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ラァールクロウス  作者: 八朔日 暦
第一章 記憶喪失
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第一章4 本能のままに

第1章 記憶喪失


 「うっあぁ」

情けない声が自室に響く。私は何か悪い事をしてしまったの・・・?どうしようと今かなり焦っている!

トュリだけは怒らせたくなかった。検査、自己紹介、探索を終えた後の謎の疲労と、トュリを怒らせてしまったという絶望感。更に暇になったという退屈感。最初は何か気軽でいいなぁと思ったけれど案外そうでもない。フレンドリーに話すことが出来て、過ごせる人がいないのだろうか。唯一自分の部屋だけ落ち着く。そんな時だった。コンコンと扉を誰かが小さくノックした。


「ステラちゃん何か声聞こえたけど大丈夫?」「え゛っッ」あんな声聞こえたの!?シャルトさん耳良すぎないか。

「え、あ・・・います!どうぞ。」

ゆっくりと扉が開いた。うわぁあんな情けない声聞かれるとか死にたい。

「どうしたの?元気ないようね」「えっ・・・」「何か会ったの?」「え、まぁ・・」顔に出ていたのかな?シャルトさんは隣座るねと言い私の隣に座った。話してみてといわれたので私はシャルトさんに今まであった出来事を話した。

 「ほうほう、それ怒ってないよ。あの地下にいた子見たんだな。研究所の秘密だからあまり言えないけれど、あの子はトュリの大切な子らしいよ。」「大切?」「そう、まぁいえないからあれだけど・・それにしてもトュリ最低ね!ステラちゃんを不安にさせるだなんて・・もう呆れるわ。後で誤らせとくわ」「い、いえそんな」「それでここ(研究所)に慣れた?」_う、言葉が行き詰る。「い、いいえ・・ごめんなさい」「そうよね、突然こんな所で目覚めたら緊張するしトュリはあんなんだし困るよね。ステラちゃん、私には何でもいっていいし友達感覚で接していいのよ?」え・・・どうしよう。嬉しすぎて泣きそう。

「それにここにいる人たち皆何らかんらいって優しいし馬鹿だし面白いからあまり気にしなくていいのよ。特にあの宇宙とか尋とかは雑巾みたいに雑扱いしていいんだから!分かった?」「は、はい!」「さて・・雪はあんなんだし女子トークとかお買い物とかあんまり出来ないのよね。それにステラちゃんお洋服とかなんか必要なものあまりないよね。ここに大体そろってるけれどお買い物にでも行きましょう?」お買い物!?何てフレンドリーで優しいんだろ、シャルトさん。でもお金がない。

「お金の事なら心配しないで全部私が出すしそれにもう有り余るほど持ってるからじゃんじゃん買いなさい!」「え?いいんですか。有難う御座います!」まるで私の心を見透かしているかのように次々と考えてる事を当てる。そして、何て姉貴肌なのだろう。少し心が和らいだ気がする。そしてトュリは怒ってなくてよかった。


IN ラルトリア街

 うわぁ、凄く広い。空を飛ぶ車、街中に響き渡る電子テレビ、酔いそうなくらい多い人並み、さまざまなブランド店や洋服屋さん、デパートとか大揃い。人酔いしてしまいそうだ。

「さて、あそこのデパートにでも行きましょう。」とても大きなデパートだ。デパート内は蒸し暑い夏の中、冷房が効いてきて気持ちが良い_と言いたい所だが何故か私だけ少し寒い。後でシャルトさんに相談しよう。デパート内は人が多い。小物やインテリア、色んなものがあってどれも目移りしてしまう。エレベータに乗る時確認したがここは12階建て。そのうち私達は3階の洋服店に行った。

「あら、可愛い。夏だしこういうのはどうかしら?」なんとフリフリで可愛らしいワンピース・・・!可愛い!

_しかし今の私の体温には・・。

「あ、あのシャルトさん・・・凄く言いづらいんですけど、私凄く寒いんです」「え」シャルトさんは固まり、私のおでこに自分のおでこをこつんと重ねた。まつげ長い・・・。

 「もしかしてステラちゃん冷え症?」「冷え性なんですかね?」そういうとシャルトさんは何か思い出したのかハッとした顔をした。

「あ!忘れてた!そうだ!・・・ステラちゃんは真吸血鬼族だから年中関係なく寒帯体質なんだった。・・・え?て顔してるけどまさか自分の種族も聞いてないの?」「聞いてないですね・・・」「あら、そうなのね。家に帰ってから詳しく話すわ。とりあえず冷え性だからマフラーとかよね・・うーん。どうしましょ・・・ネットで注文するしかないわね。まぁ下着とか何かアクセサリーとか必要なものだけ買うだけにしましょうか。」ネットで注文?私は機械とかあまり分からないからシャルトさんかトュリに任せよう。あ、あそこのアクセサリーショップ可愛い、あそこにいる猫も可愛い!

 「あら、色々目移りしてるわね。全部いきましょ。」シャルトさんに手を引かれ、アクセサリーショップに行く事にした。そこには可愛いバンダナや、ピン、ヘアバンドなどがそろっている。このヘアバンド可愛いなぁ・・・。そこから色々お店を探検していった。


 「ふぅ結構買ったわね。後何かほしいものある?」「いえ、色々周ったので特に無いです~」さぁ帰りましょうと言われ研究所に戻ろうとした。_あれ?何か空が暗くなった?

「あらやだ雨でも降るのかしら、雨雲にしてもへんな黒ね。・・・え?」空の黒い雲がどんどん暗黒へ染まり何か落ちてくるのがわかる。こちらへ向っている。

「え!?・・・あ!」変な生き物が私のうでの中へ体当たりしそれを上手くキャッチ尻餅した。「いった・・・」

「大丈夫!?」シャルトさんが駆けつけてきてくれた。「大丈夫です。・・ってこの子・・何の動物・・?


_酷い怪我!」

血まみれで息が荒い。出血も酷いそれにみたことない生き物だ、白色の毛で角っぽいものが生え青いパーカーを着ている。

「何!?この生き物・・・これは・・ッ」あのシャルトさんが一気に青ざめ、急いで研究所へ向おうとしたその時_空からまた飛んでくるのがわかる。黒い髪のロングヘアー、目は赤く、赤いYシャツに黒いスカート、目つきはかなり悪く左手には赤い点滴に鎌がついてるもの。


「そこの女邪魔だ!!」


闇に包まれたとても巨大なボール状を両手から出し、攻撃してきた。

「ステラちゃん!!!」「うあ!」私は今の反撃で地面に叩きつけられた、シャルトさんがこちらへ駆けつけようとしてるが次の反撃でシャルトさんまで巻き込んでしまう。どうしよう_!

次の瞬間その巨大なものを私を目掛け飛ばしてきた。

 気が付くと私は立っていた。先ほどのボールは消えていて、黒い少女とシャルトさんは驚いた顔をしている。生きている・・?今なら戦える気がする!何故だろう?前にもこんな事があったきがする_?

そんな事考えている暇はない_!

その感覚に任せ私は戦う。


_本能のままに。

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