第一章3 メンバー紹介
第1章 記憶喪失
しかし本当にここの研究所は広い。私一人では絶対に迷子になる、いや確実になるぞ。トュリはずっとここにいるのかな?スイスイと歩み道に迷うことはない。窓一つない白い壁だというのに全部把握して歩いている。
「あそこが僕達の共通部屋、簡単に説明するなら研究員の集合場だ。」トュリがその扉の前で足を止め、左のポケットに入れていた腕を、四角い小さなセンサーにかざした。左腕には何かバーコードみたいなタトゥーを入れている。
「それは何?」「これは研究所の皆がつけているんだ。このバーコードがあればどこの部屋にでも入れる」研究所の皆ってことはシャルトさんも入れてるんだろうな。扉がトュリのバーコードに反応しゆっくりと開いた。
「うっわぁぁぁ!ちょっと宇宙さん!此処でタバコ吸わないで!火災報知機のシャワーで水浸しに!もう!」
「まぁまぁそんなかっかなさんな。」
「人事じゃないでしょおおおおお!マスター(シャルト)に怒られますよ!あ・・・・」二人とも水浸しで部屋も水浸し。金髪の白衣を来ている男の人ががトュリを見て青ざめる。それに気付き後ろの人も同じように青ざめる。私はどうしたのだろうと思い後ろから少し顔を出し高身長のトュリの顔を上目遣いで確認すると同じく私も体に冷気が走った。
「お前等何やってんの?」
トュリのその一言で部屋中一気に冷気が走る。「ちょっと叫び声聞こえたけど・・・何があったの大丈・・・」この水浸しの人の大声で駆けつけたのかシャルトさん。途中でしゃべるのをやめ更に空気が冷たくなる。そして水浸し二人組の顔も更に青ざめる。
「早く片付けろ、雪乃呼べ。」とただでさえ悪い目つきが悪魔のように細くなり二人を見下しながら淡々と最後の生命の終わりを警告のように告げる。それに続き「あんた等何してんの!!!どうせ宇宙!タバコでも吸ったんでしょ!?ここは禁煙!禁煙室わざわざ作ってやったよな!?禁煙室の方で吸いなさいっていつも言われているでしょ!本当に追い出すぞ!?」・・・先ほど私に見せていた優しい声と顔はどこかへ行き、今はトュリと同じく悪魔のような顔に声。シャルトさんにもこういう一面があるんだな・・・二人とも怒らせたら怖いと私は思った。
(水浸しのお二人ご愁傷さまです)
雪ちゃんが来て何やら魔法のようなものを使い、水や火災報知機によるシャワーで壊れた機械、濡れた食器、家具類、全てを元に戻し水を全て消し去ってしまった。「どうやったの?」と聞くと私にはよく分からないけれど・・・水浸しの部屋を研究員以外の時間を巻き戻したらしい。雪ちゃんも凄いな。二人がシャルトさんとトュリにみっちり説教を受けた後5人揃い自己紹介をし始めた。
「本当に馬鹿二人のせいでスムーズに行かなくてごめんなさいね、じゃぁ私から!私はさっき言ったとおりここのボス、シャルト。何かあったら私にいってね。」
「え~、俺かな?さっきは本当に迷惑かけてごめんなさい。尋です。ここの機械を全部管理しているものです、以後お見知りおきを」
「俺は宇宙だ。毎日怒られている。」
「・・・私は雪乃。人造人間。マスターと一緒にいるだけ」
「あと一人は今遠出している。最後に僕だな。さっき言ったとおり、ステラの兄だ。何かあったら遠慮なく僕に、皆に言うんだぞ」
「うん、分かった。皆さんよろしくお願いします」
ぱぱっと自己紹介を終えてトュリと約束していた「クローン」というものを見せてもらおうと地下室までついてきた。他の部屋とは温度が違い少しだけひんやりしている。そして・・・少しだけ暗い。
「ここだ」とトュリの声で俯いていた顔を上げ、前を向くと何とそこには青く光る幻想的な世界が広がっていた。大きな試験管に入っている「人」、大人から小さな子供、赤ちゃん。試験管の中には水のような液体が入っていて、下からは青いライトで照らされている。「怖くないか?」と言われたけれどまったく怖くない、むしろ綺麗と思ってしまう。「僕は少しだけ用事があるから少しの間ここを探索してみるといい、何かあったらすぐに呼ぶんだぞ。」と言い消えてしまった。
それにしても本当にクローンなの?生きてるよね・・?この人たち。白髪の綺麗な男の人が入っている試験管を軽くコンコンと叩く。
え・・・!目が開いた!え、トュリ呼んだほうがいいの?私は少し焦っていると男の人が話しかけてきた。「ダ・・・・レ・・?」クローンと喋れるものなのか?そのクローンは次々と私に話しかける。「君、ハ、誰・・?」「私はステラだよ。貴方は?」「僕二、名前・・・、ナイ・・・」「名前がない?」「ウン・・・ボクガ、コワクナイノ?」「全然怖くないよ、むしろかっこいいと思うよ」クローンはさっきより顔が赤くなった、熱でもあるのかな?「ソッ・・カ。アリガトウ・・。」「うん!・・・ってあれ?目閉じちゃった」話している途中なのに目を閉じてしまった。後でトュリに教えてあげよう。
しばらくその白髪のクローンを見つめた後、私は別の所を歩いた。そうすると何故だろう?
(こっちの道何か懐かしい気持ちがする。)
その気持ちにそそられここより明るい部屋まで私は歩いた。
辿り着くと病室の前についた。ドアの前には「801?」801と書かれた数字の扉。扉を横にスライドさせ中に入るとそこには・・・包帯でぐるぐる巻きの女の子?がいた。髪は床まで伸びていて、青い左目だけ以外の顔を包帯でぐるぐるにまいている。入院服は少し乱れていて首、胸、両手、全身包帯だらけだ。そして「青い点滴」をしている。「青い・・・点滴?」普通点滴は赤か透明しかない。青はなんなんだ?これもトュリに聞いてみるとしよう。女の子は黙ってベッドに座ったままでお腹辺りまで布団をかけている。
そして私が彼女の目の前にいるというのにピクリとも反応せずただ布団をぼけーと見つめてるだけ。「あの・・こんにちは?」恐る恐る話しかけたせいか疑問形になってしまった。生きてるのかな?触れたくなって彼女に触れようとした瞬間。「ステラ!!」聞き覚えのある大声に私は触れるのをやめ声が聞こえたほうを振り返る。トュリだ。
「お前どうしてここに!?どうやって入った!?」
どうやって?って、普通に入ったけど・・。
「普通に入ったけどどうかしたの?」「ここは僕以外入れないように結界を張っているはずなのに!どういうことだ・・?」結界らしきものは見当たらなかった。怒ったような表情をし、すぐに部屋に戻るんだと言われ私はその部屋を後にした。
_どうしよう怒らせてしまったかも。