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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ユメミグサ

作者: まよなかちわわ
掲載日:2016/11/02

にごたんと言うお題企画で二時間半で書いたものです。


お題は、パラダイムシフト 妄信的崇拝 夢見草の3つです。

パラダイムシフトによって、《《アンドイド》》化が可能となり、平均寿命が150年に伸びた。


「お父ちゃん、怖いよ、もっとそっと投げて!」


リノンは、取り損ねて、転がったボールを父親のカールに、投げ返す。


「そうか、ほらよ」


またしても、びゅっと風を切ってボールは飛んでいく。


中高と野球をやっていたカールには、2人の子供相手だとしても、手加減して、緩いボールは放れないのだ。


今度は妹のリオンが、顔のそばに来たボールをグローブで叩きおとしていた。


「怖いよー!もっとそっとだって!」


リオンもキイキイ声をあげる。


「そっかあ、じゃあ終わりにするか」


父親のカールはちょっと残念そうに言った。


「「お父ちゃん!しっかりして!」」

「リノン、リオン。夢見草ゆめみぐさってのがあってな。アンドイドの俺たちでも、その花の蜜を吸うと、夢を見ることが出来るんだ。お父ちゃん、夢見草の蜜を吸って夢を見るのが夢だったんだ。もう叶いそうもないがな」


カールはそう言ってから息をしなくなった。


「お父ちゃん!わぁーん!」


妄信的崇拝をしていた父親を失った妹リオンは、カールの胸にすがりついて泣きじゃくる。


「リオン、私たちで夢見草を探して、花の蜜を吸って夢をみましょう。きっと、お父ちゃんも夢で蜜を吸えるわよ」


リオンは、涙をぬぐって「出来るの?」と姉に聞く。


「出来るの?やるのよ」



姉のリノンは、パソコンを立ち上げて、夢見草を検索する。


夢見草

アンドイドも夢を見ることが出来る花の蜜を生み出す。年々、夢見草の枯れ死により、花の蜜は手に入りずらくなっている。


「それじゃ、困るのよ」


リノンのスカートの裾を引っ張る気配に眼をパソコンの画面からはなし振り向く。


「過去に行けばいいじゃない。おうちにタイムマシンあるでしょ?」

「タイムマシンで過去へ行ってはいけない決まりでしょ?タイムパトロールに捕まるわ」

「捕まったら、ごめんなさいすればいいの。それに、タイムパトロールって人手不足って聞いたわ」


姉のリノンは、しばらく考えた。


「それしか方法はないわね。じゃあ、過去へ行くわ」


リノン、リオンは、二人乗りの自転車のタイムマシンに乗る。クラッチを100年過去にセットして、自転車を漕ぎ出した。


二人は、自宅から初めての電車にワクワクしながら乗り、上野公園についた。あたりは、人でいっぱいだ。


「どうしよう?」

「猫に変形しよう」


二人の姉妹はたちまち二匹の猫に代わる。二匹は夢見草の幹をよじ登って枝の花にたどり着く。


アンドイド猫でも夢を見ることができるかしら?ええい、ままよ。


リノンとリオンは、顔を寄せ合い花の蜜をすすった。


「お父ちゃん、怖いよ、もっとそっと投げて!」

「そうそう。そっとよ」

「そっかあ、わかった」


父親のカールは、ボールを大きく弓なりに放った。
















ユメミグサは桜の異名です。アンドイドはアンドロイドの打ち間違いだったのですが、まあ、近未来SFだし、アンドイドでもいいかと思い直しませんでした。

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