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2 神「転生しようぜ!お前吸血鬼な!」僕「えぇ…」


「ここは…?」


目が覚めると、白い石で出来た神殿の中にいた。

多分…石だと思う。


「ここはな、わしの職場じゃ」


「!」


聞き覚えのある声。

いや、さっきまで聞いていた声だ。時間の感覚が狂っているから「さっき」かはわからないが。


そいつは、僕の前にある大きな椅子に腰かけていた。

さっきとは変わってどこか神々しいオーラ。服は相変わらず布一枚の変な格好だけど。


「そう睨むな。お前はさっきわしの力を目にしたろう?」


そうだ。一瞬で僕もハルも殺された。…なぜまだ自分は思考出来てるかは不明だけど。


まあ…バカらしいとは思うけど、多分こいつ人間じゃない。もっと上位の生命体、そう所謂神みたいな存在だ。でなきゃ説明がつかない。


仮に僕が生き返ったとして…ここはどこだ?こいつは何で僕らを殺した?そして、ハルは何故ここにいない?ハルだけそのまま殺された?


「ああ、それなら大丈夫じゃ。あいつとはもう話を付けた。」


…!脳内を読まれた…!?


「まあ、神じゃし」


「…自称ですか?」


「フフフ、おかしな。お前もわしの存在を神と称しておったろ」


「…まあいいです。そんな事よりあなたには聞きたい事がたくさんある。」


「急ぐな急ぐな。そう焦らんでもすぐに説明してやろう。」


「…」


「まず、お前には別の世界で暮らしてもらう。」


「!」


「もうすでにハルとか言うのには転生して貰った」


「転生…?」


「そう、わしはお前らの他にも面白そうな者達には転生してもらっとる。ま、転生は強制だけどな」


「それで僕らを殺したってわけですか」


「そうじゃ。手荒で悪かったのう」


ちっとも反省している様子はない。


「それで…転生して何をしたらいいんでしょうか?」


「フフフ…話が早くて助かるのう。お前らに転生してもらうのは、目的がある。」


どうせ、未練も何もない。

この状況は確かに異常だが、大丈夫、僕ならなんとかなる。


「…が、ここでは説明しない。」


「?どういうことですか」


「お前にスキルを授けよう、こちらとの連絡用のスキルじゃ。記憶は引き継がせるから、これで時々命令を下す。あとは自由に暮らしてもらって大丈夫じゃ。」

「あとは…」


「ちょっと待ってください。スキルというのは…?」


「ああ、そうだった。地球は無魔力次元の惑星じゃったな。」

「説明すると長いから…わしのスキルを使わせてもらうぞ」

『ギブメモリー』


!?

これは…!?

流れ込んでくる…何かが…


「理解したじゃろう?これは自分の記憶を相手に見せる事が出来るスキルでな。」


なるほど…そういうことか。今から行く世界の基本的な情報は手に入った。

…ありえない話だけど、直接記憶を捻じ込まれたので信じるほかない。


これ…ゲームの世界にそっくりだ。

スキル、魔法、モンスター…まるで参考にされたみたいに、地球のゲーム、漫画にそっくり。


「驚いたかの?フフフ…最初はこっちが驚いたもんじゃ、まさかまったく関連のない惑星に同じような生命体が生まれ、そいつらがわしらの世界に酷似している読み物を書くとはな…今は動く絵で遊ばれてるようじゃが」


「…」


「おっと、話がずれたの。まあ、そういう事で向こうの世界の情報は渡したので、転生の準備に取り掛かろう…」


「準備…?とは?」


「基本ステータスを設定するんじゃよ。本来はランダムで決まるが、流石にころっと死なれたら困るんでな、少しだけサービスしてやろう。」

「とはいえ…最初から最強ステータス…というのはダメだ!それだと世界の均衡を乱す」

「先ほど『ギブメモリー』でステータスプレートについては理解しただろう、表示させてみろ」


「…」

頭の中で(ステータスオープン)と念じた。

すると先ほど受け取った記憶通り、目のまえに薄いガラス板が出てきた。


「これが…今の僕のステータス…?」


ステータスとはその生命体の基本能力を数値化したものや能力を記したものらしく、いくつかの項目に分かれて表記してある。

その画面が出てきんだけど…



名前 

性別 

レベル

種族 

職業

HP  /

MP  /

攻撃力/魔法力  /

防御力/魔防力  /

速度  


スキル

魔法


おかしい…空白だ


「そりゃそうじゃ。お前は今産まれてもない状態じゃからな。だから設定するといったじゃろ」


「どうやって決めるんですか…?期待してないですけど数値を入力できるとか?」


「それはない。世界均等が乱れるからの。」


「それじゃ、どうやって。」


「そうそう…そうじゃ。お前にやってもらうのは、クジ引きじゃ。」


「クジ引き…?スキルとかなら分かりますけど、HPとかはクジ引きで決められるんですか?」


「さっき記憶を渡したじゃろ。ステータスはレベルをあげる事で成長するが、その成長の仕方はパターン化していると。今から決めるのは成長の型、種族、そしてユニークスキル(誰もが一つ持っているレア度 ユニークのスキル)を決める。早速だが、やってみようか?フフフ…」


目の前に横長の大きなテーブルが出現し、その上にはくじ引きの箱が置いてあった。


「本当になんでもできるんですね…」


「神、じゃからな。ほれ、右から成長の型、種族、ユニークスキルの箱じゃ。早く引け…ってもう引いとるし」


僕は言われる前に、成長の型の箱に手を入れた。

そして、二つに折り曲げられた紙を一枚抜き取った後、それを開いた。


『オールラウンダー型』


…こ、れは…


「あ~…まあ、ある意味強い、ある意味弱い型じゃの。」


そう…オールラウンダーという響きだけで見ると全てにおいて隙がないように聞こえるが、逆に言うと全て中途半端になる可能性がある。すなわち器用貧乏だ。何か一つ特化したものが無いので…


しかし、やはり全て能力が均等に成長する型は安定している。総合的には良くも悪くもないという型。


「まあ、ハズレではない。むしろ当たりの類いじゃろ。次、引いてみろ」


種族…元人間である身としては、人間を引きたい所。

だけど、人間以外の種族も存在しているらしく…


箱から一枚紙をとり、開いた。


『吸血鬼/純血』


「おお、中々いいじゃないか。しかし成体するまでに生き延びられる個体は10%。フフフ…面白い」


まあ、人型なだけ良しとしよう。


最後、スキルだ。

情報を与えられたとは言え、基本的なものだけ。スキルがいくつあるか、どんなものがあるかは教えられていない。


紙を一枚、開いた。




『鑑定』




「なんじゃ、お前はクジ運が強いな!かなり良いぞ!」

「…まぁ使いこなせるまではゴミじゃがな」


ふむ…

まあ転生をしたら色々実験をしてみよう。


「よし、じゃあこれらを元にステータスを更新じゃ、それ貸してみい、そのプレート」


ステータスプレートは所持者が許可すれば他人に貸す事ができるらしい。僕はそのプレートを貸した。


「これをこうして…『管理者権限』を…よし出来た。見てみい、それがお前の新しい肉体じゃ。」



返されたステータスプレートには、先程の空白は文字や数字で埋められていた。


名前 ユウキ アオヤマ

性別 女

レベル 1

種族 吸血鬼

職業 

HP 12/12

MP 13/13

攻撃力/魔法力 23/23

防御力/魔防力 24/24

速度 20


スキル [ユニーク]鑑定

魔法 


職業か空白なのは…無職って事だ。さっきねじ込まれた知識だ。



「それにしてもお前、女とは驚いた。よく見ればそう見える気もするな」


「どうでもいいですよ、僕の性別なんか。それで、他に何かする事は…?」


「いや、もう終わりじゃ。いよいよ転生の時じゃ。今の体にお別れはすんだかのう?すんでなくても転生してもらうが。」


「いいですよ、準備オッケーです」


「それでは行くぞ。…新しい生に幸あれ」


ーーーこれは!

足元に魔方陣のようなものが青白く浮かび上がる。すると僕の体は光で包み込まれーーーーー


ーーーーー次の瞬間、また意識を失った。












「それにしても…吸血鬼、か…ぴったりだな…」



(ちなみにステータス見てん?てなった人もいると思います。そうです若干魔力系に特化してるステータスになってます。これはなんでかというと、成長の仕方が型なだけで、種族事に特化してる奴はあるって事です。そういう設定はまるまるまとめて0話として纏めますのでそちらをご覧ください。あまり作中で詳しい事は説明したくないので。)

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