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ボッチな俺の理解者は、神待ちギャルのアイツだけ  作者: サンボン
第一章 噂のアイツと神待ちギャル
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ギャルの問い掛け

ご覧いただき、ありがとうございます!

「んふふー、池っちおはよ!」


 朝になり、俺は萩月さんに起こされて目が覚めた。


 いつもなら、時間になれば自然と目が覚めるのに、今日は起こされるまで起きなかったなんて。


 ……やっぱり昨日のが堪えたかな……。


 まあ、その代わり萩月さんの笑顔で起きられたんだから、プラマイゼロってところ……いや、むしろプラスしかないだろ。


「ホラホラ! 起きたんなら早く布団たたんで朝ご飯にしよーよ!」

「ああ」


 俺は布団をたたむと、萩月さんがテーブルを出して朝ご飯を並べてくれた。


 というか。


「萩月さん、結構早起きした?」

「ん? そんなことないし」

「そう……」


 それにしては、なかなか凝った朝ご飯だなあ。


 豚汁にハムエッグにドレッシングがたっぷりかかったサラダ、ほうれん草のお浸しとパプリカのマリネ。


「……これ、作るの大変だったんじゃ」

「あは、そうでもないし。ていうか、ハムエッグとサラダ以外、昨日のうちに仕込んであったし」

「へえ、そうなんだ」

「んふふー、すごいでしょ」


 嬉しそうに俺に同意を求める萩月さん。


「ああ。萩月さんは絶対……」


 俺は途中で言葉を止めてしまった。

 いや、だって、「絶対いい奥さんになれる」だなんて、そんなの恥ずかしくて言えない……。


「? 絶対、なに?」


 キョトンとしながら尋ねてくる萩月さん。

 俺は恥ずかしくて、そんな彼女の視線から必死で逃れる。


「このー! 言えし!」

「わ、ちょ! 萩月さん!?」


 萩月さんがニヤニヤしながら、俺の身体をつついてくる。


 くうう、嬉しいやら恥ずかしいやら……。


 ◇


 ——キーンコーン。


「池っちー! お昼行こー!」

「ああ、今行く」


 昼休み、今日も萩月さんが俺の教室まで迎えに来てくれた。


 俺はそんな萩月さんに手を振ると、急いで彼女の元へ向かう。


 もう、俺を見るクラスメイト達の蔑んだ視線も気にならない。

 だって、萩月さんのその綺麗な瞳が、俺を見てくれているから。


「さあ、行こう」

「あは! じゃあ今日はたまには場所を変えよっか!」

「あ、い、いや……」


 笑顔でそう提案する萩月さん。

 だけど、俺はその提案に言い淀んでしまう。


 だって、俺はいいが萩月さんがあんな視線にさらされることになってしまう。

 そんなのは、この俺が耐えられない。


「もー! 今日はこんなに天気いいんだから、外に出なきゃもったいないし!」


 そう言って、萩月さんは俺の腕を引っ張って外へ連れ出そうとする。

 いや、その、胸に当たってるから!?


 俺が顔を真っ赤にしてしどろもどろにしていると、萩月さんは俺の顔をジッと覗き込んで。


「池っちが首を縦に振らないと、ずっと腕にしがみついたままだかんね」


 うう……仕方ない。


 俺は渋々受け入れると、萩月さんはしてやったりとばかりにニシシ、と笑った。

 くそう、俺は絶対に萩月さんに勝てないようになっているらしい。


 とはいえ。


「ほら、ここなら池っちも文句ないし?」

「そうだな……」


 萩月さんが連れてきた場所は体育館の裏だった。

 ここなら他の生徒もいないし、日光も浴びれるしで、いいかもしれない。


「んふふー、じゃあコッチにシート敷くから手伝ってよ」

「ああ」


 俺はシートの端を持って萩月さんとシートを広げる。

 そして靴を脱いでシートに上がり、俺と萩月さんは並んで座った。


 さてさて、今日の弁当の中身は……。


「あは、今日は昨日のすき焼きの残り。もったいないんだから、それくらい我慢してよね」

「いやいや、我慢どころか、今日もすき焼き食べられてかなり嬉しいんだが」

「もー……池っちはすぐシレっとそういうこと言うし」


 そう言うと、萩月さんは少し顔を赤くして顔を背けてしまった。

 気を悪くしてしまっただろうか……。


「ま、まあいっか。それより早く食べよ!」

「あ、ああ」

「「いただきます!」」


 俺は待ちきれないとばかりにすき焼きを口の中に放り込むと……あ、昨日とちょっと味付けが違う?


「萩月さん、これ……」

「んふふー、気づいた? アクセントつけるために山椒足してあるんだけど」


 萩月さんは誇らしげに俺を見た。

 はは、何だか褒めて褒めてって懐いている子犬みたいだ。


「ああ、ご飯が進んで最高に美味い」

「あは! でしょ?」


 ウーン、本当に萩月さんはすごいなあ。


 俺は夢中になって弁当を口の中に掻き込み、あっという間に平らげてしまった。


「はあ……ごちそうさまでした」

「あは、お粗末様でした」


 弁当の蓋を閉じ、袋の中にしまう。


 すると。


「ねえ……池っち」

「? どうしたの?」


 神妙な面持ちで声を掛ける萩月さんに、俺は返事をする。

 何か……あるのかな……。


「池っちはアタシのこと、信頼してくれてるんだよね?」

「ああ、もちろん」


 おずおずと尋ねる萩月さんに、俺は力強く頷いた。

 そもそも、俺がこの世界で信頼できる人は、萩月さんだけだ。


「あは、アタシも池っちのこと、すごく信頼してるし……それで、さ」


 すると今度は、彼女は俺の瞳を真っ直ぐに見つめ、そして。


「あの“噂”……」

「っ!?」

「あの“噂”のこと、詳しく教えてよ」


 萩月さんの言葉に、俺は胸に苦しさを覚えた。

お読みいただき、ありがとうございました!


次回は今日の夜投稿予定!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、ブクマ、評価、感想をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 彼女の方から一歩踏み込んできましたね。 噂の全容もまだ明らかになっていませんが。さて、真実はどうだったんでしょうね。 彼は恐れずに真実を話せるかな。
[良い点] おぉ、萩月さんが踏み込みましたねー! 池っちは話せるのかな?? どんな噂なんだろう……。 [気になる点] すき焼きに山椒!? 試した事ないので今度やってみますー。気になる!
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