6 出発
空が薄っすらと明るくなってきた。この生まれ故郷ともお別れだな。
小屋の前で、忘れ物が無いことを確認する。と言っても、持ち物は木刀しか無い。
8日間ほどだったが、名残惜しいな。
そうだ、ここに名前をつけてマップに載せておくか。
誕生の草原と命名しよう。
《マップに追加しました》
それでは、町に向かって出発だ!
《出発進行!》
とは言っても、まずは目の前の山を登らなければ始まらない。背の高い木々が生い茂っており中腹はちょっとした急斜面だったが、頂上付近はさらに急斜面だった。急斜面にも関わらず結構な木が生えていたので、その木を伝いながらなんとか登る。出発と言うよりは脱出と言った方が合ってるようだ。なんかカッコ悪い。
なんとか山頂まで来るとそこには高い木は無く見晴らしはいい。向かう先の方を見てみると、ここと同じような高さの山々が見える。と言うより山しか見えないが。
目的地へは山を何個も超える必要が有りそうだ。
《いい眺めですね》
確かに壮大な眺めだ。
元の草原方向を見ると、草原は木々に遮られて全く見えず存在することすら分からない。まるで草原を隠すかのように木々が囲んでいた。
ここからどの方向を見渡しても高い山しか無いようだ。もうちょっと平原とか川とかが見えるのを期待していたんだけどな。草原にいたときから山と木しか見てないし、ここは本当に何も無い所だったんだなぁ。
周りの山と区別するために、この山をナナ山と命名するか。
《ナナ山ですか?》
ああ、何も無い山、略してナナ山だ。
《分かりました。マップに追加しました》
俺は目的地に向かって今度は山を下っていく。こちらも結構な急斜面だ。一旦降りるともう登れないんじゃないかと思えるようなこの急斜面を考えると、この山の真上を飛ばない限り誕生の草原が発見されることは無いのだろうと思う。ましてや人間の足ではどんなに偶然が重なったとしても発見することは不可能だろう。
そう考えると俺があそこに居た理由が益々分からない。
《私にも分かりません》
あれから山を二つ超え、林を抜け、今は少し開けた所を歩いている。ちょっとした草原の丘になっており、その丘を下っているところだ。小さな花や大きな花がいくつも咲いており、蜂や蝶、てんとう虫など様々な虫も見つけた。小型の鳥も何羽か飛んでいるのを見かけた。辺りは静かで、時たま吹く風の音と、小鳥のさえずりだけが聞こえる。
向かう先にはまだまだ山があるので、小休止といったところか。ただ、俺は疲れないため昼夜を問わず歩き続けることができ、足を止める必要は無い。
そんなことを思いながら進んで行く。
《アース、前方にゴブリンが一体います》
そう言いながら、ルナが前方を指差した。
俺にはまだよく見えないが、初の魔物との遭遇だ。心を落ち着かせるかのように俺は頷いた。そのまま進んで行くとゴブリンがついに俺にもはっきりと見えるまでになった。
あれか……
さらに近づき50mほどとなったが、ゴブリンは油断しているのか風上にいて気づかないだけなのか、あさっての方向を見ている。
初めて見る魔物。凶暴そうな顔つきに、やけに長く尖った耳。腰にはボロ布を巻いている。体はやや緑色で、俺よりも小柄だが強靭そうな体つきだ。
《体長は140cmほどです》
ついにゴブリンもこちらに気づき、威嚇の鳴き声を発し、鉄製らしき剣を振り上げながらこちらに走って来る。
明らかに戦闘態勢だ。
ついにこの時が来たか。
《初の実戦ですね》
俺は背中の木刀を手に取る。
脳内シミュレーションとしては、ゴブリンの攻撃をかわし、こちらからの一撃をお見舞いして終了だ。
などと考えて攻撃に備えた。
ゴブリンが剣を振り上げたまま目の前まで接近。そう思うも、ゴブリンはそのまま勢いを殺すこと無くしゃがみ込んで剣を横に薙ぎ払った。
ゴブリンの剣が俺の腹を直撃し、深く食い込む。剣の勢いはそのままで俺は大きく後ろへ吹っ飛ばされ背中から地面に叩きつけられる。予想していた攻撃と違ったとは言え迂闊すぎた。魔物の中で最弱との思いが油断を招いた。これで最弱なのか。
ルナの声を思い出す。ルナは確か、単独撃破にはレベル21は欲しいと言っていたな。
こういうことか。
人間だったら間違いなく致命傷だっただろう。服は大きく切られたが、体の傷は既に塞がっている。これからだ。もう油断はしない。ゆっくりと立ち上がる。
攻撃をきちんと見るんだ。
ゴブリンは、立ち上がった俺を見て威嚇の鳴き声と共に再び攻撃体制に入った。
剣が振り下ろされる。見える。かわした。続いて横方向からの速い連続攻撃だ。見える。これもかわすとゴブリンが体制を崩す。
今だ、エナが込められた木刀をゴブリンの頭上から力一杯叩きつける。
ボンッ!
大きな音が鳴り響き、ゴブリンが消えた。
えっ?
……
改めて状況を見ると、粉々になった肉片が四方八方に飛び散っており、まさに木っ端微塵、ゴブリンは跡形も無くなっていた。
もはやそれがゴブリンだったのか、いや、生き物だったのかさえも分からない有様だ。
……
《あの》
はい?
《やり過ぎだと思うんですが》
……
ですよね。
《強烈なデビュー戦でしたね》
……
その後の道中、ルナにお説教とも思える説明をさんざん聞かされた。
《普通は、倒した魔物から魔素が詰まった魔石を取るんですよ。魔物によっては皮や角や肉が売れたりもします。
なのであんなに粉々にしちゃうと何も残らないのでダメですね。
それに肉片が周囲に飛び散って汚いし、片付けることも出来なかったですよね。
あのゴブリンは確かに一般的なゴブリンよりは戦闘慣れしてたようで強かったみたいですけど、そうは言ってもたかがゴブリン相手にエナだって流し過ぎだし更にあんなに力いっぱい叩きつけちゃって、オーバーキルになるというのは予想がつきそうなものですが。
昨日までの訓練で力加減は分かってたんじゃないのですか?
相手がもし人間だったら、ゴメンじゃ済まないのでそのつもりでお願いしますよ。
今後は気を付けてくださいよ! ほんとにもー》
……
ゴメン。
まあ、お説教はされたが、俺としてはゴブリンに勝てたことが嬉しく、終始ニコニコしていた。
ただ、エナを使い過ぎたようで、EP残量は1%を切り赤い色で11と表示されている。
やばかったな。
レベル:22
EP:11/1254
11でも普通に動けるんだな。
《歩くだけなら例え1でも大丈夫なはずですよ。ただし、機能に制限が掛かっています》
制限?
《はい、クリーニングも暗視も現在使用不可になっています。》
クリーニングはいいとして、暗視が使えないと夜は動けないか。まあ、夜までに回復されれば問題は無さそうだが。
ん? そうすると、武器にエナを流すこともできないのか?
《それは制限されていないようです。想定されていなかったのでしょう。ただし、気を付けないと一気にEPが無くなりますよ》
その制限が無いのは救いか。でも確かに下手すると使い切ってしまいそうだな。
《心配ならスリープ機能で急速回復しますか?》
それも有りか。だけど、もう少し歩こう。ここは見晴らしが良すぎて隠れることもできやしないし。
何れにしろ、あれだけ派手にやらかした代償だ。甘んじて受け入れよう。
あれ?ちょっと待てよ。防御はともかく、レベル以上の攻撃力は出せないって言ってなかったか? どう考えてもレベル以上の攻撃だったように思えるんだけど。
《まあ、レベル以上の攻撃力は使われていませんね》
レベル22ってのは、ゴブリンを木っ端微塵にできるのが普通なのか?
《木っ端微塵になんてどんなに高レベルでも絶対にできませんね。一撃で倒すのもレベル22ではまず無理ですね》
なら、なんで?
《武器へのエナの流し込みが原因ですね。攻撃に使っている力自体はレベル相応なのですが、エナの練り込まれた武器によりとんでもない破壊力が生じています》
エナか……
《この破壊力を生んでいるのは、武器自体の強度が上がっていると言うのもありますが、それよりも、込められたエナが大き過ぎたせいか、打撃時にアースのエナが武器を伝わって一気にゴブリンに流れ込んで、肉体へ干渉し内部破壊を引き起こしたと言うことの方が大きいです。つまり、木っ端微塵の原因はエナによるものと言うことです》
エナが一気に流れ込んだ?
《はい。そのためEPを99%以上も消費してしまったのです》
以前に棍棒が砕けたときがあったけど、それに近い感じか?
《そうですね。それに似ていますね。あの時は制御しながらでしたが、今回は制御不能な状態でエナを一気に流したようです。その結果があの攻撃力になったということですね。なお、エナの流し込みは攻撃力の抑止制限の対象となっていません。というよりは想定されていなかったようですね》
レベル以上の攻撃力ということか。どの位のレベル相当なんだろう。
《ゴブリンといえども木っ端微塵にすると言うのは打撃系のレベルの規格外です。魔法であればもしかしたら有るかも分かりませんが、私は知らないです》
魔法か……
それにしても、一撃必殺の攻撃っぽいが、外したらそれで全て終わりということか。危なかったな。
まあ、無我夢中だったしどうやったか覚えていないので、もう一度やれって言われても無理かもしれないけど。
いずれにしろ、今後はもっと気を配ってエナを込めることにしよう。特に、人前で使うにはエナを極端に控えた方が良さそうだな。
緩やかな丘を下りきり、再び林の中に入る。進む方向に山があろうが林があろうが迂回することなく町に向かってただ真っ直ぐに進んで行くことにしている。
ん?水が流れる音が聞こえる。
水の流れる音を追うように少し歩くと、小さな川があった。幅2mほどで深さは膝ぐらい、川を覗き込むと水はこれでもかというほど澄んでいる。
《魚がいますよ、アース》
ほんとだ。
数匹の小魚が泳いでいる。それを横目で見ながら水を手で触ってみると冷やりとした感触が伝わる。
人間ならここで水分補給を兼ねて休憩となるのだろうが、俺の喉は乾いていない。お腹も空かないし体力も落ちない。そのため休憩無しでひたすら歩くことができるが、EPが少ないこともあり、ここで一旦足を止めることとする。
ゴブリン戦で飛び散った血や肉片により服があまりにも汚いことを思い出した。俺の体はクリーニング機能で綺麗だが、服と木刀はそうはいかない。
川の中に入り、服を脱いでじゃぶじゃぶと洗う。洗剤がある訳でも無いのでこびりついた汚れは完全には落ちないが、それでも入念に洗う。
洗い終えた服と靴を乾かすために木に引っ掛け、俺は裸のまま近くの石に腰掛けて乾くのを待つことにする。
手にはゴブリン戦で唯一の戦利品である鉄でできた剣がある。柄の部分を含めても長さ60cmほどのナイフ型で、かなり錆びており切れ味は鈍そうだ。
右手に持ち少し振ってみる。
エナを流し込んでみたところ、流れなくは無いが木刀に比べると全然で、以前に作った棍棒と比べてもイマイチな感じだ。
俺は立ち上がり、試しにと、近くの木の枝に向け剣を振るう。
切れ具合いとしては、エナを込めなくても一応は切れるが、エナを込めるとそれなりに切れるようだ。まあ、木刀と比べると比較にならないほど切れ味は悪いが。
暇な事もあり、少し素振りを行い剣の扱いを練習する。
ゴブリン戦での失敗から、力任せに振るのでは無く、素早く振ることを心掛け素振りを行った。
この剣もなんとか使えそうだな。
木刀でスパスパ切るのは不自然なので、人前ではこれを使うか。
あとは、回避を如何に鍛えるかだな。
周りの林を探索し、またしても紐のような茎を探しだし、なんとか剣を腰に引っ掛けられるよう細工した。
手に持ってウロウロしてると怪し過ぎだしな。
服も乾き、EPも200ほどに回復したのを確認したところで、木刀は背中、剣は左腰に掛けて再び歩き出す。
少し歩いたところでルナが警告を発した。
《アース、前方右側にゴブリンが一体います。その後方にさらにもう一体ゴブリンがいます》
またもやゴブリンの登場か。
しかも今度は二体か。下手したら二体同時に相手することになるのか。
武器は使い慣れた木刀にする。木刀を手に持ち前に進む。
今度はヘマしないぞ。
意識することは、適度なエナ、良く見て回避、力は控えめで素早く振る、だな。
ゴブリンがこちらに気づき、今回も奇声を発しながら剣を振り上げて走り襲ってくる。
その声に反応したのか、後ろのゴブリンも続く。
二体のゴブリンの容姿や体格は前回のゴブリンと似通っている。
木刀には適度なエナが込められ切断系武器と化している。
ゴブリンは既に目の前だ。そのゴブリンの剣が斜め上から振り下ろされる。それを回避。木刀を横薙ぎに胴体に向かって振り抜く。ゴブリンは胴体から真っ二つだ。
その影となっていた後ろのゴブリンがすかさず真上から剣を振り下ろす。うまい連携だ。何とか見切ってその剣を木刀で受け弾き飛ばす、すぐさま木刀を振り抜くと、二体目のゴブリンの首が綺麗に飛んだ。
あっという間の戦いだった。EPの減少もほとんど無い。
《レベルが23に上がりました》
《動体視力強化機能が解放されました》
どうだろう? 少し危なかったが。
《すばらしいです》
そうか。ありがとう。
《私がさっきグチグチ言ってたのは何だったんでしょうと思わせるような見事な戦いでしたよ》
まあ、ある意味ルナのお説教が効いたのかもしれないな。
さて、このゴブリンをどうするか。二体とも既に絶命しているが今回はゴブリンって分かるぞ。
《魔石を取り出しましょう》
どうやって取り出すんだ?
《普通は心臓のすぐ下に埋まっていますので、切開して取り出して下さい》
切開? 解剖するってことか?
《その通りです》
ルナからナイフを受け取り、ゴブリンの左胸にナイフをあてる。自分で斬り倒したゴブリンだ。斬るのも切るのも同じだ。同じはずなのに何故か躊躇する。
と、まあ、そんなことも考えたが、やってみるとどうってことはなかった。
このナイフはエナをコントロールし易く、力を入れなくとも触れるだけで切れる感じだ。サクサクと開いていく。
一体目は魔石の位置を探すのに手間取ったが、二体目はあっという間で、無事に二体のゴブリンから魔石を取り出すことができた。大きさは親指の先ほどで、球形に近く綺麗な赤い色をしている。
この魔石は人にもあるのだろうか?
《魔物にだけ存在します。というよりは、魔石を持っているものを魔物と呼んでいます》
そういうことか。
ナイフと魔石をルナに渡し、異空間収納庫に仕舞っておいてもらう。
《町に着いたら売りましょう》
二体のゴブリンが手にしていた剣は、最初のゴブリンの剣と比べると形も性能も悪そうなので拾わないことにする。
《後は、本来なら焼き払うか、土に埋めるかして掃除するのですが。どうしましょうか》
火は起こせないので、埋めるしかできないな。といっても穴を掘るためのスコップも無いし。
《放置しますか?》
いや、掃除するのが礼儀なんだろ? なんとか掘ってみるさ。
そうだなー。
周りの林を探索し、大きなスコップになりそうな板状の木を見つけて戻って来た。
ナイフで削り、板の先をスコップの形に加工する。
普通なら地面になかなか刺さらないだろうが、エナを込めることでサクッと地面に刺さるようになった。性能の良いスコップのようだ。
掘り始めてから10分ほどで二体のゴブリンを埋めることができた。ゴブリンが持っていた武器も一緒に埋めた。武器を放置しておくと他のゴブリンに拾われてしまうということで武器の放置は厳禁らしい。
<動体視力強化:1>
・機能レベルは1です。
・素早く動くものを見分けるための視力を強化します。
・レベルが上がるほど、より高速で動くものを目で追えるようになります。
・常時起動が可能です。
常時起動にすると機能レベルに関係なく1日にEP10を使うらしい。そのくらいなら全く問題無いだろうと思い常時起動とする。
常時起動にしておくと必要時に即座に対応できるというのもあるが、機能レベルも上がりやすいとのことだ。
今後も使うだろうスコップは腰からぶら下げることにした。
背中に木刀、左腰に剣、右腰に板。なんかカッコ悪いが気にせず歩く。
その後も、いくつかの山と林を超える。その間、単独のゴブリンや、5体の集団のゴブリンなどが襲ってきたが、動体視力が強化されていることもありゴブリンの攻撃速度は遅く感じられ、危なげなく仕留め続けることができた。
途中からオークも出現し襲ってくるようになった。
オークは、背丈は2mほどあり、ゴブリンの巨大版のような体格で、猪のように下顎から生えている牙が特徴的だ。手に持った棍棒を力任せに振り回す戦い方をする。ゴブリンと比べて体は大きくパワーがあるものの攻撃速度は遅く、ゴブリンよりも仕留めやすい。
ルナが言ってたように、ゴブリンとオークはそこら中にいるようで、ここに来るまでにかなりの数の戦闘を行った。
魔物全般的に言えるのかもしれないがゴブリンもオークも人を見れば必ず襲う習性があるようだ。
そうこうしている内に、出発してから10日が経とうとしていた。
レベルは24になり、動体視力のレベルは2になっていた。
山々を抜け、今はようやく出現した平原を歩いている。
《アース、遠くに道のようなものが見えますよ》
ルナが指差す方向に進み、近くまで寄って見ると、確かに人工的に固められた砂利道が左右に伸びていた。幅は馬車などでもすれ違えるくらい広い。
《道が伸びている方向からして、この道を行くと町まで行けそうです》
町まではまだ120kmはある。道の逆方向に何があるかは不明だが、町があるはずの方向に進むことにした。
この道を進むと道中で人に会うかもしれないな。
レベルを再度確認しておく。
レベル:24
EP:2388
自分の身なりを見ると、ボロボロの服に、錆びた剣、何か分からない板をぶら下げて、背中に木刀。見た目は最悪だ。
そう言えば、ボロボロの服のくせに体が全く汚れていないのは不自然かも。そう思い、わざと泥を付けたり、地面に転がったりした。
これで良し、服に合う汚れ具合いだ。
そう思って砂利道を進んで行ったが、人にも魔物にも合わない。
朝から歩き続け昼近くとなったころ、遠くに集落が見えた。その集落はというと周りは1mに満たないだろう低い塀に囲まれており、中にはいくつもの建物が見える。町なのか村なのか分からないが距離的に目的の町とは違う集落だ。
単にマップに載っていなかっただけなのか、最近できたのかは分からないが。
ついに人に会いそうだ。
道は行き止まりではなく、さらに集落を超えて向こう側に伸びている。目指していた町はこの道を行ったさらに先の所にあるのだろう。
取り合えずこの集落に入ってみようか。
集落がどんどん近づいてくる。
《大きさからして村のようですね》
大丈夫だろうか。初めてゴブリンに遭遇したときよりもプレッシャーを感じる気がする。
まあ、心臓がドキドキしたり、お腹が痛くなることは無いんだが。