とってもサンタクロース。
私はサンタ。白髭、赤服のサンタクロースだ。
三十二歳、独身だ。
クリスマスの夜に、電気が消えた子供部屋に侵入して、プレゼントを壁の靴下にぶち込むのが仕事だ。
ちょうど今十二時四十分だし、ちょうど目の前で、電気が消えた子供部屋の窓が開いてるので、入ってみた。
私はサンタだから、子供部屋がどこか分かるのだ。
あと、子供の匂いも分かる。サンタレベルが高い、私ならではのスキルである。
たまにキモイとか言われるが、そういうのはやめてほしい。傷付く。
クマやら、カピバラやらのぬいぐるみがあちらこちらに置かれた、メルヘンチックな部屋だ。
隅のベッドには、女の子が寝ていた。
女の子の頭に手を添える。私はこれで、欲しいものを知ることができるのだ。
見たところ、女の子は小学五年生くらいで、寝顔が物凄く可愛い。可愛いなあ、もう。
頬を触ると気持ち良かった。ヤバいヤバい、ハンパない。
「サンタァアアアアアアア!」
うおお!
「サンタァアアアアアアアアアアアアア!」
うおおおおおお!
「来てくれないかなあ……すぅすぅ」
よく見ると、目は閉じたままだった。寝言かよ!
……しかし、今ので寝ていることはよく分かった。
今のウチに、さっさと脳内を覗き見ることにした。
きらりらりーん☆(頭を覗いている間は、この効果音が鳴り響くのだ)
女の子が欲しいものは、チワワだった。
よし。靴下にプレゼントを……。
あ! 靴下ドコにも無いじゃん!
……仕方ない。
私は靴下を脱いだ。
そして袋からファブリーズを出して、靴下に吹きかけた。よし!
袋から、チワワを出した。
「うわ! なんやねん! どこやねん、ココ!」
チワワを靴下に挿入した。
「がはっ。がはっ。くっさ! くっさあ!」
さよなら女の子。メリークリスマス!
「ちょっ、待てやオイ! くっさあ!」