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レッドブル


 【パイオニアにして完成形?巧みな戦略に裏付けされたバランス】


 現行エナジードリンクレビューを始めるとあれば、まずは業界の2大巨頭から始めなければいけないでしょう。


 「レッドブル」と「モンスターエナジー」です!


 日本に於けるエナジードリンク元年は、レッドブルが日本に上陸した2005年ですが、普段から新しいドリンクに目の無い私も、内容量の割に高価だったレッドブルに手を出す事はありませんでした。


 私がエナジードリンクを初めて口にしたのは、2012年に日本に上陸したモンスターエナジーで、同じ200円でレッドブルの倍近い内容量に、「これなら飲んでみたい!」と思った事がきっかけでしたね。


 モンスターエナジーからエナジードリンクの世界に魅せられた私は、遅まきながら2012年にレッドブルを飲んでみたのですが、当時の正直な印象は「……あれ?こんなもんか?」というものでした。


 そもそも、エナジードリンクの中でもモンスターエナジーはトップクラスのインパクトを持つテイストで(笑)、よりオーソドックスなテイストで内容量も少ないレッドブルに、当時の私が満足出来なかった事にも、今では頷けますね。


 

 【テイスト】


 レッドブルの味について、当時の私は「子どもの頃に駄菓子屋さんで買った、粉末ソーダを水に溶かして飲んだ味」だと感じていました。

 良くも悪くも洗練されていない味わいで、まず飲み始めにクセになる甘味が押し寄せ、後味には適度な酸味が広がって行く印象です。


 そして、ここがレッドブルのポイントなのですが、一口飲めばクセになる甘味を知ると、後味が酸味に占領される前にもう一口飲みたくなるんですよね。

 ちびちびと時間を掛けて飲む事を許さない味なんですよ。


 レッドブルがこのテイストを採用している背景には、コストカットを計算に入れた、レッドブル社独自開発の、薄いアルミ缶の存在があります。

 日本の飲料と比較すると、傷や凹みの割合が高く、コレクションしたくても、なかなか綺麗な缶が見付かりません(笑)。


 この薄いアルミ缶は、冷蔵庫での冷却に極めて効果的で、文字通り短時間で「キリッと冷やす」事が出来ますが、その反面、常温下で冷たさを保つ事は出来ません。

 温くなって味わいが衰える前に、飲み切らせるテイストが必要な訳ですね。


 レッドブルは他のエナジードリンクと比較すると炭酸が弱めで、所謂「微炭酸飲料」という位置付けです。

 加えて、エナジードリンクの大容量化が進む現代の潮流にあっても、世界的に185ml、250mlサイズを主力商品として売り込んでいます。


 これはそのテイスト、薄いアルミ缶の採用とともに、ユーザーの飲むスピードを上げさせる事に一役買っていますね。


 レッドブルはアメリカ発のモンスターエナジーや、フィンランド発の「バッテリー」等とは違い、販売する国ごとに生産を委託せず、全て本国のオーストリアか、隣国スイスで生産されているのです。

 これは会社の利益を上げる為に、コストカットした薄いアルミ缶を一貫して使用する為の戦略ですよ。


 これは見事な企業戦略で、現在は世界中にサッカークラブを所有する一大企業のイメージを持つレッドブルも、初期はレースチームのイメージ戦略を活発に行っていました。

 レースの合間にエナジードリンクを素早く摂取し、次なる戦いに備えるというイメージを植え付ける為です。


 生産国ごとにテイストや缶のデザインにも工夫を凝らし、内容量でもコスト面にハンデを抱える2番手のモンスターエナジー社とは、利益の桁が違うと言って良いでしょう。


 因みに、レッドブルは日本の大正製薬の栄養ドリンク「リポビタンD」にインスパイアされた、タイの「グラティン・デーン」をベースに開発されていますが、現在のテイストと成分、微炭酸採用に関しては、日本に於けるエナジードリンクの直近ルーツ系飲料である、大塚製薬の「MATCH」からも多大な影響を受けている様な気もしますね。



 【効能】


 さて、これだけコストカット云々と言った印象を与えてしまうと、レッドブルにアンチ勢力を生んでしまいそうですが(笑)、そこはエナジードリンクのパイオニア、しっかりと用途に活用出来ます。


 レッドブルに含まれているエナジー成分は、カフェイン、ビタミンB群、アミノ酸と、至って標準的です。

 まあ、パイオニアですから当然ですよね。他商品がレッドブルを真似たんですから。


 成分の含有量を詳しく分析してみると、ナイアシンとパントテン酸の割合が高く、レッドブルが糖質や脂質を始めとした、食物の代謝に重点を置いている事が窺えます。

 これは則ち、販売戦略から考えても、レッドブルを食後に飲む事を前提として、糖質を過剰に摂取しない様な小さいサイズを奨励しているとも考えられますよね?


 それを裏付ける証拠として、レッドブルは185mlサイズと250mlサイズのカフェイン量の合計が、ほぼ同じ値に設定してあります。

 

 185mlサイズは、100mlあたりのカフェイン量は43.2㎎。

 250mlサイズ以上は、100mlあたりのカフェイン量は32㎎。

 サイズによってカフェイン量が違う!


 あくまでもエナジードリンクとしての効能を求めるユーザーには、糖質を控えて最大限の効果が期待出来る185mlサイズを推奨し、純粋に炭酸飲料としての味を楽しみたいユーザーには、唯一薄いアルミ缶ではない厚手のボトル缶を採用し、常温でも温くなりにくい330mlサイズを推奨しているという訳なのですね。

 

 レッドブルの効能を最大限引き出すには、


 ①食後に糖質を含まないシュガーフリータイプを飲む


 ②満腹状態を通過した食間、空腹時に、ノーマルタイプを飲む


 この2通りの使用法がおすすめです。


 特に空腹時、或いは起床後の目覚まし代わりに飲むノーマルタイプの185mlレッドブルは、そのテイストを尊重して素早く摂取すると、普段意識する事の無かったレッドブルの真の実力を知る事が出来ますよ!

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日本の「リポビタンD」→タイの「グラティン・デーン」→レッドブル。 という流れがあったんですね。 いやぁ~、初めて知りました。 185mlサイズと250mlサイズのカフェイン量の合計が、ほ…
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