エナジー成分、ちゃんと知ってる? (後編)
今回はエナジー成分解説の後編です。
まずはエナジードリンクにとって、カフェインの次に重要な成分と言ってもいい、ビタミンB群のご紹介ですね!
ビタミンB群は、一般的に知られているビタミンB1、B2、B6、B12の他に、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸など、栄養補助食品やスポーツドリンクでもよく見かける名前が揃っています。
ビタミンB群は一般的に、エネルギー代謝に力を発揮するエナジー成分で、B群同士は勿論、先述のアミノ酸らとタッグを組んで活躍します。
従って、ビタミンBが1種類だけだったり、アミノ酸しか含まれていないドリンクはエナジードリンクとは呼べません!(←力説)
ビタミンB1……糖質をエネルギーに変える、アルコールを代謝する、ブドウ糖と組んで脳の働きに関与する、神経の働きを安定させる。
ビタミンB2……脂質をエネルギーに変える、脂質の酸化を防ぐ(抗酸化作用)、脳と肝臓の働きに関与する、皮膚や粘膜の成長を促進する。
ビタミンB6……たんぱく質や血液の生成に関与する、ビタミンB2と組んで脂質の抗酸化に作用する、脳の働きや抗アレルギー作用に関与する。
ビタミンB12……神経を守る、ヘモグロビンや赤血球をサポートして造血に関与する、脂質の抗酸化。
ナイアシン……糖質・脂質の分解、皮膚や粘膜の炎症を防ぐ。
パントテン酸……食物の代謝全体に関与する、神経や副腎皮質を守る、皮膚や毛根(!)に栄養を与える。
ビオチン……皮膚の健康を保つ、筋肉痛を緩和する、白髪・薄毛(!)を予防する。
……如何でしたか?
一部の男性には(!)とアピールしたのではないでしょうか(笑)。
この様に、ビタミンB群は人間の活動には不可欠な栄養素で、動物性の食物には豊富に含まれているものです。
しかしながら、もし暴飲暴食をしたら?
もしアルコールを摂り過ぎたら?
うつ気味で神経が不安定になったら?
こういったケースにより、代謝や体機能に使われるビタミンB群は酷使されているので、現代人に不足しているのですね。
もっとも、エナジードリンクや即席麺等に添付されるビタミンB群は、それ自体糖質や脂質が多めの飲料や食物の代謝を助ける……という事が目的になってしまっている感もあります。
……ただ、これがゼロカロリー・ノンシュガー飲料だとどうなるか……?
頭の使い所ですよね(笑)。
この件は、また後でご説明します。
エナジードリンクでは、ビタミンB群以外のビタミンとしてビタミンCが配合される場合もあります。
皆様ご存知、効能は免疫力アップや抗酸化作用、美白効果や粘膜細胞の強化などで、取りあえず「風邪と美容にはビタミンC!」と認識されておられるのではないでしょうか?
とは言うものの、実はこのビタミンC、カフェインと相性が悪く、カフェインの多いエナジードリンクでは余り効果は期待出来ないんですよね。
では、何故ビタミンCがエナジードリンクに配合されるケースがあるのか?
これは則ち、極めて強い抗酸化作用を持つビタミンCを、「身体に害の少ない酸化防止剤、害の少ない保存料」として利用しているのです。
また、元来とても直接味わえない程の酸味を持つビタミンCを、カフェインやビタミンB群の苦味を緩和する目的で投入し過ぎてしまった「糖類や甘味料」のトゲを無くす為の、「酸味料」としても利用していると言えそうですね。
エナジードリンク、物凄く奥が深いですよね?
エナジー成分強さのインフレ・ドラゴ〇ボールの世界やぁ〜!(←彦麿呂風)
続いてのエナジー成分は、生薬成分!
エナジードリンクの生薬成分で一番有名なのは、何と言っても「モンスターエナジー」の原材料に於いて、糖類に次いで表記されている「高麗人参エキス」。
滋養強壮や肩こり、冷え症など、まるで万能薬の如き宣伝がなされている生薬成分ですが、効能が科学的に証明されている訳では無く、ぶっちゃけ「中国4000年の歴史が効くと言っている」に過ぎません。
とは言え、個人的にも生薬成分を活かした漢方の風邪薬や胃薬が効くという実感はありますし、何よりその神秘的な薬膳フレーバーはエナジードリンクの醍醐味のひとつ。
これは「小説家になろう」サイトのユーザーにとって、中国4000円のパチもん携帯ゲーム機と同じくらいありがたいものなのかも知れませんね(笑)。
現在、高麗人参エキス以外の生薬成分を配合したエナジードリンクは、有名どころでは「リアルゴールド・ドラゴンブースト」くらいしかありませんが、かつては討ち死にしたサムライ……いや、幻の名作「サムライド」や、「ユンケルスパークリング」など、多彩な生薬成分を売りにしたエナジードリンクもあったんですよね……諸行無常。
それでは、最後に出てくるエナジー成分……それは糖類です!
……え?それエナジー成分ちゃうやん?
いや、糖類はある意味最強のエナジー成分です。
人体最強の掟、「脳はブドウ糖しか食べない」を脳裏に刻み付けなくてはいけません!
人間が行動するのに一番重要な役目を負っているのは、脳と心臓です。
心臓が止まれば人間は死にますが、脳が働かなければ身体を動かす指令も出せないのです。
より具体的な例を挙げると、カフェインで全身が覚醒していても、脳が覚醒していなければ仕事や創作活動でベストなパフォーマンスは引き出せないのです。
この認識は重要ですね!
糖類には、ブドウ糖そのものでは無くとも、精製された砂糖、一般的な糖質にもブドウ糖の成分は含まれており、脳に栄養を与える事は出来ます。
それでも最近は、集中力や閃きにフォーカスしたエナジードリンクが発売され、ブドウ糖の含有量が増えています。
とりわけeーsportsとのタイアップが目立ちますね。
先述の通り、エナジードリンクに含まれているエナジー成分は、元来強烈な苦味や酸味を伴っている為、糖類や甘味料を多く添加しなければ「美味しいと感じる」テイストにはなりません。
エナジードリンクでシャキッとしたい、でも糖分を摂り過ぎて太りたくない。
だから、ゼロカロリー・ノンシュガーのエナジードリンクを飲んだ……。
しかしその時、あなたの脳は目覚めているのかという問題が立ちはだかるのです。
結果として、仕事の能率や創作活動の閃きが必要な時、脳にブドウ糖を送らなければその飲料に意味はありません。
しかしながら一方で、食後の瞬間など、既に食事の糖質(米、パン、麺など)からブドウ糖が脳に送られていれば、過剰な糖質を摂取しない様にゼロカロリー・ノンシュガーのエナジードリンクで、カフェインと各種エナジー成分を摂取する事が、あなたにとって最強の武器となる事でしょう!
そのゼロカロリー・ノンシュガー飲料に使用されている甘味料は、言わば100%化学物質の人工甘味料です。
甘さがあっても糖質・カロリーが無いのですから、当然天然のものでは無く、ゼロカロリーの人工甘味料は、単体では脳に作用しませんよ。
ゼロカロリー・ノンシュガー飲料は時折摂取する程度では人体に害を及ぼす事はありませんが、人工甘味料を毎日大量に摂取する事で、発ガン性や内臓疾患が懸念されているのは事実です。
最大の問題は、人工甘味料は糖類と違って人体の栄養に使われる事が無く、汗や便で排出される事もありません。
人工の成分の残骸が内臓に、とりわけ肝臓に蓄積されるのですよ。
一般的な利用レベルでは人体に影響は無いと言われているものの、何事もやり過ぎてしまう人は存在するものです。
こんなエッセイを書いている私ですが、エナジードリンクは1日おきくらいのペースでしか飲みませんし、当然ですが1日に1本しか飲みません(笑)。
皆様も気を付けましょう!
万が一、健康診断で肝機能に異常が見られた場合はエナジードリンクに限らず、ゼロカロリー・ノンシュガー飲料を出来るだけ控えて下さいね!
……さて、長らくお勉強に付き合っていただきまして、誠にありがとうございました!
これでエナジードリンクに関する学習は終了し、次回はいよいよ学習の総まとめとして、「エナジードリンク大学入学試験」を行います(笑)。
今までのお勉強をおさらいし、入学試験で高得点を獲得して、気持ち良く現行エナジードリンクのレビューを楽しみながら、あなたのスペシャルな1本を見付けて下さいね!