ギャルと噂の真相②
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■萩月しゆの視点
「はあ……じゃあ言うよ。彼氏の名前は“黒川秀人”。うちの学校の三年で、須藤花凛の幼馴染らしいよ」
溜息を吐いた後、葵が池っちをこんな目に遭わせた奴の名前を口にした。
「“黒川秀人”……って、誰?」
「しーちゃん知らないの!?」
「マアマア、萩月ちゃんならそう言うと思ったよ。とりあえず、ここからはこの俺が引き継ぐよ」
そう言うと、後藤が待ってましたとばかりに前に出てきて、その男について話し始めた。
“黒川秀人”というのは、常に学年一位を取るほど成績優秀で、バスケ部の元キャプテン、しかもイケメンという完璧超人のことだ。
当然、この学校でも有名人で、かなりの女子がソイツに夢中だ。
で、ソイツと須藤花凛は子どもの頃からの幼馴染で、中学の時からは恋人同士になったらしい。
「……じゃあ、須藤花凛は池っちと二股掛けてた、ってこと?」
「マアマア、ここからもっと面白くなるから待ってよ」
で、高校に入ってからも二人は付き合ってはいるんだけど、お互いそのことを隠してたらしい。
その理由も下らないもので、変に誤解してる女子生徒達をガッカリさせたくないから、だって。バカじゃね?
「須藤花凛のほうは、よくそんなの怒らないね……」
「イヤイヤ、須藤花凛も同じ考えだったみたいだぜ? 高校に来てから、須藤花凛も学校で一、二を争う美少女って位置付けだし。ま、争ってんのは萩月ちゃんだけど」
「ウッサイし。アタシはそんなの興味ないし」
「ハハハ、確かに。おっと、話が逸れたな」
まあそれもあるけど、そもそも池田塔也と須藤花凛が付き合ってることも、学校のほぼ全員が知らなかったみたいだ。
というのも、池田塔也は須藤花凛にそもそも興味もないようで、須藤花凛と話しかける様子はないし、須藤花凛のほうも、基本的に誰とでもフレンドリーに喋るから、特に特別扱いしてるようには見えないし。
「でだ。池田塔也が公園で襲われたあの日なんだけど……何があったと思う?」
「? もったいぶってないで、サッサと話すし」
「何と、黒川秀人と須藤花凛がデートしてたんだよ!」
「「はあ!?」」
後藤から放たれた言葉に、アタシと葵は思わず驚きの声を上げる。
だって、その日は池っちと須藤花凛はデートの約束してて、公園で待ち合わせしてて……。
「そ、それ、ホントなの!?」
「ああ、ちゃんと写真を見せてツレ達に本人かどうか確認したし、何人かから同じ話聞いたから、間違いねーよ」
「だけど、アンタが聞いたその連中、もう一年以上も前のことなのによく覚えてたね……」
「何でも、そん時のその二人、結構目立ってて印象に残ってたらしいよ」
「目立ってた?」
アタシが聞き返すと、後藤がかいつまんで説明してくれた。
見かけた奴の証言だと、その二人、デート中なのに言い争いみたいなことをしてたらしい。
で、黒川秀人は不安そうな表情を浮かべてて、須藤花凛はニヤニヤしたり黒川を怒鳴ったりと、なかなか忙しそうだったとのこと。
さらに、『アイツがこの私を相手にしないからいけない』だの『アイツ、全然役に立たない』だの、そんなこと言ってたらしい。
それも黒川秀人じゃなく、須藤花凛が。
「……ま、葵の話と俺の調べた結果、両方合わせて考えたら、池田塔也は二人に嵌められたのは間違いねーな」
後藤のその言葉を聞いた瞬間、アタシの中で何かがキレたのが分かった。
「……許せない」
「し、しーちゃん……?」
「許せない! 許せない! 許せない! 絶対に……絶対に、アイツ等メチャクチャにしてやる!」
「しーちゃん!」
「萩月ちゃん落ち着きなって!」
今にも暴れ出しそうなアタシを、二人が必死に抑える。
だけど……だけど、こんなの許せるもんか!
池っちを騙して、心を踏みにじって、なのに自分達は何食わぬ顔で今も過ごしてて!
オマケに、気を失う程の強さで池っちを殴って! 一歩間違ったら、池っち死んでたかもしれないじゃん!
もし……もし、池っちが死んでたら……アタシ……アタシ……!
「しーちゃん……」
「……二人共、協力して。明日の放課後、アタシはその二人を呼び出して、直接話する。そこでアイツ等のやったこと、全部晒してやるんだから!」
「う、うん……さすがに、これは酷すぎる」
「俺も、これはチョット許せねーかな」
明日……池っちの無念をアタシが晴らす。
アイツ等! 絶対に! 一生苦しむくらい! 叩きのめしてやるんだから!
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次回は今日の夜投稿予定!
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