アイアンボス
【パリピは失せろ!働く男の為に生まれた、限りなく栄養ドリンクに寄せている硬派な1本!】
今回はサントリーのエナジードリンク、「アイアンボス」をご紹介します。
レッドブル、モンスターエナジーと紹介して、第3弾にどのドリンクを指名するか迷ったのですが、スタートダッシュに成功した「ZONE」シリーズを始めとして、日本の大手メーカーの中で国産エナジードリンクによる覇権の野望をまだ捨てていない(笑)、サントリーをプッシュしておくべきだと感じました。
アイアンボスは、同社のソフトドリンクの看板ブランドである、缶コーヒーの「BOSS」のスピンオフ的な存在です。
イメージキャラクターのトミー・リー・ジョーンズ(2006〜現在)共々、缶コーヒーに定着した「ストレス社会で働く男性が主役」という物語を強く印象付けるコンセプトが採用されており、内容量250ml、定価150円(税抜き)という価格設定も、働く男性に毎日飲んで貰いたいという戦略が窺えますよね。
ちなみに、缶コーヒーのBOSSの初代イメージキャラクターは矢沢永吉(1992〜1997)で、あの特徴的なパイプをくわえたキャラクターのイラストも、彼がモデルだと勘繰ってしまいます(笑)。
BOSSシリーズは、一貫して働く男性をターゲットに設定していたので、当時の風潮であった「甘さ控え目な本格派」路線ではなく、結果として働く世代の疲れを癒す為の「甘さとミルク感」を重視する歴史が刻まれていきました。
私なんぞは、そこが理由でBOSSの缶コーヒーを飲まないんですけどね(笑)。
【テイスト】
アイアンボスのテイストを一言で表現するならば、「レッドブルの強化版」という言葉がぴったりハマると思います。
「強化版」と表現した理由は、アイアンボスに配合されているエナジー成分による所が大きいのですが、そのテイスト自体がレッドブルに近く、最初の一口目を飲んだ瞬間は、若干炭酸を強めたレッドブルという印象の、無難に愛されるテイストだと感じました。
しかし、ここで味覚に変化が。
レッドブルにそっくりの甘さが押し寄せた後、やって来るのは酸味ではなく僅かな苦味。
レッドブルに比べて、ビタミンB群を始めとするエナジー成分がかなり多く配合されている為、常識的な糖質量では苦味をフォロー出来なかったのです。
とは言うものの、私なんぞはこの苦味も許容範囲内で、むしろ効能がありそうなプラスイメージを持っていますけどね。
このアイアンボスは、勿論エナジードリンクではありますが、そのテイストとエナジー成分から、むしろ医薬品としての「栄養ドリンク」に近い存在である事を理解する必要があります。
【効能】
アイアンボスのカフェイン量は、1本250mlあたり75㎎。
これは同サイズのレッドブルとほぼ同じ量で、モンスターエナジー等と比較しても、決して覚醒やリフレッシュに重点を置いている訳では無いと考えられますね。
アイアンボスの特徴は、何と言ってもビタミンB群とアルギニンの含有量にあります。
まずはその缶のデザインからも確認出来る、鮮やか過ぎる黄色。
人工の着色料を使わずにこれ程の鮮やかな黄色が出せるという事は、天然で鮮やかな黄色を発色するビタミンB2が大量に含まれている事を示している事になりますね。
アイアンボスには、一般的なエナジードリンクには余り含まれていないビタミンB1が2.6㎎含まれており、エナジードリンクの定番エナジー成分であるビタミンB2とB6はそれぞれ7.8㎎、9㎎も含まれています。
医薬品の栄養ドリンクである「リポビタンD」1本に含まれているビタミンB1、B2、B6の量がそれぞれ5㎎ですから、これはもうエナジードリンクの範疇を超えて、栄養ドリンクに近いエナジー成分であると言えますよね。
また、アイアンボスにはアルギニンも1本あたり1000㎎含まれていて、この値はレッドブルの約4倍です。
ビタミンB群もアルギニンも、食物の代謝を高めたり、コラーゲンを生成して外傷の治癒を早めたりと、栄養と身体の機能を高めてスタミナと回復に関与するエナジー成分である為、このアイアンボスが、働く男の体力面をフォローする目的で開発されたであろう事は明白。
これらの成分とは別に、ストレスを軽減する働きがあると言われているアミノ酸の一種である「GABA」も配合されてはいますが、リラックス成分とカフェインとの相性が良いはずが無く、こちらは気休め程度に考える必要がありそうですね。
これ程大量のビタミンB群が配合されているならば、モンスターエナジーの様に、糖類以外の人工甘味料も駆使して苦味を緩和する選択肢もあったとは思います。
しかしながら、身体に良くない成分は極力排し、敢えて苦味を残してまでもエナジー成分の配合量にこだわったアイアンボスは、エナジードリンクをリフレッシュやテンションの上昇などのファッション感覚では使用させない、硬派なコンセプトに裏打ちされたエナジードリンクと言えるでしょう!
アイアンボスを最大限に活用するには、空腹時に飲んでしまうのは勿体無いですね。
食後に飲む事でそれなりの糖質が頭と身体に押し寄せる事は確かですが、これだけ大量のビタミンB群が含まれていれば、眠気に襲われても糖質の代謝スピードがビタミンB1によって加速されるので、食後に飲んでも大丈夫です。
むしろ食事のエネルギーを無駄無く仕事のスタミナに転嫁出来ますね!
サントリーさんは今すぐアイアンボスを185mlサイズに縮小して、缶コーヒーと同じ130円にまで値下げして効能のプロモーションを行えば、国産エナジードリンクとしての覇権が獲れるかも知れませんよ!
……レッドブルやモンスターエナジーの方が美味しいという現実は、なかなか覆せませんけどね……(笑)。