表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/21

5 攻撃力

 そんなこんなで、また朝が来た。



 よーし、今日は武器を作るぞーっ!

《おー》


 まあ、武器と言っても材料は木しか無さそうだし。そうなると、棍棒か木刀か槍だな。


 まずは、材料を探そう。硬い木がいいだろう。

 周りの山を探してみることにした。山の高さはかなりあるので、探索範囲はがんばっても中腹ぐらいまでだろう。とにかく山を登ってみる。ここに来てから本格的に山に入ったのは初めてだ。

 登り始めて分かったが、途中から意外と急斜面だ。

 しかもなんか薄暗いし、魔物とか出そうだな。

《ビビってますね》

 ビビってねーよ。


 倒木を見つけては武器として使えそうか考える。乾燥していることが絶対条件として、その中から硬そうな木や、しなやかな木など、材料になりそうな木を何本か拾い集めて、小屋に戻る。

 そこからナイフで形を整えながら、荒い仕上げながらも何本かの武器を作り上げる。その後、手で曲げてみたり地面に叩きつけたりしながら絞り込んでいく。

 最終的に木刀と棍棒をそれぞれ1本選んだ。槍は無い。槍に出来そうな長くて真っ直ぐな木は見つけられなかった。


 出来上がった武器を誇らしげに眺めた後、木刀を何回か振ってみる。意外と重い。今まで木刀なんて振ったことないし、振り方すら解らない。

 棍棒も振り回してみた。これも重い。逆に振り回されている感じだ。


 完全に振り方は我流になってしまうが、力を込めてそれぞれ何十回か振ってみた。

《レベルが14に上がりました》


 少し慣れてきたが、日が暮れてきたので今日はここまでとする。



 小屋に入り、木刀と棍棒の形をさらに整える。最後にヤスリ代わりに石を擦りつけて仕上げる。意外と綺麗に出来上がった。木刀は黒っぽい色で、棍棒は少し赤みをおびていて、どちらも綺麗だ。

 これを使って明日から特訓だな。



 そう言えば、ここに来て以来全く寝てないな。でも全然眠くないし体も大丈夫そうだ。この体は睡眠が不要なようだな。

《スリープ機能が解放されていますよ》

 何それ?

《寝ることができて、スリープ中はEPの回復が早くなります》


 寝ることができるって…… わざわざ機能を使わないと寝れないってことか。しかも全然EP減ってないし。


 ところで、この体は排泄も不要なのか?

《はい、全てはエナに変換され使用されますので、排泄するものはありません》

 毒草とか食ったらどうなる?

《エナに変換されます》

 じゃ、土とか食ったら?

《食物に比べると若干時間はかかりますが、全てエナに変換されます》

 自然回復だけに比べると、土食ったほうがEPの回復は早いのか?

《自然回復に加えて、土からの変換が加わりますので、若干ですが回復は早くなります》

 そっか。訳わからんがそりゃいいね。土なんか絶対食わんけど。


 仕組みは分からないが、排泄が不要なのは面倒が無くていい。一応納得しておく。



 納得したところで、さっきのスリーブ機能が気になってきた。使ってみるか。

 ルナ、今何時だ?

《21時22分です》

 ちょっと早いが、スリープ機能で寝てみるか。全く眠くないのだがそれでも使えるのだろうか。

《使えますよ。直ぐに熟睡できます》

 起きる時間は指定出来るのか?

《できますよ。何時に起きますか?》

 ルナに言えば良いのか?

《はい、メニューからの操作でも出来ますが、私が代わりにセットすることもできます》

 じゃー4時にしてくれ。

《分かりました。4時より前でも何かあると起こしますので承知ください》

 俺が寝てる間、ルナはどうしてるんだ?

《特に何もしません》

 退屈じゃないのか?

《退屈とか、暇を持て余すとかの思考はありませんので大丈夫です》

 そっか。

《では、おやすみなさい》

 ああ。おやすみ。

 その言葉と同時に瞼が閉じていく。





 と思ったらすぐに目が覚めた。なんだよ、寝れないじゃないか。

《おはようございます》

 え……、もしかして4時か?

《はい、4時になりました》

 そう言われて窓の外を見ると確かに空が明るくなりかけている。あれから6時間以上も寝てたのか。そんな実感は全く無いな。

《気分はどうでしょう?》

 寝る前と特に何も変わらんよ。というか、寝た気がしない。ただ時間が飛んだだけだ。逆に時間を損した気分だ。

《そうなんですか。すみません》

 ルナが謝ることでは無いな。

 ただ、今後はEPがピンチの時とかしか寝ることはないだろうな。





 夜も開けたことだし、取り敢えず、昨日の続きで素振りを始める。

 木刀が重たいので、うまく振れないが、とにかくひたすら振る。

 最初は武士の真似をしたり、アサシンの真似をしたりして遊びながら振っていたが、次第にそれも飽きて、一心不乱に素振りをするだけだ。


 もう何時間振っただろうか。

 だんだん木刀が軽く感じてきた。

《レベルが15に上がりました》

 体の動かし方が様になってきた気がする。

《レベルが16に上がりました》

 ついに21歳の平均レベルか。なんか達成感があるなー。



 素振り程度じゃEPは減らないので、今日は夜中も休むことなく振り続ける。

《レベルが17に上がりました》


 ルナ、最初に言語をロードしたように、剣術とか武術をロードすることはできないのか?

《登録されていないので、できません》





 朝まで振り続けたことで、木刀はおおまか良い感じになったと思う。


 さて、次は棍棒だ。こちらは木刀よりも遥かに重い。

 それでも棍棒を休みことなく振り回し続ける。


 そうこうしている内に、棍棒の重さにも慣れてきた。最初は棍棒の重さに振り回されていたが、木刀でレベルが上がっていたおかげか、短い時間で振り回し方がわかってきた。慣れると、木刀と違って奇怪な動きをする。

 棍棒も意外と武器として使えそうだ。

《レベルが18に上がりました》



 素振りだけだと流石に飽きる。

 対戦相手でもいればいいのに。

《私がアースの相手をしましょうか?》


 おっ、できるのか? どうやるのか知らんが、できるのなら是非頼みたいぞ。

《そうですねー。んーと》

 実はできませんってのは無しだぞ。

《まずは質問をします》

 うん、なんだ?

《今もそうですが私と会話してますよね? 私ってどんなイメージですか?》

 なにそれ?

 イメージって言われてもなー。説明が難しいぞ。



 などと思っていたら、目の前に20cmほどの妖精らしきものが急に現れた。


 え? ええっ? 何これ? 妖精?

 妖精はこちらを見て挨拶するかのように手を振っている。

 ほっそりとした体型に、透き通った細長い羽を小刻みに動かしゆらゆら飛んでいる。

 顔をよく見ると……ルナ……か?

《ルナです》

 その顔は、俺がこれまで散々イメージしていたルナそのものだった。

 ルナ……って、妖精だったのか?

《違いますよ。これは、ただのイメージ映像ですよ》

 イメージ映像?

 ああ、あれか、3D映画とかと同じってことか。

《そう言うことです》

 小さな口が動いていて本当にしゃべっているようだ。念話に慣れていないとこちらが声にだして喋ってしまいそうだ。

《私のこと結構美人にイメージしていてくれたんですね。ありがとうございます》

 いや、えっと、まあ無意識でだけど。



 見てると、近寄ったり遠ざかったりもできるようだ。映像だと言われても本物と区別がつかないぞ。

 もっと大きくすることも出来るのか?

《あまり大きく表示すると、処理が追いつかなくて私の本来の能力に支障をきたす場合が考えられます。ですが、このサイズであればずっと表示していても問題になることは全くありませんので》


 なんで羽があるんだ?

《羽があると飛んでいても違和感が無いでしょ?》


 言われてみれば確かにその通りだ。羽が無いのに飛んでると違和感どころじゃなく、混乱しそうだな。


 触れるのだろうか?

《映像なので、すり抜けて触れませんよ》


 試しに、そう思い手をのばすが、ルナがひょいと逃げる。

《いやーん》


 ……


 アホかっ。





《それでは、訓練を再開しますか?》

 ああ。で、いったいどうするんだ?

《私が空中をちょろちょろしますので、その木刀で私を狙ってみて下さい》


 そう言うとルナは、いきなり両手剣を構えた。

 え、どこから出したんだ?

 って、映像だからなんでも有りか。良く見ると服も戦闘服に変わっている。

 芸が細かいのね。


 木刀を構え、ルナに向かって軽く振るう。ルナがさっと避ける。

 素早く振ってみるが、簡単に避けられる。

 なるほど、そう言うことか。これはいいかも。

《私は素早いので本気で掛かって来ないと当たりませんよ》


 ルナは前後左右上下に素早い移動を繰り返す。

 俺の木刀はひたすら空を切つ続ける。

 難しいが、素振りだけよりも練習としての効果は大きいと思う。


 だんだん体の動きもスムーズなり、目も慣れてきた。

 3時間ほど経ったが、俺の攻撃はまだ一度も当たってない。


 しかし、ついに動きを捕らえた。そこだっ。木刀に力の込めて素早く振るう。木刀はルナに直撃した。

 パンッ!と言う音と手応えにつづき、ルナは前方の地面に向かってもの凄いスピードで吹っ飛んでいく。

《キャーーーーーーーーーーーーーーーーー》

 最後は地面に叩きつけられバウンドする。地面に転がったままルナは動かない。


「なっ!」

 やり過ぎた!そう思う間も無く俺はルナの元に駆け寄る。

「大丈夫かルナっ!」「しっかりしろー!」ルナに大声を掛ける。

 ルナは動かない。


 動かないルナを手で抱き上げようと手を伸ばす。

 が、すり抜ける。


 ……


 あれ?


 映像だった。

 そう思った時、ルナはすっと立ち上がり、羽を少し動かし、何も無かったように俺の目の前まで浮上した。

《本気で心配してくれたんですね?》


 ……


 してねーよっ!


《レベルが19に上がりました》

 うるさいっ!



 気を取り直して、その後も同じ練習を続けたが、吹っ飛ぶような演出は断り、当たった時の音だけにしてもらった。

 夜になっても練習を続ける。

《次は魔法攻撃行きますよ》

 そう言うと、ルナは剣を仕舞い俺と距離を取ったかと思うと、両手を前に出し掌をこちらに向ける。するとそこから真っ赤な火炎玉ファイヤーボールが現れ俺の方にかなりのスピードで飛んで来た。俺に当たると衝撃音が鳴る。これも映像ではあるが、それを避けつつ接近して攻撃する練習だ。最初は当たってばっかりで攻撃どころでは無かったのだが、徐々に避けれるようになり、攻撃もできるようになっていった。

 暗闇の中、明け方まで繰り返し練習した。まあ、暗視があるので実際に見えてる景色は暗闇では無かったが。


 だいたい良いだろうと思う頃には完全に夜が明けていた。





 今日は実際の打ち込みの稽古を行う。


 山から紐状の丈夫で柔らかい茎を見つけてきて、それで少し太めの木と木を十字に固定し丈夫なカカシを作る。このカカシに対して木刀を振るう。

 これまでの素振りとは違い、実際の手応えがある。木と木がぶつかり合う乾いた音が響く。

 ただ、力を入れ過ぎて木刀が壊れるのが嫌なので、力を加減しながら打ち込む。

 カカシの右腕、左腕、頭、胴に対して連続して攻撃を打ち込む。


 これも、もう何時間行っただろう。そんなある時、カカシを攻撃した瞬間に違和感が走った。

 なんだ?


 同じような感じでもう一度行ってみると、カカシの左腕が今までよりも大きく揺れる。

《レベルが20に上がりました》

 なんだ今の感じ?

 さっきまで横の方を飛んでいた妖精の姿をしたルナが目の前にすーっとやって来て説明する。

《エナを木刀に流し込みましたね》

 え、そうなのか? 自分じゃ意識していなかったが。機能が解放されたって事か?

《いえ機能ではありません。エナを武器に流しこむ技を体得したということでしょうか》

 そんなことができるのか?

《武器にエナを流し込む事ができるなんて、私は知りませんでした》


 でも、EPは減ってないように見えるな。

《数値には表れないほどだったのですが、極わずかに減りましたね》


 先ほどの感覚を思い出しながら、今度はエナを流すということを意識してカカシに攻撃。

 カカシの左腕が先程よりもさらに大きく揺れた。エナは流したが、力は先程よりも少な目だったはずだ。

 エナを流すと見た目は変わらないが威力は増加するようだ。


 何回も試し、エナを武器に流す感覚をものにする。

 エナを武器に流しながらの稽古を続行。エナの効率の良い流し方がわかってきた。

 力をだいぶ抑えたにもかかわらず、カカシの右腕を破壊できるまでになった。

《レベルが21に上がりました》


 エナを込めた木刀はそれ自体の強度もかなり上がるようだ。木や石に木刀を振るってみたところ、どちらも砕くことができ、木刀がまるで鉄かなにかで出来ているかのような強度になっている。



 棍棒でも同じことを試してみる。

 棍棒にエナを流してみたが、木刀のように綺麗に流れない。

 何が違うのだろうか。形か? 材質か? 硬さか?

 試しに余っている木や石など、いろいろな物にエナを流してみた。結果としては、流れやすい材質というものがあり、また、同じ木でも硬いほど流し易いというのが分かった。


 木刀と同じ程の破壊力になるよう、棍棒にエナをどんどん送り込んでいく。それでもなかなか破壊力に反映されない。カカシを破壊できるにはできるが、木刀ほどの感触が得られない。カカシを修理しながら試行を繰り返す。


 材質が違うと同じ強度を得るのに必要なエナ量が違うのだろうか。もしくは材質により限界があるのだろうか。そんなことを思いながらエナを送り込んでいると、棍棒が一瞬震えたと思った途端、バンッという音と共に棍棒が砕け散った。

 うわ、びっくりしたっ!


 ……


 あーあ、棍棒も結構気に入ってたのにな。残念。

 材質により限界があるってことか。

 流せばいいってもんじゃ無いってことだな…… 勉強になったよ。


 エナの残量を見てみると、これまでの試行によって50近く減っている。

 無理に流しても、エナの無駄使いにしかならないってことか。


 夜昼夜と夢中になってエナの流し方やエナの量を思考錯誤しながら稽古を続行した。


 カカシの右腕を破壊!、続いてカカシの左腕を切断!

《レベルが22に上がりました》

 訓練の末、破壊と切断ができるようになっていた。

 刀でいうところの刃に当たる位置にエナを偏るように込めると、まるで刀で切るかのように切断が可能になったのだ。

 まあ、硬い石に対しては切れないので打撃系と変わらないし、鉄なども切れないだろう。ただ、刃こぼれしないので刀より優秀だ。

 木刀の全体に均一に込めると打撃系、刃に偏らせると切断系の武器として使い分けられる。



 ルナ、この攻撃は魔物にも効くと思うか?

《十分有効です》


 まあ、まだまだ荒削り感は否めないが、コツは掴めたと思う。


 一区切りついたのと、カカシの材料も無くなったので稽古は一旦終了とする。

 時間は全く気にしていなかったが、丁度夜が明けたところだった。





 山に入り、カカシの材料を集める。集めるのは木と紐状の茎だ。


 この紐状の茎を切るときにナイフを使うのだが、ナイフにエナを流しながら木を切ってみるとスパスパ切れることが分かった。このナイフの材料の石は非常にエナを流し易く、エナが流れやすい分、切れ味が抜群になるのだろう。

 木の枝を払うのにも大活躍だ。


 材料を抱えて小屋に戻り、カカシを組み立てて昨日習得した技を忘れないように復習する。今日は流しこむエナの量を制限したり、エナを木刀の特定の部位に集中させてみるなどエナを正確にコントロールする練習を行う。

 練習のおかげで、カカシを細切れにしたり破壊したり、地面を木刀で突いて細長い穴を開けるなど、うまくコントロールできるようになった。まだ無意識で行えるほどには至っていないが、それは使い続けて行くことでものにできそうだと手応えを感じた。


 よし、訓練はこんなもんで良いだろう。

 時間を忘れて熱中していたせいか、既に日が暮れようとしている。



 ルナ、だいたい実力もついたようだし、既に目標のレベル22にも達している。なので、明日、町に向かって出発しようと思う。

《はい。いよいよですね》


 ああ、意外と早かったな。もっともっと時間が掛かると思っていたんだけどな。

 思えば、この数日の間にいろいろ有ったな。

 転生して、サイボーグで、ルナがいて、訓練して……

 ここまで来るのにはルナが居てくれた事が大きかったかもな。もし俺一人だったらどうなっていたことやら……


 そう言えばと、目の前をふらふら飛んでいるルナを見て思う。ルナは毎日違う服を着ているなぁ。

《女の子ですから、毎日同じという訳にはいきません》

 バリエーションは何着ぐらいあるんだ?

《いっぱい有りますよ》

 まあ、映像だからそりゃそうか。

《アースは毎日同じ服ですね》

 これしかねーんだよ! これしか!





 さて、出発の準備をするか。


 まずはお世話になった小屋を掃除する。掃除道具は無いので小枝をかき集めて来てホウキを作る。床はもちろん、内壁、外壁、屋根も綺麗にする。まあ、今更感は有るが、立つ鳥後を濁さずって言うしな。

 小屋の掃除が終わると、カカシの残骸や、武器を作る際に集めた石や木など、散らかしたものを小屋の裏側に片付ける。

 生活エリアは小さかったが、それでも丁寧に行ったのでそれなりに時間は掛かった。


 後は自分自身の準備だ。といっても持ち物は少ない。

 木刀に紐状の茎を結び付け、木刀を背中に背負えるようにする。ただそれだけだが、これで移動中も両手が空けられるようになる。


 次に石のナイフだ。これはどうするか。ずっと手に持っているわけにもいかないし。袋でも有ればいいのだが、そんな都合のいいものは無い。

 ルナ、異空間収納とかないのか?

《EP最大容量を対価に異空間収納庫を作成することができます》

 おおー、あるのか。

《そのナイフを2本収納する異空間を確保するにはEP最大容量を210使用します》

 EP最大容量が減るということか?

《その通りです。ただし、一旦作ると異空間収納庫を破棄してもEP最大容量に還元できませんので、ご注意ください》

 現在のEP最大容量は1164だ。引くと954か。まあ構わないだろう。

 ナイフを2本収納すると、もう何も入らないのか?

《異空間収納庫は、ナイフと同じ直径を持った球と考えてください。隙間がありますので、少しは入ります》

 なるほど、球の形をしているのか。

《厳密にはそう単純な物では無いのですが、異空間収納庫は収納する物の物理的な長さにも縛られてしまいます》


 木刀ならどうだ。結構長いので大きな球になるな。

《その木刀なら、980必要です。残りEP最大容量が厳しくなりますね》

 そうだな。であれば、ナイフだけにするか。

 後から拡張もできるか?

《いつでも可能です》

 なら深く考えるまでもないか。そのうち余裕ができたら拡張することでいいだろう。

《では、作成します》

 ああ、頼む。

《作成しました》


 ナイフ2本を手に取って見たが、どうやって収納するんだ?

《私が異空間収納庫にアクセスできますので、収納と取り出しは私が行います。ナイフを強く握らずに軽く持っていて下さい》

《なお、収納や取り出し時、異空間収納庫の開閉のために極少量ですがEPを使いますので承知下さい》

 そう言って、ルナはナイフの横に来て、ナイフに触れる。

《じゃー、ナイフを預かりますよ?》

 ああ。

 手からナイフ2本がすっと消えた。

 収納できたのか?

《バッチリです》



 現在のレベルを確認しておく。


レベル:22

HP:44

MP:22

EP:954


 HP、MPは意味が無さそうなので常時表示からは消しておくか。


レベル:22

EP:954




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ