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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第一章 噂のアイツと神待ちギャル
21/96

ギャルの幸せを護るために

ご覧いただき、ありがとうございます!

「ただいまー」

「あは! おかえり!」


 バイトから帰って部屋のドアを開けると、シンクの前で料理をしていた萩月さんが笑顔で駆け寄ってきた。

 ああ……大切な人がいるって、こんなに幸せなんだな……。


「ホラホラ! 池っちも疲れてるんだし、座って座って!」

「あ、ああ」


 萩月さんに背中を押されながら部屋の中に入ると、テーブルの前に半ば強制的に座らされる。


「すぐに晩ご飯の用意するからねー!」

「あ、手伝う「いいから! 池っちは座ってるの!」……あ、はい」


 手伝おうとしたけど、止められてしまった……。

 仕方ない、萩月さんが準備している間、俺は彼女の後姿を眺めていよう。


「じー」

「な、何? そんな見られると恥ずかしいし……」


 ふふ、最近気づいたが、萩月さんは実はかなりの恥ずかしがり屋だったりする。

 だからこうやって俺が眺めていると、彼女はいつも顔を赤くしてしまうのだ。


 ただ。


「……あんまり見てると、池っちの晩ご飯だけ思いっ切りトウガラシかけてやるし」

「すいませんでした」


 やり過ぎると、こうやって反撃を受けてしまうので程々にしないと。


「もう……ほいっと、今日はオムライスとオニオンコンソメスープ!」


 萩月さんができあがった料理をテーブルへと運んでくれた。


「おお! ……って、こ、これは……」

「? どうかした?」

「あ、ああいや……」


 ま、まさかオムライスに、その……ハ、ハートマークが……。

 こ、これって、そういう……って、そんな訳ないか。

 いつもの彼女の冗談だろう、そうに違いない。


「ま、いっか。さてさて、それじゃ……」

「「いただきます!」」


 そして、いつものように萩月さんが号令をかけると、一緒に手を合わせた。


 で、俺は早速オムライスを切り崩し、スプーンで少し多めに(すく)って一気に口の中に放り込む。


「モグ……うん! 美味い!」

「んふふー、でしょ? 何と言っても、アタシの愛情がこもってるし」


 満面の笑みを浮かべながら俺の食べる姿をジッと眺める萩月さん。

 うう……見られてることも照れるが、萩月さんの可愛い笑顔にも照れる。


「さ、さて次はスープを……これも美味い!」

「あは! やった!」


 萩月さんが胸の前で小さくガッツポーズをする。

 くそう、最高に可愛い。


 いつも思うけど、本当に萩月さんは最高の女の子だよなあ……。

 すごく優しくて、すごく可愛くて、家事だってなんでもこなせて……まさに完璧な女の子だ。


 なのに、こんな俺なんかのためにここまでしてくれて……。

 ……一生かかってでも、彼女が俺にくれたものを返していかないと、な。


「あれ? 池っち、その食べ方……」

「……え?」


 萩月さんを見つめていたところで、何かに気づいた萩月さんが急に頬を赤く染めた。

 え? 一体何が……って、あああああ!?


 どうやら俺は、無意識のうちにオムライスに描かれたハートマークを潰してしまわないように、綺麗に残して食べていたみたいだ。


「あうう……い、池っちは、もお……」


 顔を真っ赤にして俯きながら、両手の指をこちょこちょさせる萩月さん。

 うう……恥ずかしいこともさることながら、これで変な風に取られたりしてなかったらいいけど……。


「こ、こうなったら! えい!」

「ああ!」


 なんと萩月さんは、俺のオムライスを囲うようにハートマークを皿に書き込んだ!?


「こ、これなら遠慮なく食べられるし!」

「あ、う、うん! そ、そうだな!」


 俺と萩月さんは、恥ずかしさからお互い目を合わすこともできないまま、無言で晩ご飯を食べ終えた。


 だけど……今度は皿、洗いたくないなあ。


 ◇


「んふふー、それじゃ寝よっか!」

「ああ、おやすみ」

「おやすみー」


 夜の十一時になり、俺達は布団の中に入る。


 俺は静かに目を(つむ)る。


 すると。


「……ねえ、池っち」

「ん?」


 萩月さんが声をかけてきたので、俺は返事をした。


「……アタシね? 今、幸せだし……」

「はは、俺も萩月さんのお陰で、こんなに幸せになれたよ」

「ホント? アタシがここにいて、嬉しい?」

「もちろん。ずっとこの部屋にいて欲しいって思ってる」

「そっか……ねえ」

「ん?」

「アタシが池っちを、もっともっと幸せにしてあげるからね」

「俺も……萩月さんを幸せにしたい……いや、幸せにしてみせるよ」

「あは……ありがと……」


 もぞもぞと布団を鼻までかぶると、萩月さんは今度こそ本格的に寝る体勢に入ったようだ。


 萩月さん。


 俺が、気づかないと思ったのかな。

 君が、何かを考えていて、何かをしようとしていることを。


 ……優しい君のことだから、多分俺のためにって色々と頑張ってくれてるのかもしれないな。


 だけど……俺の一番の幸せは、君が幸せでいることなんだ。


 だから。


 俺が絶対君のこと、護ってみせるから。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は明日の朝投稿予定!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] あぅあぅ(´;ω;`) ハートマークを崩したく無い!?ならその食べ掛けを私にくれ!!← シリアスとイチャイチャの波が私を襲う……(笑)
[一言] 真相求めての行動の合間合間に、アツアツの描写が入る。お互いこれだけ相手を好きなら、まあ色々頑張りますよねえ。 朝の更新、もうすぐ、かな。どんな話になるのか、期待して待っています。
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