもしれないな……」


 いや、それくらいだったらまだいい。

 もし……もし、萩月さんがあの部屋から出て行くことになってしまったら。


「嫌、だ……そんなの、嫌だ……」


 萩月さんがいなくなるかもって考えるだけで、胸が張り裂けそうになる程苦しい。

 萩月さんの声が聴けなくなるかもって思うだけで、世界がどうでもよくなる程悲しい。


 俺は……俺は、萩月さんが……!


 好き、なんだ……。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は今日の夜更新!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 支店長さん、かっけぇッス…
[一言] まあ、支店長も優しい。 好きだ、という気持ちはぶつけないままに同居になっていたと思うから。まず、素直に思いのたけを話すのが最初なんだろうねえ。
[良い点] 支店長さんイケメン過ぎィ!! はっ、もしかしてイケオジ!?← って章タイトルがアツい……!! これは期待ですね〜!
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