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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第一章 噂のアイツと神待ちギャル
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ギャルと仲間

ご覧いただき、ありがとうございます!

いよいよ今回の話から、主人公の噂の解決に向けて動き出します!

「あは……もう、昼休みも終わり、だし……」

「そう、だな……」


 結局、俺と萩月さんはずっと抱き合ったまま、昼休みを終えた。

 でも……俺は今日、また一つ萩月さんのおかげで救われた。


 この、世界一素敵な女の子のおかげで。


 もう、俺の瞳にも、そして心にも涙はない。

 あるのは、太陽より眩しい萩月さんだけ。


「さ、戻ろっか」

「ああ」


 俺と萩月さんは、もう普段の様子に戻っていて、急いで教室に向かった。


 ◇


 五時間目の授業が終わり、俺は軽く伸びをしていると。


「“池田塔也”、いる?」


 教室の入口で、険しい表情をした少し背の高い女子生徒が俺の名前を呼んだ。


 この女子は知っている。

 女子バレー部を全国大会へと導いたエース、“古賀(こが)(あおい)”。


 そんな彼女の呼び声に、クラスメイト達が反応して一斉に俺の席へと視線を向けた。


 絶対(ろく)なことにならない予感がしたので、できれば無視したかったが……ここまで注目を浴びてしまったら、もうどうしようもない、か……。


「……俺なんかに、一体何の用だ?」


 俺は彼女の元へ行き、用件を尋ねる。


「ちょっと、話があるんだけど。コッチよ」


 クイ、と顎で指図すると、彼女はスタスタと先に歩いて行く。


「お、おい!?」


 俺は彼女を慌てて呼び止める。

 というか、俺の意志は無視か!?


「早く。何してるの」


 こちらへ振り返り、呆れた表情でそんなことをのたまう彼女。


 はあ……やれやれ。


 俺は溜息を吐いてかぶりを振ると、仕方なく彼女の後を追いかけた。


 で、連れてこられた場所は、屋上につながる階段の踊り場。

 俺と萩月さんが昼ご飯を食べている場所、だ。


 そこには、ヘラヘラした茶髪……いや、金髪に近いな。そんなチャラそうな男子生徒が座っていた。


「あ、コイツは無視してくれていいから」

「いいのか!?」


 でも、話あるんじゃないのか!? 部外者がいてもいいの!?


「それで、早速だけど……アンタ、“しーちゃん”のこと、どう考えてるの?」

「“しーちゃん”?」


 “しーちゃん”って……誰だ?


「ハハハ! アレだよ、“萩月しゆの”ちゃんだよ」

「ウルサイ。“(れん)”は黙ってて」


 なぜかチャラい男子が説明すると、彼女がそれを窘めた。

 だけど、“しーちゃん”って、萩月さんのことか。

 愛称で呼んでいるということは、萩月さんと仲がいいのかな。


「それで、どう考えてるの?」

「どう、って言われても……」

「ハッキリしなさい! 私は、アンタが“噂”通りしーちゃんに酷いことしようと企んでるのかって聞いてるの!」


 質問の意図が分からず困惑している俺に、彼女はたたみかけるように俺に問い詰めた。

 というか、俺が萩月さんに酷いことを、だって?


「……萩月さんみたいな素敵な女の子にそんな真似する訳がないし、萩月さんが悲しむようなこと、できる訳がない」


 俺は彼女の瞳を見据え、キッパリと断言する。

 信じてもらえるとは思ってないが、それでも、俺は萩月さんが悲しむようなこと、絶対にしないし、絶対にさせたくない。


「フン、どうだか? 大体しーちゃんもしーちゃんで、こんな男に騙されるほどバカだなんて……」

「俺のことはどう言おうが構わないが、萩月さんの悪口を言うな!」


 俺は萩月さんを引き合いに出されたせいで頭がかあ、と熱くなり、逆に彼女に詰め寄った。


 すると。


「マアマア、二人共落ち着いて。つーかキミ、自分がバカにされても怒らないくせに、萩月ちゃんのことになるとブチギレるのな」


 ケラケラ笑いながら、チャラい男子が俺達の間に割って入った。

 そのおかげで冷静さが取り戻せたから、まあいいか。


「……フン、まあいいわ。とにかく、しーちゃんにちょっとでも変な真似したらただじゃ済まさないから、覚悟しておくのね」


 彼女は用件は終わりとばかりに、プイ、とそっぽを向いた。


「はは、悪いね」


 そして何故かチャラい男子が俺に謝って手をヒラヒラさせた。

 つまり、もう俺に用はないらしい。


「…………………………」


 俺は踵を返すと、無言のまま教室へと戻って行った。


 ◇


■萩月しゆの視点


 六時間目。


 アタシは授業をサボり、廊下の壁に腕組みしてもたれながら、二人(・・)が戻って来るのを待っていた。


 すると。


「しーちゃん!」


 “幼馴染”の葵が、廊下の端から全速力でダッシュしてきた。

 ていうか、廊下走るなし。


「しーちゃん! 待った?」

「そ、そんな待ってないし! 抱きつくなし!」


 そう、この葵はどういう訳か子どもの頃からアタシにべったりで、高校生になった今もこうやってまとわりついてくる。

 何というか……池っちとはまた違った懐きかたなんだよねー……。


「ハハハ! 相変わらず仲良いな!」

「ウッサイ! いいからアンタの彼女、いい加減回収しろし!」


 遅れてフラフラとやってきたこの男は“後藤(ごとう)(れん)”。

 一応、葵の彼氏だ。


 あの葵が男と付き合うだなんて想像もしなかったけど、意外とウマは合ってるみたいで、いつも文句言いながらも、なんだかんだ仲睦まじい。


「それよりしーちゃん! アイツに会ってきたけど……ホントに大丈夫なの? アイツに酷いことされたりしてない?」


 葵が心配そうにアタシを見る。


 ていうか。


「昼休みに池っちの姿をちゃんと見て、ちゃんと話聞いたじゃん! まだ分かんないの!?」

「そ、そうだけど……」


 アタシはいまだに池っちに疑いを持つ葵に詰め寄ると、葵はシュン、となった。


「ハハ。まあまあ、葵は萩月ちゃんが大好き過ぎて嫉妬してるだけだから許してよ。それより、俺もアイツに会ってみたけど、確かに噂のような奴じゃねーな」

「で、でしょ! 池っちはすごく優しいし! アタシのこと大事にしてくれるし!」


 アタシは後藤の言葉が嬉しくなって、つい興奮して池っちの素晴らしさを熱弁すると。


「……しーちゃんのバカ」

「ハハハ! なんだよ萩月ちゃん! 完全にアイツにベタ惚れじゃん!」

「ち、違うし! アタシは池っちの、そ、そう! 保護者みたいなモンだし!」


 口を尖らせながらジト目で見る葵とニヤニヤしながら見る後藤に、アタシは必死に反論した。


「ハイハイ、もうそれでいーや。それより、俺達はあの女……“須藤花凛”の裏を取ればいいんだろ?」

「そう。絶対アイツ、池っちを()めるために何かしたんだ!」


 アタシは昼休みの池っちを思い出し、拳を思いっ切り強く握り締めた。


「はあ……しーちゃんをたぶらかすあんな奴のために動くのはヤだけど、他ならぬしーちゃんの頼みだし……あうう……」

「あーもう! この件が終わったら、アンタにパフェ奢るから!」

「ホント! ホントだからね! ……よーし! こうなったらうちのバレー部総動員させて、速攻であの女の尻尾つかんでやるんだから! そして、しーちゃんと……ぐふふ」

「……後藤、あんな笑い方する彼女でホントにいいの?」

「ハハハ、カワイイじゃん」

「……アンタがいいならいいけど」

 

 ちょっと変態入った幼馴染だけど、全国大会に導いたバレー部のカリスマエースだから、この学校でもかなりの権力持ってるんだよね。

 しかも、今回はガチで気合い入ってるっぽいし、ホントにすぐ尻尾つかみそう。


「ま、俺もツレに当たってみるわ。少なくとも、アイツを後ろから殴った奴いるみたいだし」

「お願い」


 後藤も後藤で、この学校だけじゃなくて外にも顔がきいたりするから、ソッチ方面もすぐに見つかる筈。


 さあ……“須藤花凛”。


 アタシが絶対、池っちと同じ目に遭わせてやるし!


「あ、そうそう」


 アタシが気合いを入れてると、後藤が急に声を掛けてきた。


「アイツ……池田だっけ? 悪くねーじゃん。といっても、萩月ちゃんだけに懐く野良犬って感じだけど」

「っ! ウッサイし!」


 後藤が余計な一言だけ言い残して、葵と一緒にシレッと自分達の教室に戻って行った。


 だけど。


「い、池っちがアタシだけに懐くのなんか、当然だし……」


 アタシは後藤から聞いた池っちの評価が嬉しくて、どうしても口元が緩んでしまった。

お読みいただき、ありがとうございました!


今日は三話更新します!

次回は今日の昼投稿予定!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] なんかものすごいクソッタレな理由で主人公が嵌められた気がしてならん。 先読みなので黙るが、この予想は外れてほしい。 [一言] 読み返してみたが、なんか不自然なんだよな、この噂。 人の噂…
[気になる点] 彼氏がいないと、ただの視野の狭い変態娘にしか見えない不思議(笑) 若さ起因のものでしょうが、同時に大事な幼馴染を侮辱してるようにしか見えませんね。 読者側から見るとキャラとしては立って…
[一言] チャラ男は、単なるチャラ男ではなかった! 良いチャラ男だった!(笑) 古賀ちゃん、萩月さんがお願いしたら何日でも家に泊めそうw できない理由があったのかなぁ? 援交紛いの事をやりかねない状…
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